キングギドラ
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体重14万1,056 t[注釈 7]

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)に登場。

南極の氷の中で眠っているところをモナークに発見されて管理下に置かれていたが、エマ・ラッセル博士と結託したアラン・ジョナ率いるテロ組織の爆破工作によって目覚めさせられる。モナークからモンスター・ゼロ[41]というコードネームを与えられている。

太古からゴジラのライバルとして何度も戦ったとされる最強の怪獣であり、西洋におけるあらゆる神話などで伝承される悪のドラゴンらのもとになったとされる。その反面、詳細な資料や記録が残っておらず、これについては「その力を恐れ、忘却したかったために記録しなかった」とアイリーン・チェン博士は推測している。また、ギドラに対して東洋におけるドラゴン=竜=ゴジラは神聖な存在として伝承されたとも推測された。

正体は太古に宇宙から飛来した外来生物、すなわち宇宙怪獣であり、嵐など気象を自在に操る[41]、頭部を1本失っても短時間で再生する、オキシジェン・デストロイヤーが効かないなど、地球上の自然摂理を逸脱した能力を有している[42]。知能が高いうえに性格は極めて凶暴で、怪獣とコミュニケーションを取る装置「オルカ」やそれを扱う人間を障害と見なし、激しい憎悪をむき出しにする。また、ゴジラを上回る力を持つが地球外生命体であるがゆえに地球のバランスを保つ存在ではないとして、ゴジラを怪獣王と考える芹沢猪四郎博士には「偽りの王」と称され、他の面々にも「外来種」と称される。なお、基本的には「ギドラ」と呼ばれており、日本語吹替版では「キングギドラ」と訳されてはいる[43]ものの、「キングギドラ」の呼称は1回用いられるだけである。

南極での覚醒時には存在を感知したゴジラと交戦し、多量の電気を吸収して全身から放つ引力光線[41]で悶絶させると、南極モナーク施設を壊滅させてハリケーンをまとい、身を隠す。その後、メキシコにて覚醒したラドンとプエルトリコ沖での空中戦では、圧倒して海に叩き落とす。そこへ追跡してきたゴジラとの再戦では、海中に引きずり込まれて左側の首を噛みちぎられるが、両者を倒そうとアメリカ軍の放ったオキシジェン・デストロイヤーに平然と耐えて飛び去り、左側の首も再生する。

やがて、自身の配下となったラドンをはじめとする各地で眠っていた地球怪獣(タイタン)たちを一斉に覚醒させ、世界各地への攻撃を開始するが、マディソン・ラッセルがオルカを使ってタイタンをなだめると、それを排除しようとボストンに襲来する。芹沢が自らの命と引き換えに起動した核弾頭のエネルギーを吸収して復活したゴジラおよびアメリカ軍と交戦し、ゴジラへの加勢に飛来したモスラにラドンを差し向けて妨害する一方、発電所から大量の電気を吸収して引力光線で航空機部隊を壊滅させる。さらには、ゴジラを首で捕縛して高々度から落下させて昏倒に陥らせ、モスラを引力光線で消滅させる。

だが、飛散したモスラの粉を吸収して復活したゴジラに再度形勢を逆転された後、超高温の体内放射を連続で浴びせられ、ほぼ全身を焼き尽くされる。中央の首だけとなってもまだ生きていたが、ゴジラに咥えられた状態から放射熱線を浴びせられ、完全に消滅する。エンドロール後、プエルトリコ沖に放棄されていた左側の首をジョナが地元漁師から買い取るシーンで、本編は終了している。

次作『ゴジラvsコング』(2021年)では、この首内の頭蓋骨がロボット兵器メカゴジラの完成につながることとなるほか、その前日譚に当たるグラフィックノベル『キングダム・コング』 (KINGDOM KONG)[44]では、生前に発生させた太平洋上の嵐がキングコングの故郷である髑髏島の生態系を崩壊させた遠因となっている。詳細はメカゴジラ#モンスター・ヴァースのメカゴジラおよびキングコング (架空の怪獣)#モンスター・ヴァースのコングを参照。
制作(KOM)

