上記の通り、『キン肉マン』では様々な返し技が研究・開発されていたが、『キン肉マンII世』の時代では使い手であるキン肉マンやアシュラマンが第一線を退いたことにより、返し技も廃れてしまっていた。しかしキン肉万太郎やスカーフェイスといった新たな使い手の出現により再び返し技の復活・改良が進むようになる。 これらのように、キン肉バスターの使い手たちは返し技の名手でもある。また、ミートによるとバスター技の使用者は同時にバスター技の受身の名手でもあり、相手に技をかけられても通常よりダメージが低いという。 オリジナル技はエル・マテマティコが編み出したメキシコ式の複合関節技の一種ラ・マテマティカである。いわゆるキン肉バスターの形で持ち上げて締め上げ各関節にダメージを与える。 日本ではサムソン冬木がメキシコ帰還後に持ち込んだサムソン・ストライカーが初となっている。マテマティコの状態から後方へ倒れ込むように投げる技であった。相手の頭部から背面に打撃を与える形はブレーンバスターの変形とも言える。 これらは漫画『キン肉マン』中でキン肉バスターが使われるよりも前に生まれている。ただし、作者のゆでたまごの嶋田隆司はTwitter上にて、(ラ・マテマティカが原型ではなく)オリジナル技であると発言をしている[5]。 日本のプロレスで使用されるキン肉バスターは、『キン肉マン』からの影響が強いが、かけられた側の技ダメージは見た目よりはるかに高く、冬木が危険すぎると一時期禁じ手にしたという側面もある。ただし、漫画と同型で使おうとした場合、受ける側のみならず、かける側にも体の負担が大き過ぎるため、垂直に着地することは難しい。 使い手のうちモハメド・ヨネは「キン肉バスター」名称の使用にキン肉マンの原作者・ゆでたまごの公認をもらっている。また丸藤正道とのグローバル・ハードコア・クラウン戦にて、マットから持ち上げ、尻餅で着地するという完全形に近いキン肉バスターを放ったことがあり、違いがあるとすればジャンプの高度だけである。しかし、彼は後に『キン肉マン 特盛』で「以前、試合でキン肉バスターを使ったら、(相手の)記憶が吹っ飛んでしまった」と語っている。 2009年5月29日に行われたキン肉マニア2009のメインイベントでは、美濃輪育久とキン肉マンが交互にキン肉バスターを掛け合っている。美濃輪は相手を抱え上げてから膝で、キン肉マンは尻で着地しており、美濃輪のキン肉バスターは「掟破りの逆キン肉バスター」と呼ばれている[6]。 特に注記がない限りブレーンバスター型で使用。
バッファローマン版・キン肉バスター破り(キン肉バスター返し、リベンジバスター)
バッファローマンが考案し、7人の悪魔超人編の対キン肉マン戦で使用した。バッファローマンいわく「6」を「9」にする返し技。『キン肉マンII世』において、スカーフェイスとザ・ドゥームマンもこれを使用してキン肉バスターを破っている。技にかけられている最中、フリーになっている両脚の反動を利用して上下の体勢を入れ替え、逆転する。ただし、この返し技を可能とするには、キン肉バスターを仕掛けている側の10倍の超人強度を必要とするという[3]。
プラネットマン版・キン肉バスター&ネオキン肉バスター破り
プラネットマンが使用。宇宙地獄を司る能力で周囲を宇宙空間にして着地するための地面や天井を無くし、技を無効化させる。
アシュラマン版・キン肉バスター破り
アシュラマンが使用したキン肉バスター破り。技が決まる前にロックされていない腕を使い、マットに手を付いて着地の衝撃を防ぐ。『キン肉マンII世』では万太郎のマッスル・Gもこの方法で破ろうとしたが、凄まじい加重を受け腕を動かせず失敗した。
アシュラマン版・新キン肉バスター破り(ネオキン肉バスター破り)
アシュラマンが使用。新キン肉バスターを破る技。上記と同様だが天井に手を付く。
ネック・エスケープ・キン肉バスター破り
