キュウリは温度や水分には敏感な作物で[18]、夏場に次々と実をつけて大きくなっていくので、水切れしないように管理して育てていく[19]。ツルを支柱にしっかり固定し這わせる方法と、地面を這わせる栽培法がある[20]。栽培時期は、北半球で一般に春から秋(4 - 9月)のシーズン中に行われ、春に苗を植えて初夏から収穫する「春きゅうり」と、初夏に種を蒔いて夏の終わりに収穫する「夏きゅうり」、盛夏に種を蒔いて収穫する「秋きゅうり」がある。栽培適温は25 - 28度とされ[20]、夜温は15度以上が望ましい[21]。キュウリは、ウリ科の植物どうしの連作にも弱く、2 - 3年ほどウリ科の野菜を育てていない畑で作付けする[20]。根の酸素要求量は野菜の中でも最も大きいので、土壌の孔隙量が多いほど良く育つ[18]。また肥料を好む性質のため、追肥をして肥料切れを起こさないよう育てると良い作物ができやすい[19]。雌花が咲いたら、朝のうちに雄花をつんで雌花に人工授粉を行うことにより、より確実に着果させることができる[19]。
親づるに実がつく節成り系のキュウリは支柱栽培に向き、子・孫づるに実がつく枝成り系のキュウリは地を這わせる栽培に向く[22]。支柱栽培法は、キュウリの茎葉組織がもろく風に当たって折れやすいため、支柱立てや誘引を入念に行う[18]。地面に這わせる栽培法では、ワラを敷いておくと巻きひげがワラに絡まりながら生長していく[22]。
春まきはポットで育苗して定植、夏まき・秋まきは、直播きになる[23]。苗をつくるときは、育苗ポットに3粒ほど種をまき、本葉が出たら1本だけ残して切り取り、本葉4 - 5枚の苗に仕上げる[21]。キュウリは浅根性であるため、畑は元肥を浅く入れてよく耕して混合し、幅90 cmほどの畝をつくる[21]。土壌の保温や保湿を図るためマルチングをしてもよい[21]。苗の定植は、畑にあらかじめ灌水し、根を傷めないように丁寧に植え付けて再び灌水する[24]。8月ごろまでの成長期は、つるが伸びてきたら45節から下の親つるのわき芽(子つる)と花は摘み取るようにして、6節目から先の子つるや孫つるも伸びて花が咲き始めたら、各つるとも葉を2枚残してその先で摘芯
する[25][19][24]。肥料が不足すると草勢が衰えて花が落ちてしまうため、15 - 20日おきに定期的に追肥と水やりを行う注意が必要になる[8]。水切れを起こすと、花が咲く前に落ちてしまったり、果実が曲がってしまうことがある[8]。6 - 9月は盛んに実をつけるようになり、株を衰えさせないためにも長さ20 cmほどになったら早めに収穫する[25]。キュウリはさまざまな大きさで利用することができるので、特に草勢が弱まっていたときは、若採りして回復を早めるとよい[24]。日本の栽培農家では、最適なサイズで収穫するために、気温が高い夏場は収穫作業を1日2回行われる[10]。夏は露地栽培、秋から初春にかけては、ハウスでの栽培がメインとなり、気温によっては暖房を入れて栽培することもある。 収穫根が浅いため乾燥に弱く、高温乾燥が続くとあっという間にうどん粉病などの病気にかかり枯れる。
病虫害