アメリカのキリスト教原理主義の主張は、非常にわかりやすい。反同性愛、反中絶、反進化論、天動説支持、反共主義、反イスラーム主義、反フェミニズム、人種差別、ポルノ反対、性教育反対、エクソシズム信仰、神秘主義傾倒、家庭重視、小さな政府、共和党支持などが主な主張である。信者は南部、中西部で特に多い。テレビ伝道師やメガ・チャーチで説教し、多額の寄付を集める牧師も存在する。原理主義者は、公立学校における進化の代わりに、創造主義を基盤とする仮説であるインテリジェントデザインを教えようと試みてきた。 1925年のテネシー州でのスコープス裁判[4]や1982年のアーカンソー州での、反進化論裁判が有名である。いずれの裁判も南部の州でおこなわれた。ペンシルベニア州中部地区連邦地方裁判所は、インテリジェントデザイン(神をIDと表現)の教義をその宗教的根拠に基づいて違憲と判断した。キリスト教原理主義の政治関与が問題になってきたのは、80年代に右派で新自由主義者のロナルド・レーガンが大統領になってからである。レーガンを熱烈に支持したのは、原理主義のジェリー・ファルエル率いる「モラル・マジョリティー」(道徳多数派)と、右派学者のミルトン・フリードマンだった。 日本基督教団においては、神社参拝をしない(参拝自体を認めない場合もある)クリスチャンをファンダメンタリスト、その立場をファンダメンタリズムと呼んだ[5]。「神社非宗教論」を唱え神社参拝を容認する立場では、美濃ミッション事件から神社参拝拒否をファンダメンタリズムとする合意が形成されたという[6]。いずれも Fundamentalist Christianity、Christian Fundamentalism の訳語であるが、キリスト教原理主義と訳される場合とキリスト教根本主義と訳される場合では、意味合いが異なる。植村正久は根本主義のウェストミンスター信仰告白や代償的贖罪の教理に批判的であったが、1924年、『宣言若しくは信条』の中で英語のファンダメンタリズムの訳語としてキリスト教根本主義の語をあてている。以来、キリスト教界では批判的立場からも根本主義の訳語が使われていた。戦後は、蔑称の意味合いをもって原理主義の語が使用されることが多くなった。
日本の教団の立場
キリスト教原理主義の人物
ジェリー・ファルエル
パット・ロバートソン
脚注^ 宇田進著『福音主義キリスト教と福音派』p.42
^ フート著、志村恵訳『原理主義-確かさへの逃避』新教出版社 ISBN 4400421163
^ 月刊「いのちのことば」 2004年6月号-9月号連載宇田進著「「原理主義」と「福音主義」」
^ ⇒http://www.historynet.com/scopes-trial.htm
^ 渡辺信夫『主の民か、国の民か』 ISBN 426402465X
^ 『主の民か、国の民か』収録渡辺信夫著「主の民の道」p.139-140
関連項目
悪霊
原理主義
ファリサイ派
外部リンク
『キリスト教原理主義』 - コトバンク
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