キング・オブ・コメディ_(1982年の映画)
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その後はマイケル・チミノにも監督を依頼したが、『天国の門』の制作を理由にオファーを断られていた[6]

一方、スコセッシは『レイジング・ブル』の完成後、長編劇映画の制作から引退し、ドキュメンタリーの制作に専念するつもりでいた[7]。しかし、イエス・キリストの生涯を描く劇映画『最後の誘惑』の制作を検討し始め、デ・ニーロにキリスト役を打診する。デ・ニーロはキリスト役の打診を断ったものの、以前から温めていた本作の企画を再び持ち出し、スコセッシに対し、自分と一緒にジマーマンの脚本を映画化しないかと逆に持ちかける。映画プロデューサーのアーノン・ミルチャンの後押しもあり、最終的にスコセッシが本作の監督を務めることが決まった。
キャスティング

ジェリー・ラングフォード役には当初、『ザ・トゥナイト・ショー』の司会者であるジョニー・カーソンが検討されていた[8]。カーソンにオファーを断られた後はフランク・シナトラディーン・マーティンの名前も候補に挙がったが、最終的にはジェリー・ルイスに落ち着いた[8][9]。劇中に登場するラングフォードのサインはルイス本人が記したものである。撮影開始前に初めて会話を交わした時から、スコセッシはルイスのプロフェッショナルな姿勢に敬意を抱き、この人物とならば円滑に仕事ができると思ったという[10]

マーシャ役にはメリル・ストリープが想定されていたが、オファーを断わられたため、サンドラ・バーンハードがマーシャ役に起用された[11]

メアリー・エリザベス・マストラントニオのデビュー作になるはずだったが、マストラントニオの出演シーンは編集段階ですべてカットされた。ただし、冒頭の群集シーンに一瞬だけ姿を見ることができる。その後、マストラントニオはスコセッシ監督の『ハスラー2』のヒロインに抜擢された。
演出

コメディアン志望の青年であるルパート・パプキンを演じるにあたり、デ・ニーロは数か月間に渡ってスタンダップコメディアンたちのステージを鑑賞し続け、パフォーマンスにおける間やタイミングを研究した[12]

本作のDVDに特典映像として収録されているドキュメンタリーで、スコセッシは、ルイス演じるラングフォードが街頭の老婦人から「お前なんかになってしまえばいいんだ」と罵倒されるシーンはルイスの演出によるものであることを明らかにしている。ルイスはかつて実際に同様の言葉を投げかけられたことがあり、本作の撮影現場ではルイス自らが老婦人役の女優に台詞のタイミングを教えていたという。
音楽

ロビー・ロバートソンが本作のサウンドトラックをプロデュースした。劇中ではロバートソンのオリジナル曲『Between Trains』をはじめ、B.B.キングヴァン・モリソンレイ・チャールズらの楽曲が使用されたほか、ボブ・ジェームスの楽曲が『ザ・ジェリー・ラングフォード・ショー』のテーマ曲およびルパート・パプキンのテーマ曲として採用されている。
サウンドトラックアルバム

本作のサウンドトラックアルバムは1983年ワーナー・ブラザース・レコードからレコード盤として発売され、2016年にはウーンデッド・バード・レコードからCD盤として発売された。
プリテンダーズ 『チェイン・ギャング』(3:51)

B.B.キング 『'Taint Nobody's Bizness (If I Do)』(3:33)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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