キング・コング_(2005年の映画)
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事前の契約に基づき差額分の3200万ドルはジャクソンが負担することになり[18]、2005年3月に撮影は終了した[9]

劇中にはオリジナル版の原案に影響を与えたジョゼフ・コンラッドの『闇の奥』が登場しており[25]、ベンチャー号の船倉シーンではジャクソンが監督を務めた『ブレインデッド』に登場するスマトラン・ラット・モンキー(同作で髑髏島の生物と設定されている)の名前が書かれた木箱が置かれている[3]。ブロードウェイ劇場のシーンで描写される先住民の衣装や舞踊、メイク、そして女優を縛る柱はオリジナル版でアンをコングの生贄にするシーンをそのまま再現しており、このシーンで演奏される曲としてオリジナル版でマックス・スタイナーが作曲したスコアを使用している[3]。また、コングがタイムズスクエアを逃げ回るシーンでは、ユニバーサルの広告看板が掲げられている。ジャクソンによると、1933年当時の現地写真でコロンビア・ピクチャーズの宣伝看板が掲げられていることが確認できたためコロンビアに宣伝看板の使用許可を求めたところ、高額な使用料を求められたため使用を断念し、ユニバーサルの宣伝看板に差し替えたという[3]

製作費2億700万ドルのうち3400万ドルはニュージーランド政府からの助成金で賄っており[26][27]、『キング・コング』は当時最も高額な製作費が投じられた映画として歴代記録を更新した。上映時間は135分を想定していたが200分に迫る時間になってしまい、ユニバーサル幹部がニュージーランドに確認のため訪れることになった。ジャクソンが187分の完成版の試写会を行ったところ幹部たちは出来栄えに満足し、上映時間の長さについては問題視されなかったという[28]。ジャクソンは将来的に『キング・コング』をリマスターしたいと語っており[29]、撮影には3Dカメラも使用されていた[30]
視覚効果アンディ・サーキス

ジャクソンは『キング・コング』をモーションキャプチャの技術革新促進の機会と捉え、コングの描写をWETAデジタルのクリスチャン・リヴァースに任せた[31]。ジャクソンは「コングを人間のように動かしたくない」と考えており、視覚効果チームはゴリラの映像を数時間かけて研究した[32]。2003年4月に『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』でゴラム役を演じたアンディ・サーキスがコング役に起用され[14]、彼は役作りのためにロンドン動物園でゴリラの生態を研究した。その後にサーキスはルワンダに向かい、同地の野生のゴリラの生態も研究している[21]。リヴァースによると、サーキスによるフェイシャルモーションキャプチャ(英語版)の演技は人間とゴリラの顔つきが類似していたため実現できたという[31]。また、アニメーションの初期段階では、シルバーバックゴリラの画像をコングの画像に重ね合わせて作業を進めていた[33]。サーキスの声は「コンガライザー」と呼ばれる装置で加工され、コングの声として使用されている[28]。彼は演技の前に135個のマーカーを顔面に付ける必要があったため、モーションキャプチャ・メイクを完了するのに毎日2時間の時間がかかった[31]。彼は主要撮影終了後もデジタル・アニメーターのために2か月間モーションキャプチャ演技を行った[34]

ジャクソンによると、映画で使用された視覚効果は2300ショットあるという[28]。髑髏島の風景はミニチュア撮影で行い、生物は全てCGで作られており[28]、生物のデザインはドゥーガル・ディクソンの作品からインスピレーションを得ている[35]。これは「髑髏島を地球上のどこにも存在しない場所、オリジナル版と同様の神秘性と様式美を兼ね備えた場所にしたい」というジャクソンの考えに基づいたものであり、彼は「リアリティを求めるなら、ニュージーランドの熱帯雨林でジャングルのシーンを撮影していた」と語っている[28]
音楽

映画音楽の作曲は『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』に参加したハワード・ショアが手掛けていたが、公開7週間前に「創造面での意見の相違」を理由にジェームズ・ニュートン・ハワードに変更されている[36]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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