対アシュラマン戦でキン肉マンが使用。ロックが不完全な首を引き抜いて脱出し、体を半回転させてパイルドライバーを仕掛けた。これにより阿修羅バスターを破ることには成功したが、自身のキン肉バスターも同じ方法で破れることを証明してしまった技でもある。その後、スカーフェイスも使用。万太郎にキン肉バスターをかけられた際、首のフックを抜き、パワーボムで返した。
ジェイド版キン肉バスター破り
『Vジャンプ』版でジェイドが使用。技を極める瞬間、左腕のシールドを丸ノコのように回転させ、胸を切り裂き脱出する。
サイドキン肉バスター破り
悪魔将軍が使用。ロープに掴まって技を無効化し、さらに反動を利用してサイドキン肉バスターを仕掛ける。
アルティメット・スカーバスター破り(キン肉万太郎版)
キン肉万太郎が使用。持ち上げられた後、首をロックされる前にリングの鉄柱を引き抜いて(同時にフェイントとして、鉄柱にしがみ付いて持ち上げられるのを防ぐように見せかけた)相手の脚の間に差し込み首のロックを防ぐ。
ターンオーバー・キン肉バスター破り
超人オリンピック決勝でケビンマスクが使用。元来のバスター破り同様、首のロックを外しジャーマン・スープレックスを極める。
アルティメット・スカーバスター破り(アシュラマン版)
アシュラマンが使用。天井のように伸びるジェネラル・リブにぶら下がって落下を防ぎ、さらに自らの歯を噛み砕いて頭の大きさを変え、三角締めから首を抜いて脱出。自分がアルティメット・阿修羅バスターをかける。
アルティメット・阿修羅バスター破り
キン肉万太郎が使用。首のロックを抜くのではなく、あえてさらに体を捻じ込み隙間を作ることで首の抑えを外し、火事場のクソ力で阿修羅バスター破りに持っていく(その後、マッスル・Gにつなぐ)。
アルティメット・スカーバスター破り(セイウチン版)
セイウチンが使用。首のへこみを隆起させ、足のフックを外し、首に噛みつく。
バスター・クラッシュ
『週刊プレイボーイ』掲載時はキン肉バスタークラッシュ[4]。万太郎がキン肉マンに対して使用。キン肉バスターを極める寸前にチョークスリーパーをかけて、その体勢でコーナーポストに頭を叩きつける。
パラシュートアンカー
パイレートマンがキン肉マンに対して使用。上着をパラシュートにして、キン肉バスターの降下をストップする。
実際のプロレス技
主な使い手
モハメド・ヨネ - 正調の他、フィッシャーマンズ・スープレックスのクラッチから移行する直下式を「夢で逢いたい」として使用。
気仙沼二郎(気仙沼落とし)[注 2] - 正調の他、ジャンピング式を「真・気仙沼落とし」として使用。
横須賀ススム
池田大輔
大王QUALLT
田村ハヤト(ハヤトオーケストラ)
尾崎妹加(マイカバスター)
ジャングル叫女(ジャングルバスター) - 原型通りシットダウン式で使用。
サモア・ジョー(マッスルバスター)
Aトレイン(ジャイアント・バーナード)
派生技
レタドール
フラミータの得意技。キン肉バスターの形から相手を上に跳ね上げ、自らも背中から倒れこんで膝を突き立て相手の顔面または腹部に当てる。
ロミーナ
フラミータの得意技。キン肉バスターの形から相手を上に跳ね上げ、自らは開脚ジャンプしてシットダウン式パワーボムの要領で落とす。
キン肉大移動
彰人の得意技。キン肉バスターの形に担いでニーダウンしつつスパイン・バスターの要領で相手を前に背中から落とす。上記のレタドールを基に開発。
キン肉大断裂
彰人の得意技。キン肉バスターの形に担いで自らは前に倒れこみつつ相手を前に投げ出して膝から落とす。
ブラック・ファイヤー・ドライバー
フェニックスの得意技。キン肉バスターの体勢から自らが旋回する勢いで相手の頭部を軸にして前方に旋回させ、シットダウンして落とす変形のみちのくドライバーII。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ マッスル・ドッキングに入るための技の一部として使用。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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