キューバ
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2015年7月1日 - 両国が相互に大使館を設置することで合意[32]

2015年7月20日 - 両国の利益代表部が大使館に格上げされ、国交回復[33]

と、2015年に入ってから具体的な国交正常化への歩みを進めた。詳細は「キューバの雪解け」を参照

その後、米ドナルド・トランプ政権下では関係が再び冷え込んでいる。2019年3月4日、アメリカ政府は、キューバ「社会主義」政権が接収した資産に関する訴訟を、亡命キューバ人などがアメリカ国内で起こす権利を認める措置を発表した[34]
ラテンアメリカ諸国との関係

1999年にベネズエラウゴ・チャベス政権が成立してからは、産油国である同国からの石油輸入とキューバからの医師派遣を軸に強固な友好関係が樹立され、2004年に両国との間で米州ボリバル代替統合構想が結成された。2000年代後半に入り、ベネズエラに続いてボリビアエクアドルニカラグア左派政権が成立するとキューバはこれら諸国と友好関係を築き、2009年6月に米州ボリバル代替統合構想が発展解消する形で米州ボリバル同盟(ALBA)が結成された。
カナダとの関係詳細は「カナダとキューバの関係(英語版)」を参照

キューバとカナダは友好関係を保っており、カナダは上述のアメリカとの国交正常化交渉開始の際にも、ローマ教皇フランシスコとともに両者の仲介を行った。
ソビエト連邦及びロシアとの関係詳細は「キューバとロシアの関係」を参照

ロシアとはキューバ革命以後、ソ連時代から友好関係にあった。ソ連によるキューバへの核ミサイル配備はアメリカの反発を招き、キューバ危機(1962年)にいたった。その後、キューバはソ連から経済・軍事援助を受け、またアフリカの親ソ派の諸国・組織にキューバ兵や軍事顧問を送って支援した。

1990年代初めのソビエト連邦の崩壊による援助や優遇条件での貿易の停止・縮小はキューバを苦境に追いやったが、ロシアの国力回復と中南米政策の活発化にともない、再び関係は緊密化している。ロシアは2014年に旧ソ連時代からキューバが負っていた債務の9割を減免。2017年にはロシア国営石油会社ロスネフチがキューバへの原油輸出を再開したほか、300台以上の自動車「ラーダ」や75台以上の鉄道機関車の輸出も決まった。国営ロシア鉄道によるキューバ国内鉄道の近代化・延伸も協議されている[35]
日本との関係「日本とキューバの関係」も参照

日本とは1929年(昭和4年)12月21日に国交を樹立した。1941年(昭和16年)12月9日太平洋戦争の勃発にともないアメリカに続いて対日宣戦布告し、国交を断絶した。戦後の1952年(昭和27年)11月、サンフランシスコ講和条約締結にともない国交回復。1960年(昭和35年)に通商協定を締結、1961年(昭和36年)に発効。1898年(明治38年)以降、日本人移民がキューバに定住、1999年(平成11年)時点の概数で日系人は800人である[36]

日本は資本主義体制をとり日米同盟を維持しているが、キューバに対しては地理的・政治的な利害関係を持たず、また長らく最高指導者であったフィデル・カストロ親日家であることもあり、音楽スポーツを通じた民間交流も盛んである。2012年(平成24年)11月には福岡 Yahoo! JAPANドーム札幌ドームにおいて野球日本代表とキューバ代表による国際親善試合が行われた。そのため、両国関係は政治経済の両面で良好であり、1989年(昭和64年・平成元年)の昭和天皇崩御の際には喪に服した。また、1997年(平成9年)に発生した在ペルー日本大使公邸占拠事件では、日本政府の要請に対し、キューバがトゥパク・アマルー革命運動(MRTA)のゲリラ亡命受け入れを受諾した。キューバは日本人が観光目的で入国する際にビザ免除を認めている(ただし、事前に大使館、もしくは出発当日の空港でツーリスト・カードを購入する必要がある)。
北朝鮮との関係詳細は「キューバと北朝鮮の関係」を参照

キューバ革命以後、反米政策を共通とする北朝鮮とキューバは友好的な関係を保っている。キューバ政府は北朝鮮との友好関係を考慮し、長らく韓国と国交を結んでいなかったが、2024年2月14日に韓国と国交樹立[37]
中国との関係詳細は「中国とキューバの関係」を参照

冷戦時代のキューバは1960年代中ソ対立の中でソ連側についたこともあり、1966年に中国と関係がほぼ断絶した。アンゴラ内戦ではキューバは米中の影響力排除を目的に派兵した[38]。1979年、フィデル・カストロは中国が中越戦争で同じ共産圏のベトナムを攻撃し、キューバに敵対的で南米親米反共諸国とのコンドル作戦を主導しているチリアウグスト・ピノチェト政権なども支援していることを批判した[39]冷戦が緩和した1987年に中国とキューバは関係を正常化した[40]
国家安全保障詳細は「キューバ革命軍」を参照サンティアーゴ・デ・クーバを行進するキューバ革命軍の兵士(2006年)

キューバは革命以来、アメリカ合衆国の侵攻を防ぐために旧東側諸国の装備で重武装しており、現在では4万9,000人ほどの現役兵が常備兵として活動している。そのほか民兵組織などもある。

最高司令官は大統領が兼任。徴兵制度が存在し、17 - 45歳の男子が2年間兵役に服する。国防予算は約7億ドル(2000年)。正規軍であるキューバ革命軍の兵力は、陸軍兵力3万8,000人、海軍兵力3,000人、空軍兵力8,000人。兵器はほとんどがソ連製。正規軍のほか、青年労働軍(6万5,000人)、地方民兵隊(約100万人)などの民兵が存在する(数値はすべて2007年のもの)。
地理詳細は「キューバの地理(英語版)」を参照キューバの地図宇宙から見たキューバ

キューバの国土は長さ1,250キロで、キューバ島(本島)、「青年の島」(旧ピノス島)、および1,600あまりの小島と多島海からなる広大な群島によって構成されている。

キューバは、フロリダ半島の南145キロ、ユカタン半島の東210キロに位置し、カリブ海および大西洋メキシコ湾を結ぶユカタン海峡およびフロリダ海峡を、国土の西部と北部が押さえる要衝にある。国土の東部は、大西洋とカリブ海を結ぶウィンドワード海峡によってイスパニョーラ島と隔てられ、北東部はニコラス海峡、オールドバハマ海峡によってバハマ諸島と隔てられ、南にはジャマイカ島とケイマン諸島がある。


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