本作品では全編CGで描かれ、動きがスーツよりも滑らかになっている。日本版よりも翼のボリュームが増しており、尾の先端は『モスラ3』や『大怪獣総攻撃』のように棘が目立ち、翼を前脚の代わりにして地上を駆ける。中央の首は『FINAL WARS』のカイザーギドラのように前に出ている。首は各自の性格が異なっており、中央の首が真面目なリーダー格として、攻撃的でしつこい左の首や周囲への好奇心を持つ右の首に注意したり指示したりする様子が描かれている[42]。また、南極での覚醒時には逃げ遅れた人間を捕食する様子も描かれている。

『怪獣大戦争』のようなコードネーム、『大怪獣総攻撃』のような氷の中からの復活、『モスラ3』のような再生能力、カイザーギドラのようなエネルギー吸収能力など、歴代の登場個体の要素や能力が採用されている[17]

モーションアクターはジェイソン・リーズ、アラン・マクソン、リチャード・ドートンの3名で、それぞれ各頭部を担当した[45]。監督のマイケル・ドハティがインタビューで明かしたところによれば、生き物としてリアルに表現するため、撮影現場では物理的に3名を縛っていたほか、中央の頭が「イチ」、右側の頭が「ニ」、左側の頭が「サン」もしくは「ケビン」と呼ばれていたという[42]。なお、BGMにはスタジオで僧侶に詠唱してもらった般若心経を用いたという[46]

デザインは、レガシー・エフェクツ[45]。西洋のドラゴンよりも東洋の龍に近づけるよう、2本の尻尾と3つの頭、適切なサイズの角と特別な形の翼も必要とのドハティによる指示のもと、プロダクション・デザイナーのスコット・チャンブリスが現代の文化にドラゴンが溢れかえっているので最も退屈なものになるリスクがあったと明かした結果、前述の性格が異なる首が採用されたという[42]
『流星人間ゾーン』のキングギドラ

諸元キングギドラ
KING GHIDORAH
[47]
別名宇宙超恐獣[出典 4]
身長100 m[出典 5]
体重3万 t[出典 5]
出身地宇宙[49]

特撮テレビドラマ『流星人間ゾーン』(1973年)第5話および第6話に登場[48]

ゾーンの宿敵であるゴールドガロガが、未来科学総合研究所の大気中の一酸化炭素を減らすブルーグリーン装置を破壊するために送り込んだ「宇宙の覇者」で、最強戦力の「宇宙超恐獣」として登場する[出典 6]

第5話で太陽エネルギーを吸収するガロガの「ダークプリズム作戦」により、エネルギーを補給できなくなったゾーンファイターに対して翼を使った暴風と3つの口から放射する引力光線[50]で有利に戦うも、ゾーングレートのボルトサンダーであえなく形勢を逆転される。

第6話では金星でゾーンファイターと戦うが[51]、3本の首をそれぞれ滅茶苦茶にへし折られた末、ミサイルマイトを大量に受けるなどしてまたしても敗北し、宇宙へ逃げ帰る。絶命には至らないが、隊員は「キングギドラはもう立ち直れない」と発言する[51]

関連書籍などでは『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972年)と同一個体とするものもある[52][53]

スーツアクターは図師勲。

着ぐるみ自体は『地球最大の決戦』以来改修を重ねて使用されたもの[54][55]。すでにボロボロの状態であり[出典 7]、テレビの撮影現場では映画のような操演はできず、ただ立っているだけの状態がほとんどだった。この造形物は、本作品での使用が最後となり[58]、従来はこの撮影後に処分されたといわれていたが[59]、1979年に酒井敏夫が『週刊少年ジャンプ』[要文献特定詳細情報]の特集記事で、東宝の倉庫に保管されているのを確認している。飛び人形は『ゴジラ対ガイガン』のものを流用[15]

バンダイプラモデル「ザ・特撮コレクション」の1/350キングギドラはモデル自体は翼の付け根に鱗がある『怪獣総進撃』(1968年)時のものであるが、説明書の表紙の写真は、このキングギドラの写真である。

『ゴジラアイランド』のキングギドラ

特撮テレビドラマ『ゴジラアイランド』(1997年 - 1998年)に登場。

X星人の操る宇宙超怪獣として、第1シーズンの「キングギドラ編」に初登場。

凶暴電波が消えて正気を取り戻したゴジラのもとへザグレスによって送り込まれ、ゴジラ、ラドン、子モスラと交戦して海に転落するが、ザグレスのヴァバルーダが放った「滋養強壮赤マンダドリンク光線」を浴び、3倍にパワーアップして復活する。


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