キーボード_(コンピュータ)
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テンキーの有無テンキーレスのキーボードのひとつ REALFORCE 91UBK

JISキーボードでも、テンキーが右側に別にある物をスタンダードキーボード、テンキーがアルファベットの文字列中にある物(テンキー部のない物)をデータエントリーキーボードと呼ぶ事もある。また、前者をフルキーボード、後者をテンキーレスキーボード、等と呼ぶ事もある。

前者は、主にデスクトップ型パソコンやコンピュータ端末などで使用され、後者はノートパソコンや省スペースを目的とする一部のデスクトップパソコン、データ入力を専門とするパソコン、コンピュータ端末などで使用される事が多いが、テンキー部の有無で用途が区別される事はあまりない。

テンキー部の省略されたテンキーレスキーボードは、通常のフルキーボードに比べ種類が少ないが、その中でもフルキーボードから純粋にテンキー部を取り除いた物[2]と、少しでも全体をコンパクトにまとめるために独自の配列を採用した物[注釈 3]の2種類に大別される。どちらにせよ、テンキーの存在はポインティングデバイスの設置位置を遠くするため、テンキーの無いキーボードは一部のユーザに重用されている。PCサーバを19インチラックに搭載する場合、設置スペースの関係からテンキーレスキーボードを用意することが多い。Apple IIeのメーカー純正テンキー

それとは逆に、ノートPCで数値入力を頻繁に行う場合の作業効率を上げるため、テンキーのみの外付けキーボードも存在する。かつてはPC-98シリーズや富士通などメーカー独自規格ごとの純正品あるいはサードパーティ品がカタログに並んでいた。現在でもUSB接続の汎用品として販売されている。少数だがマウスやトラックボールとテンキーボードを一体化した製品も存在する。
様々なキーボードエルゴノミクスキーボード

また、KinesisのContoured Keyboardや、ペリックス社のPeriboard-512に代表される、人間工学に基づいてタイプする人の負担を減らすことを重点に置いた、いわゆるエルゴノミクスキーボードや、Frog PadやCut Keyのように片手での入力を行うことを前提としたキーボードもある。片手キーボードには、パソコンよりも先に携帯端末に慣れ親しんだユーザー向けにフリック入力のためにデザインされた物理キーボードもある。

ゲーム用のコントローラゲームパッド)の中には、ゲーム用デバイスであるにもかかわらずゲームコントローラの信号ではなく、キーボードと同じキーコード信号を出し、OS側からは一般のキーボードとして認識される物もある。これらは特別なドライバをインストールする必要が無く、またゲーム用の接続ポートが占有されない、ソフト側の入出力機能の開発労力削減などの利点があり、ネットゲームのヘビーユーザー向けとして少数ながら販売されている。中にはマイクロソフトの「Strategic Commander」のような特殊な形状をしたものもあった。

最近では[いつ?]マウスにハードウェアマクロを搭載するため、マウスをUSB接続にし、内部的にキーボード信号を出して「マウス+キーボード」の複合デバイスとして認識させる場合もある。この場合いったんマウスに設定を登録しておけば、他のPCでドライバレスで同じ動作を可能にできる。

また身体障害者向けに一部キー機能を抜き出した入力機器も見られる。特に、ソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)は、キーボードの機能をソフトウェアで実現したもので、画面上にキーボードの形を表示し、ポインティングデバイス操作によるカーソルや、タッチスクリーンとペンなどで各キーを指定して文字入力を行う。音声出力や検索機能を搭載できるカスタマイズ性が、特徴の1つで、初心者や障害者支援の一環にもなっている。

この他、ブックを搭載し、ページをめくる事でキーボードキーの意味がプログラムにより変わるインテリジェントキーボード(鉄道駅などのみどりの窓口発券端末で使用、現在はタッチパネル式)、特殊なペンによりキー入力を行うペンタッチキーボード(PDAなどで使用)などがある。

他にもショートカットコマンドの入力用としてお気に入りキーボードのような製品も存在する。
大きさiPhoneのソフトウェアキーボード

キーの横方向の間隔をキーピッチといい、フルサイズのキーボードで19mmである。かつては17mm程度などのよりキーピッチの小さいキーボードを搭載したモバイルノートパソコンも多かったが、近年は、モバイルノートパソコンもB5サイズ以上の物は19mmの物が多い。モバイル向けの外付けキーボードだと15mm - 17mm程度の物が多いが、15mm以下のより小型の物ものある。ソフトウェアキーボードの場合、タブレットで例えばiPadの場合、縦向きに使用した場合13mm、横向きに使用した場合17mmである。
アイソレーション・キーボード

