枝を折ったときに出る白い汁は有毒である[6]。有毒な防御物質を持つため、食害する昆虫は少ないが、日本では鮮やかな黄色のキョウチクトウアブラムシが、新しく伸びた枝に寄生し、また、新芽やつぼみをシロマダラノメイガの幼虫が、糸で綴って内部を食べる。九州の一部や南西諸島では、キョウチクトウスズメ(スズメガ科)の幼虫が、葉を食べて育つ。 キョウチクトウは優れた園芸植物ではあるが、強い経口毒性があり、野外活動の際に調理に用いたり、家畜が食べたりしないよう注意が必要である。花、葉、枝、根、果実すべての部分と、周辺の土壌にも毒性がある。生木
毒性
中毒症状は、嘔気・嘔吐(100%)、四肢脱力(84%)、倦怠感(83%)、下痢(77%)、非回転性めまい(66%)、腹痛(57%)などである[11]。治療法はジギタリス中毒と同様である。
古代インドでは、キョウチクトウの有毒性を利用して、堕胎や自殺に用いられた[5]。 乾燥や大気汚染に強いため、工業地帯や市街地緑化の街路樹などに利用される[7]。神奈川県川崎市では、長年の公害で他の樹木が衰えたり枯死したりする中で、キョウチクトウだけはよく耐えて生育したため、現在に至るまで、同市の緑化樹として広く植栽されている。高速道路沿いの植栽でもよく見られ[8]、米国カリフォルニア州のヨセミテ国立公園から州都サクラメントまでのハイウェイの両脇には、延々とキョウチクトウが植栽されている[5]。さらに、広島市はかつて原爆で75年間草木も生えないといわれたが、被爆焼土にいち早く咲いた花として原爆からの復興のシンボルとなり広島市の花に指定された。 燃えにくく火に強いため(防火樹)としても知られる[20]。 全体に有毒であるが、葉は強心剤や利尿剤になり[7]、麻酔にも使われる[5]。
中毒事例
日本では、1877年(明治10年)の西南戦争のときに、官軍の兵が折った枝を箸代わりに利用し、中毒した例がある[9][8][5][信頼性要検証]。
フランスでキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある[9][12][信頼性要検証]。
1980年に、千葉県の農場で牛に与える飼料の中にキョウチクトウの葉が混入する事故があり、この飼料を食べた乳牛20頭が中毒をおこし、そのうちの9頭が死亡した。混入した量は、牛1頭あたり、乾いたキョウチクトウの葉約0.5g程度だったという[13]。家畜がキョウチクトウを食べることで中毒症が問題になる。致死量は乾燥葉で50mg/kg(牛、経口)という報告がある[14][15]。
福岡市では、2009年12月、「毒性が強い」として市立学校に栽植されているキョウチクトウを伐採する方針を打ち出した[16]が、間もなく撤回している[17]。
2017年、香川県高松市内の小学校の校庭に植えられたキョウチクトウの葉を3枚から5枚食べた2年生の児童2人が、吐き気や頭痛などの中毒症状を起こし、一時入院した[18]。
アレルギー
環境省によれば、1970年に喘息の発生が報告されている[19]。
利用
植栽
薬用オレアンドリン