キングピン_(キャラクター)
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自らの犯罪活動が公に詮索されるのを避けるために、フィスクは正当なビジネスマンとして、慈善団体に寄付をする心優しい慈善家としての自分のイメージを世間に浸透させた。そして彼はヴァネッサと出会って結婚し、リチャードという長男にも恵まれた。夫の裏の顔を知らなかったヴァネッサから、裏社会から手を引かなければ別れると告げられたフィスクは、一度は犯罪帝国を放棄し、敵から家族を守るために家族を日本に移住させた。 しかし、時間が経つにつれて、彼は民間人の生活に順応することができなくなり、今度は妻の知識を得て、再びマフィアの道に戻った[12]

スキー事故で亡くなった思われたリチャードが、実は生存していており、父親が犯罪者であると知ったことからニューヨークに戻り、“スキーマー”と呼ぶ謎の新しい犯罪王に変装して、父親の帝国を破壊するために自分のギャングを結成していた頃、フィスクはスパイダーマンと再び衝突した[13]

後にフィスクはラスベガスを拠点とするヒドラの要職に就いた[14]

だがフィスクは、ヴァネッサの頼みで裏社会から永久に身を引くことを決意すると、その前にキングピンとしてもう一度スパイダーマンを殺そうとしたが失敗。それでも二度と犯罪に戻らないことを誓った[15]
能力・装備

キングピンには超人的な力は無いが、平均的な人間よりもはるかに耐久性があり、肥満体に見える体躯は超重量級の力士重量挙げ選手のように並外れた筋肉の塊であり、成人男性を部屋の向こう側にまで投げつけられるほど普通の人間としては高水準の腕力を誇る[14][16]。これに加え、素手で5人以上の熟練の武道家を一斉に敗る毎日のトレーニングによって[17]、護身術である達人級の相撲・得意技のベアハッグによる肉弾戦や、武装しての白兵戦にも長け、キャプテン・アメリカとも互角に戦えるほどの実力を有している[14]

また、貴重品を鍵のない特注の金庫に保管したり[18]、衣服の下にケブラー製アーマーを着用するほどの用心深さ、独学で習得した大卒レベルの政治学、表の顔である実業家・本性の犯罪組織の黒幕という双方における組織の事業運営・資産管理、豊富な知識、幾度も敵の裏の裏をかいてしのぐなど、非常に熟練した戦術家・策略家としての頭脳を有している。このため、自らの立場を強固なものにしつつ、陰謀や殺人・恐喝などで不利益となる存在は冷酷なまでに破滅させ、州及び連邦当局の捜査・摘発を回避するなど、犯罪組織の手強い黒幕としての手腕を発揮する。さらに非常に強靭な自我の持ち主でもあり、パープルマンのマインドコントロールにも抵抗できる[19]

キングピンはレーザー兵器を仕込んだダイヤモンドの装飾付きの杖や圧縮された睡眠ガス噴霧器であるネクタイピンなど、高度なガジェットも所有していたが、これらは最後の手段としてのみ使用することを好んだ。また、キングピンはスパイダーマンの敵からデアデビルの宿敵になってリアリティあるマフィアとして描写されると、これらの武器への依存度は低くなった。
その他のバージョン
マーベル1602

『マーベル1602・ユニバース』でのフィスクは海賊にしてHMS“ヴァネッサ”の船長であり、“キングズ・ピン”として知られる。ピーター・パーカーとノーマン・オズボーンをイギリスに連れ戻す船を攻撃し[20]、オズボーンを負傷させるも、ピーターの反撃を受けて乗組員共々ヴァネッサを奪取されてしまう。また、オズボーンが直接対決すると、フィスクは海に投げ込まれた[20]
エイジ・オブ・アポカリプス

『エイジ・オブ・アポカリプス』でのフィスクは、裕福な実業家で、“マローダーズ”に身を投じ、アポカリプスの飛行能力と爆風を放つ“ディリジブル”として登場する[21]。彼はマローダーズのリーダーであり、チームメイトどあるレッド(ノーマン・オズボーン)、オウル、および アーケードと共に、“ワカンダ”の難民キャンプを攻撃した。しかしディリジブルはグウェン・ステイシー によって殺害された[21]
MCU版マーベル・シネマティック・ユニバースでキングピンを演じるヴィンセント・ドノフリオ

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では、ヴィンセント・ドノフリオが演じる。日本語吹替は『デアデビル』においては乃村健次が、『ホークアイ』においては玄田哲章が担当。
キャラクター像

