映画『キングコングの逆襲』(1967年)に登場。
南ジャワ海のモンド島に棲んでおり、類人猿が巨大化したとされる[出典 26]。島の老人からはボー(島の言葉で「王者」)コングと呼ばれている。
本作品ヒロインのスーザンの危機に対し、その声を聞きつけてゴロザウルスと戦い、ダウンさせる[68]。その後はモンド島近海に住む大ウミヘビを退け、ドクター・フーによって北極のエネルギー鉱石「エレメントX」を採掘するためにさらわれるが逃亡し、東京にてドクター・フーが操るメカニコングと対決してスーザンをドクター・フーのもとから救出すると、メカニコングとドクター・フーを倒してモンド島へ帰っていった[56]。 日米合作テレビアニメ『キングコング』(1966年)に登場。 東映動画(現東映アニメーション)では、アニメのキングコングが製作され、ハンナ・バーベラ版のゴジラと同じように、人間に友好的で、子供たちと共に世界を冒険していくという内容で、襲いかかる恐竜や、悪者たちと戦っていく内容だった。 はっきりした大きさは不明だが、「台風にも大津波にも負けない」と主題歌で唄われるほどで、作中の船と比べると、少なくとも東宝版に近い数十メートルサイズの巨体を誇っている。 ジョン・ギラーミンの監督映画2作品に登場。 着ぐるみと原寸大の造形を交互に使用して制作され、造形制作はリック・ベイカーとカルロ・ランバルディが担当、着ぐるみはリック・ベイカーが兼任、声はピーター・カレンが担当した。設定では身長16.8メートル。 『キングコング』(1976年)では、南太平洋にある未開の島の原住民たちから神として崇められ、島に訪れた女優のドワンを生贄として捧げられる。ドワンに惹かれ連れ去るも、彼女を守るために大蛇と格闘中にドワンの救出に来た動物学者ジャック・プレスコットによってドワンを奪還されてしまい、ドワンを取り戻すため彼らを追いかけるも油田開拓のために島へ訪れていたフレッド・ウィルソンに捕らえられ、ニューヨークに連れてこられた。 だがお披露目の際、ドワンがマスコミに囲まれている姿を見て彼女が攻撃されていると勘違いし脱走、フレッドを踏み殺してニューヨークの街中を暴れ回り、ドワンを連れて世界貿易センタービルに登り出す。最期はアメリカ軍の火炎放射器隊とヘリコプター隊の機銃掃射によって追い詰められ、致命傷を負ってビルの頂上から落下した。 続編『キングコング2』(1986年)では生存していたことが判明し、ジョージア州アトランティック大学研究所にて10年間昏睡状態となっていたが、ボルネオ島のジャングルで捕らえられた雌のレディコングの輸血により人工心臓を移植され復活した。だがレディコングの悲鳴を聞いて暴れ出し、レディコングとともに山へと姿を消す。 その後、ハンク・ミッチェルによってレディコングが発見され、エイミー・フランクリンによって、レディコングが実は妊娠していることが明らかになって、その後でレディコングを守るために姿を現すも、ネヴィット中佐率いる陸戦部隊に狙われ、執拗な追撃を受ける。 やがてレディコングを救うためにネヴィットの陸戦部隊と戦い、全滅させるものの力尽きて絶命する。だが、レディコングとの愛の結晶であるリトルコングが産まれて育っていく。
関連書籍などでは2代目キングコングとも表記される[出典 27]。
スーツアクターは中島春雄[出典 28]。本作品のためにゴリラの動きを研究したと述べている[71]。手を地面につけて歩いたり、腕力を中心とした戦い方であるなど、メカニコングとの対比として類人猿らしさが強調されている[32]。中島は、猿のような動き方に苦労したほか、東京タワーのシーンも片手で柱に捕まりながら戦わなければならず、難しかったと述懐している[65]。
本作品でのコングは、前作よりも小さい身長20メートルと設定されており、精密な増上寺のミニチュアや鉄骨製の東京タワーのセットなど、従来の怪獣映画とは異なるスケールでの描写が特徴である[出典 29]。
恐竜(ゴロザウルス)からヒロインを救い出す場面は、RKO版をオマージュしており、構図も揃えている[出典 30]。
造形
頭部造形は利光貞三、胴体は八木寛寿、八木康栄による[73][60]。『キングコング対ゴジラ』のコングの造形に対するアメリカ側の不評を受け、今回は原点に近い頭の大きなゴリラタイプに造形された[出典 31]。着ぐるみはアップ用とアクション用が作られた[65][58][注釈 13]。前者は目が三白眼、後者は目が見開いているのが特徴である[58]。アップ用は腕の内部でマジックハンドを脱着する方式が取られ[69][60]、前作のような不自然さが解消されているほか、まぶたと口がラジコンで開閉する。アップ用とアクション用の2種類の顔が同じ石膏型から作られたが、東京タワーのシーンではそれらとは別に、歯をむき出して笑っているような表情の頭が使われている。海のシーンに使われたコングの胴体は、『キングコング対ゴジラ』のコングのものを再使用[出典 32]。この胴体は、『ウルトラQ』でも大猿ゴローに使われている[69][51]。その後、メインの着ぐるみは『行け! グリーンマン』の怪獣ゴリラとして流用され[75]、さらには漫画家の眠田直曰く『行け!ゴッドマン』の怪獣シラージとして改造されたという[76]。着ぐるみのほか、『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』のガイラのものを改造した実物大の右手[出典 33]と右耳周辺、ギニョール、操演用人形[出典 34]も製作された。操演用人形は安丸信行が制作し、ヘリコプターで運び込まれるシーンに用いられた[78][60]。
東映アニメーションのコング
ジョン・ギラーミン版のコング
『キングコング』 (1976年の映画)
『キングコング2』
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