キューバ軍
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1988年に起きたクイト・クアナヴァレの戦い(Cuito Cuanavale)ではアンゴラ軍と共に南アフリカ軍の侵攻を阻止し、これにより膠着状態に陥ったアンゴラ、キューバ、南アフリカはニューヨーク合意を調印し、第一次国際連合アンゴラ検証団による監視の下、南アフリカが占領していたナミビアの独立を条件にキューバ軍と南アフリカ軍はアンゴラから撤退した[3][4]。これら一連のアンゴラ派兵活動はカルロタ作戦(Operacion Carlota)と呼称され、スペイン植民地主義に対し反乱を起こした黒人女性奴隷の名に因む。13年間で最大期には5万人規模の兵力、延べ30万人と1,000台以上の装甲車両や数十機の航空機、そして大規模な兵站部隊を派遣した。
組織

革命軍省(MFAR)の下、三軍種と青年労働軍および各種準軍事組織から成る。
陸軍詳細は「キューバ陸軍」を参照

陸軍は総員38,000人とほぼ同数の予備役を擁し、国土を三分割した地域軍の下で現役16個旅団と予備役14個旅団を有するとされる。装備はソビエト連邦製が多く、カリブ海諸国では最大規模であるが部品や燃料の不足でその運用能力には問題がある。また、陸軍には国境警備旅団がある。キューバは島国であるが、国内にアメリカ合衆国租借しているグァンタナモ米軍基地があるためで、陸上の警備監視のみならず周辺水域の警備に必要な哨戒艇も有している。
海軍詳細は「キューバ海軍」を参照

海軍は総員3,000人を擁し、管区を国土を東西に二分して防衛警備にあたる。装備はミサイル艇を中心に13隻保有し、他に小規模な海兵隊と沿岸砲兵部隊を有する。
空軍および防空軍詳細は「キューバ空軍」を参照

空軍は総員8,000人を擁し、海軍と同様に管区を東西に二分して防衛警備にあたる。装備はソビエト連邦製の航空機を中心に約200機を有しているが、その内の2割程度しか稼働できず状況は劣悪である。また、空軍は地対空ミサイルによる防空任務も行なっている。
民兵組織

青年労働軍(Ejercito Juvenil del Trabajo、EJT)は1973年8月1日に発足した民兵組織であり、革命軍の一部を成している。主たる任務は国家と社会の発展のために生産活動を行い、環境保護と天然資源の合理的利用の為の措置の執行、軍事訓練に参加すること、教育と愛国組織を以って、軍事、労働、文化とスポーツに貢献することである。


地方民兵隊(Milicias de Tropas Territoriales、MTT)は1980年5月1日に発足した、祖国防衛を目的とした志願制の民兵組織で、革命軍の一部を成している。組織階梯は地方民兵隊師団、連隊、大隊、独立中隊が編成されており、その数は100万人以上でおよそ半数が女性であり、男性については正規軍の予備役ではない高齢者が多数を占めている。隊員はそれぞれが居住する地域内において、非常の際にはインフラ守備や民間防衛の任にあたるとされ、正規軍への人員補充源も兼ねる。1980年前半には、有事に備えたトンネル・地下シェルターの建設工事にも従事している。装備は小火器をはじめ、野砲や高射砲で武装しており、これらは民兵の居住地付近に分散して配備されている。


生産防衛旅団(Brigadas de Produccion y Defensa、BPD)は、戦争時に生産活動に従事する事を目的に設立された。国土全体のおよそ2,000箇所に渡り生産センターや研究室を組織する。

教育機関

カミロ・シエンフェゴス軍学校(Escuelas Militares Camilo Cienfuegos) - 各地域軍に1校ずつ設けられている。

マジョルヘネラル・ホセ・マセオ・イ・グラハレス実習学校(Escuela Interarmas Mayor General Jose Maceo y Grajales) - 在サンティアーゴ・デ・クーバ

ルガルテニエンテヘネラル・アントニオ・マセオ・グラハレス実習学校(Escuela Interarmas Lugarteniente General Antonio Maceo y Grajales) - 在ハバナ市

ホセ・マルティ軍研究所(Instituto Tecnico Militar Jose Marti)

ヘネラリッシモ・マクシモ・ゴメス・バエス空軍士官学校(Academia de las FAR Generalisimo Maximo Gomez Baez)

グランマ海軍士官学校(Academia Naval Granma)

バラグア特殊部隊学校(Escuela de Tropas Especiales Baragua)

コマンダンテ・アリデス・エステベス対諜報戦学校(Escuela de Contrainteligencia Comandante Arides Estevez)

ソビエト連邦が健在時には、多くの軍人が他の東側諸国で訓練を受けた。全体を包括した人民戦争の概念に基き、各州には防衛準備州学校(Escuela Provincial de Preparacion para la Defensa)が置かれ、少なくとも年に一度は主な郡の指導者は生産防衛旅団や地方民兵隊の当局者の下で教育を受ける。
脚注^ a b Military Balance 2007
^ 青木一能「アンゴラとキューバ」『アフリカラテンアメリカ関係の史的展開』矢内原勝、小田英郎:編、平凡社 1989/06
^ 青木一能「アンゴラとキューバ」『アフリカ・ラテンアメリカ関係の史的展開』矢内原勝小田英郎編、平凡社東京、1989年6月。pp.223-247
^ レナード・トンプソン/宮本正興、吉國恒雄、峯陽一、鶴見直城訳 『南アフリカの歴史【最新版】』 明石書店〈世界歴史叢書〉、東京、2009年11月。ISBN 4-7503-3100-7。p.416。

参考文献

Christopher Langton, Military Balance 2007, Routledge

外部リンク

(スペイン語) ⇒
Fuerzas Armadas Revolucionarias 革命軍

(スペイン語) ⇒Ministerio de las Fuerzas Armadas Revolucionarias 革命軍省










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関連項目

各国の軍隊の一覧

カテゴリ:各国の軍隊



1 カリブ海地域にも領土を有する。

2 中央アメリカと南アメリカに跨っている。

3 南アメリカにも分類され得る。

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