スキンヘッドが特徴で、ヘルズ・キッチンを拠点としている犯罪王。幼少期には両親と暮らしていたが、父親は選挙に立候補して議員になるという野心と酒癖の悪さを併せ持っており、ある日、彼の悪口を言った男のもとへ2人で趣いてその男に暴力で報復することを教えられると、最初のうちは戸惑っていた自身もやがて暴力の虜となり、その男をリンチした。後に父が母と口論の末に家庭内暴力をふるうと、耐えかねて父を止めるためにハンマーで殴るという暴力で彼を殺害してしまう。その結果、母は父の遺体をで切断して川に遺棄し、父の死は隠匿された。

そして成人後の現在は犯罪企業のトップとなり、中国人ロシア人日本人らと手を組み、人身売買から麻薬の流通までを取り仕切り、一方ではヘルズ・キッチンを強引なやり方で再建し利権を得ようとする。

強面の巨漢であるが、父の一件で罪悪感に蝕まれているだけでなく、普段は紳士的にふるまって部下を労い、一目惚れしたヴァネッサに思いを寄せたり、毎朝朝食を自分で作るなど組織の長であるものの、完全な悪人とは言えない人物であり、マット・マードック/デアデビルに対しても一目置いている。しかしながら一度激昂すると抑えられず、敵対組織の部下の首を車のドアで切断するなど猟奇的な行動も目立つ。利用価値のある者をうまく誘導して仲間に引き込むことも得意としており、実際にFBIのベンジャミン・デックス・ポインデクスターを、片思いをしていたジュリーを殺すことで子飼いとして仲間に引き込んだ。
描写

『MCU』において、マーベル・テレビジョン製作の『デアデビル』と、マーベル・スタジオ製作の『ホークアイ』は世界観を共有しているのか、別の世界線であるのかは、2024年現在明確に発表されていないが、マーベル・テレビジョン製作の『デアデビル』シーズン1で映画『アベンジャーズ』で起こった「ニューヨークの戦い」があったと言う過去の新聞記事が映されている。また、マーベル・スタジオ製作の『シー・ハルク』に登場したデアデビルがマーベル・テレビジョン製作の『デアデビル』と同一世界線であるとされている為、ドラマ2作品のフィスク/キングピンは同一人物であると思われるが、真相は不明。
デアデビル

シーズン1
本作で『MCU』初登場。ヴァネッサと出会い、その行動理念にも変化が現れはじめたのと同じ頃、黒い覆面を被った謎の男(マット/デアデビル)と敵対し、大衆の支持を得るためにそれまでの名前を出さずに暗躍していた姿勢から、ヘルズキッチンを再建する英雄としてマスコミに顔を出すよう自らの方針を転換した。黒覆面の男の活動により仲間を次々と失っていき、最終的にはデアデビルとなったマットに倒され、逮捕される。
シーズン2
刑務所に収監中。しかし、受刑者の支配や看守の買収その力は未だ健在である。資金の大半は没収されたが、買収やヴァネッサを海外で生活させるだけの資金力は残っている。刑務所内でフランク・キャッスル/パニッシャーと出会い、フランクが欲しい情報の代わりに目障りな囚人を始末するという取引を交わした。その後、フランクの脱獄の手引きをする。
シーズン3
ヴァネッサをアメリカに戻す為、自分以外の組織の情報を差し出す事と、厳重な監視体制付の高級セーフハウスでの軟禁生活を条件にFBIとの司法取引により出所した。しかし裏から多数の捜査官への脅迫を行い、都合のいい取引を持ちかけれるよう仕向けていた。セーフハウスもダミー会社を通した自分の所有物件であり、隠し通路と監視カメラによる逆監視を行い、それぞれの捜査官を監視していた。最終話でヴァネッサとの挙式の最中に、ジュリー殺しの犯人であることを知ったベンジャミンの襲撃に遭い、彼を追ってきたマットと三つ巴の対決に突入。ベンジャミンを戦闘不能にするも、マットとの1対1の決闘で敗れ逮捕される。
ホークアイ』第5、6話
本作では黒幕の一人として登場。主人公ヒーローのクリント・バートン/ホークアイ(初代)からも「手を出してはいけない男」と評価されている。また、左手でを突きながら歩行するようになった。もう一人の主人公であるケイト・ビショップ/ホークアイ(2代目)亡父に資金援助した過去から、ケイトの母のエレノア・ビショップを協力名目で一方的に支配しており、“トラックスーツ・マフィア”を傘下に従え、そのリーダーであるマヤ・ロペスからは、最初のリーダーでもあった彼女の父のウィリアムと主従関係だった縁で、育ての親同然の「おじさん」と慕われている。


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