キユーピー株式会社(キューピー、英: Kewpie Corporation[3])は、1919年(大正8年)に設立されたマヨネーズなどの調味料を主力としている日本の食品メーカー。株式会社中島董商店、アヲハタ株式会社とともに「キユーピー・アヲハタグループ」を形成している。 母体は現在の中島董商店で、創立者の中島董一郎が若いころのアメリカ留学時代にマヨネーズと出会い、1919年(大正8年)、東京府豊多摩郡中野町(現在の東京都中野区小滝町)に食品工業株式会社を設立。1925年(大正14年)3月に国産初のマヨネーズ(キユーピーマヨネーズ)の製造を開始、1957年(昭和32年)に社名を「キユーピー株式会社」に変更。現在も中島董商店がキユーピー・アヲハタグループの中核となっている。 有名なマヨネーズのほかにも、さまざまな食品、調味料、業務用製品も手がけている。 食品流通トップのキユーソー流通システムはキユーピーから独立した会社。ディスペンパックジャパン、サラダクラブは三菱商事との合弁会社である。 出典:キユーピー企業サイト「キユーピーの歩みと未来
概要
社名と商標
社名・商標の正式な表記は、「キユーピー」であり、小字を用いた「キューピー」ではない。この表記を継続しているのは、キユーピー側ではデザイン上の理由であるとしている[4]。同様の例として富士フイルム[注 1]、キヤノン、シヤチハタ、オンキヨー、エーアイテイー、ジヤトコ[注 2]、キヤリアなどがある。国語国字改革前に創業した老舗企業では、歴史的仮名遣として社名の拗音を現在でも小書きにしない会社も多い。なお、ドレッシングボトルの点字では、読みを優先させるという観点から「きゅーぴー」で表記している。
ロゴマークの由来はキューピー人形である[注 3]。ただしイスラム圏では、キユーピーが天使(イスラム教の禁忌である偶像崇拝)と誤解されないために、2013年から羽のないキユーピーが描かれている[5]。キユーピーの英文商号は、2010年2月まで「Q.P. Corporation」としていたが、同年2月23日より「Kewpie Corporation」に変更した。製品のマヨネーズに印字される文字は、以前から常にキューピー人形と同じ「KEWPIE」で、公式ウェブサイトのドメイン名もkewpie.co.jpである。瓶入りマヨネーズなど、極一部の製品にこの文字が印字されている。2010年(平成22年)1月21日に同年2月23日の株主総会で、英文商号を「Kewpie Corporation」に変更する提案の告知が行われ、実際に変更が行われた[6]。2017年(平成29年)から、テレビ番組における協賛表示クレジットやCMサウンドロゴも「キユーピー」から「kewpie」に変更されている[7][注 4]。
キユーピーのマークは1922年(大正11年)に日本で(第147269号)、1965年(昭和40年)にアメリカ合衆国で商標登録を行っている。
企業キャッチフレーズは「Food, for ages 0-100」「愛は食卓にある。(love around the kitchen table)」。2007年(平成19年)4月からは「愛は食卓にある。」のキャッチフレーズを加えて商標として使用している。
1998年(平成10年)、ローズ・オニール遺産財団からキューピーの日本での著作権を譲り受けた「日本キューピークラブ」の代表が、「キユーピーマヨネーズのロゴマークは著作権侵害にあたる」と裁判を起こしたが、原告の請求は棄却された[8]。
東京都世田谷区の「キューピータクシー」という社名のタクシー会社を、キユーピーが商標の無断使用で裁判に訴えた。そのため、この会社は2000年(平成12年)3月1日付で、ビゲスト株式会社(Biguest=BigとGuestの合成語)に社名を変更した[9]。
沿革キユーピー北京工場(北京丘比食品有限公司)
1919年(大正8年)11月 - 中島董一郎が、東京府豊多摩郡中野町(現在の東京都中野区小滝町)に食品工業株式会社を設立。
1925年(大正14年)3月 - 日本初のマヨネーズ「キユーピーマヨネーズ」を発売、商標として「キユーピー」を使用。
1932年(昭和7年) - 株式会社旗道園(現・アヲハタ)を設立。