キング・コング_(2005年の映画)
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また、ジャクソンはフェイ・レイに「ラストシーンにカメオ出演して欲しい」と懇願しており、初めて面会した際には「絶対に嫌です」と断られたものの、交流を重ねるうちに「出演できないことはないですよ」と前向きな姿勢を見せるようになったが、彼女がプリプロダクション中に死去したため実現しなかった[21][11]。フェイ・レイが発するはずだった「It was beauty killed the beast(美女が野獣を殺した)」の台詞は、オリジナル版と同様にカール・デナム(ブラック)が発することになった[20]。ブラックは『ハイ・フィデリティ(英語版)』での演技をジャクソンに認められてデナム役に起用され[22]、役作りのためにP・T・バーナムとオーソン・ウェルズを研究した[23][20]。髑髏島の先住民役はアジア人、アフリカ人、マオリ人、ポリネシア人がエキストラとして参加しており、肌の色を統一するためにブラックフェイスを施している[20]

カメオ出演としてメイクアップアーティストのリック・ベイカー(1976年版『キングコング』のコング役)が飛行機パイロット役[20]、『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』の共同プロデューサーのリック・ポラス(英語版)と『ショーシャンクの空に』の監督フランク・ダラボンがジャクソンと共に飛行機の射撃手役[20]、ボブ・バーンズ3世(英語版)と彼の妻がニューヨークの群衆役を演じている。
撮影撮影に使用されたキングコングの模型

2004年9月6日からニュージーランドのミラマー(英語版)にあるキャンパーダウン・スタジオで主要撮影が始まった。キャンパーダウン・スタジオでは髑髏島の先住民集落や巨大な壁のセットが作られ、ロワー・ハットにはニューヨークの街並みのセットが作られた。ベンチャー号のシーンの大半はキャンパーダウン・スタジオの駐車場に作られた実物大のセットで撮影され、背景の海はポストプロダクションでデジタル合成している。コングがブロードウェイ劇場から逃亡するシーンはウェリントンのオペラ・ハウス(英語版)とオークランドオークランド・シビック・シアターで撮影されている[9]。ストーン・ストリート・スタジオでも撮影が行われ、同スタジオでは撮影セットの一つに合わせてサウンド・ステージ(英語版)を新設している[24]。撮影を進める中で視覚効果を追加する必要があったため、製作費は当初予定の1億7500万ドルから2億700万ドルに増額され、さらにジャクソンは映画の上映時間を30分追加した。事前の契約に基づき差額分の3200万ドルはジャクソンが負担することになり[18]、2005年3月に撮影は終了した[9]

劇中にはオリジナル版の原案に影響を与えたジョゼフ・コンラッドの『闇の奥』が登場しており[25]、ベンチャー号の船倉シーンではジャクソンが監督を務めた『ブレインデッド』に登場するスマトラン・ラット・モンキー(同作で髑髏島の生物と設定されている)の名前が書かれた木箱が置かれている[3]。ブロードウェイ劇場のシーンで描写される先住民の衣装や舞踊、メイク、そして女優を縛る柱はオリジナル版でアンをコングの生贄にするシーンをそのまま再現しており、このシーンで演奏される曲としてオリジナル版でマックス・スタイナーが作曲したスコアを使用している[3]。また、コングがタイムズスクエアを逃げ回るシーンでは、ユニバーサルの広告看板が掲げられている。ジャクソンによると、1933年当時の現地写真でコロンビア・ピクチャーズの宣伝看板が掲げられていることが確認できたためコロンビアに宣伝看板の使用許可を求めたところ、高額な使用料を求められたため使用を断念し、ユニバーサルの宣伝看板に差し替えたという[3]

製作費2億700万ドルのうち3400万ドルはニュージーランド政府からの助成金で賄っており[26][27]、『キング・コング』は当時最も高額な製作費が投じられた映画として歴代記録を更新した。上映時間は135分を想定していたが200分に迫る時間になってしまい、ユニバーサル幹部がニュージーランドに確認のため訪れることになった。ジャクソンが187分の完成版の試写会を行ったところ幹部たちは出来栄えに満足し、上映時間の長さについては問題視されなかったという[28]。ジャクソンは将来的に『キング・コング』をリマスターしたいと語っており[29]、撮影には3Dカメラも使用されていた[30]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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