キンモクセイ(金木犀[5]・巌桂、学名: Osmanthus fragrans var. aurantiacus)は、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹で、モクセイ(ギンモクセイ)の変種。庭園樹や街路樹として植栽に使われる。秋に橙黄色の花を咲かせて甘い香りを放ち、ジンチョウゲ、クチナシと合わせて、日本の三大芳香木のひとつに数えられている[5]。花は薬用にもなる。 和名の由来は、樹皮が動物のサイ(犀)の足に似ていることから中国で「木犀」と名付けられ、白い花を持つギンモクセイに対して、キンモクセイの花はオレンジ色や赤色が見立てという[6][7]。 キンモクセイの中国名は「丹桂」[5]で、銀桂(ギンモクセイ)の変種の一つとみられる[5]。中国語では丹桂も銀桂も、黄白色の金桂(ウスギモクセイ
名称
また、「金桂=丹桂」という説もある[5][注釈 1]。桂花全体は木?属という分類学中の「属」の階級に当たり、和製漢語の「金木犀」の文字もここから言う。
最後、漢字の「桂」については、日本では「カツラ(カツラ科)」だけに指すが、中国では使用範囲の広い漢字であり、「モクセイの仲間」と「トンキンニッケイ(クスノキ科)全般」のことを指すこともできる[8][5]。 中国原産[9]。日本には江戸時代(17世紀ごろ)に雄株だけが渡来し[10][5]、実を結ばないため、挿し木で北海道と沖縄以外の日本中に増やされた。日本には自然の分布はなく[7]、庭などに植えられている[6]。日本における栽培地は、北限は東北南部(太平洋側は岩手県紫波郡矢巾町[11]、日本海側は秋田)、南は九州までの範囲とされる[9]。 常緑広葉樹の小高木で、ふつう高さ4メートル (m) ほどになる[6][5]。条件が良ければ、高さ10 mから18 m、幹の直径は50センチメートル (cm) から1 mあまりに生長する[8]。樹皮は淡灰褐色で[10]、菱形に裂けた皮目が目立つ[12]。老木になると、樹皮は縦に裂けてくる[12]。葉は対生で[5]、長めの楕円形か広披針形である[10][12]。葉縁は波打っており[12]、わずかに鋸歯がある[注釈 2]。 花期は秋(9 - 10月)[6]。花はオレンジ色の小花が、葉腋に多数集まって咲かせる[10][9]。
分布
形態・生態