近年[いつ?]キー間に間隔をあけ各キーの面積を小さくし独立した配置にしたアイソレーション・キーボードが多く使われるようになった。ソフトウェアキーボードでは、例えばタブレットのiPadの場合、縦向きの場合2mm、横向きの場合は3mm、キーとキーの間に余白をつけている。Windows 8ではタッチ対象は2mm以上の余白をつけることを推奨している[3]。ユーザーには隣接するキーを同時に押してしまうミスの低減、キーの間の清掃が容易といったメリットがある。本来はキー底側で強度を担保するフレーム構造を表面側に置くことで薄型化や軽量化を意図したものだが、普及と共に外観のみを模倣し、構造強度に関与しない格子状フレームを表面に配した製品も少なくない。
キーボードの機能

今日、一般に普及しているキーボードは、昔のタイプライターの時代から継承してきたものや、コンピュータの時代になってから新たに追加されたものなど、数多くの機能を備えるようになっている。
オートリピート開始や間隔の設定

キーを押しっぱなしにした場合、そのキーに対応するコードが連続して入力(送信)される機能である[4]。最初に押した時点からn秒後、m秒間隔で繰り返しするというような設定を行なえるキーボードもある。ソフトウェア的にシミュレートしたり、ソフトウェア側から(キーボード単独でなく)設定できるものもある。ほとんどのOSでは、これらの間隔を自由に設定できる。例えば、Windowsにおいては、コントロールパネルでリピート間隔(速度)を設定できる。
シフトロック

ロックされている間は、キーボード上の全てのキーがシフトキーを押したままの状態になる特殊なキーである[5]。この機能の起源は機械式のタイプライタであり、シフトロックキーが有効になっている間は文字通り物理的にシフトキーがロックされた状態となるものであった。通常コンピュータ用のQWERTY配列キーボードでは用意されている事は少ないが、フランス語圏で多用されるAZERTY配列等やコモドール64などを含む比較的古いもの等にはシフトロックキーが搭載されている。

QWERTY配列のキーボードにはシフトロックキーの代わりにキャップスロックキーが用意されている。キャップスロックでは一部の文字の入力はシフトキーと文字キーを同時に押す必要があるが、何らかの理由で同時に押すことができない状況に対応するため、例えばMacOS/OSXやWindows等を含む一部のOSやウィンドウマネージャの一部にはキャプスロックキーにシフトロックキーを割り当てる事ができる機能がある。
Caps Lock

Caps Lock(キャプスロック、キャップスロック)キー、またはCapital Lock(キャピタルロックキー)は、キーが有効になっている間、コンピュータに入力される文字を小文字から大文字に変える為のキーである[5]。記号等の非英字のキーは上段シフトとして扱われない点がシフトロックとは異なる。CapsとはCapital lettersの略、すなわち英字の大文字の意味である。
Num Lock詳細は「NumLockキー」を参照
Scr Lock詳細は「スクロールロック」を参照
PrtSc詳細は「プリントスクリーン」を参照
SysRq

SysRq(システムリクエスト)キーは、本来は操作中にシステムに対するコマンド入力モードに切り替えるためのキーである。メインフレーム環境のIBM 3270端末などでは、z/OSなどのTSO使用時にはVTAMコマンドが入力可能になり、z/VMなどのCMS使用時にはCPコマンドが入力可能になる。SysRqキーはパーソナルコンピュータでは101キーボードから搭載され、メインフレーム接続用の端末エミュレータで使用されるが、パーソナルコンピュータでは伝統的にコマンド入力モードへの切替にはEscキーを使用するアプリケーションが多い事もあり、SysRqキーは一部のディスプレイ切替装置用ソフトウェアや、LinuxカーネルでのマジックSysRqキーなどを除き、使用頻度が低い。
ベル音/ビープ音

機械式キーボードにおいては、右端まで来ると、その旨を通知するためのベルが鳴る。コンピュータ用のキーボードは、一部の機種(Sunのキーボードなど)において、キーボード内にベル音を鳴らすためのスピーカーがついている場合がある。この場合、本体側からBelキャラクタ(ASCIIで07H)を送信することで音が鳴る。但し、本物のベルではないのでビープ音という場合がほとんどである。
クリック音

機械式キーボードにおいては、キーを打鍵するたびに機械的な動作に応じて音と手応えがするが、電気式のコンピュータ用のキーボードではほとんど音がしない。そのため、キーの打鍵がされたかどうかを確認するために、打鍵するたびごとに音を発生させる仕組みが用意されている場合がある。これをクリック音という。音の発生機能そのものは前述のベル音と同じである。

しかし一部の業務用やマニア向け仕様のキーボードの中には、スイッチ部分に物理的にクリック感を生み出す物も見られ、好みで選択されている。中にはこれに特化して、激しい動作音のするものも見られる(後述)。
同時押し・ロールオーバー

電気式のキーボードは、機械式キーボードとは違い、同時に複数のキーを押すことが物理的に可能であるが、内部の電気回路的な制約により、押下したキー全ては入力できないことがある[注釈 4]


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