オフィスドキュメントの入出力・保管・送受信など、あらゆる業務をこなす複合機。ネットワーク技術をはじめ、ドキュメント処理技術やソフトウェア技術など、キヤノンの先進の技術が投入されている。レーザープリンター、オフィス向け複合機、デジタルプロダクションプリンティングシステムなどは、同じ原理でプリントを行っている。 デジタルプロダクションプリンティングシステム「imagePRESS」は、キヤノン初のプロフェッショナル向けカラーオンデマンド機で、オフセット印刷に迫る高画質・高精細を実現し、少部数印刷にも対応できる生産性と優れた耐久性・信頼性を備えている。 従来より小型化・軽量化に成功した業務用4Kプロジェクター『4K500ST』を2015年から発売している。解像度は4,096×2,400、輝度は5,000ルーメン。シミュレーターやデジタルサイネージ、医療、美術館など高画質を望む市場をターゲットにしている。 スタジアムやスタジオを取り囲むように多数のカメラを設置し、撮影された映像を3Dデータ化することにより任意の視点、視線による映像を再現するシステムを提供している。光学技術、映像処理技術、並列分散画像処理技術、ネットワーク伝送技術、ユーザーインターフェース技術などにより広範囲の映像を高速、高画質で提供する。キヤノン株式会社川崎事業所内にボリュメトリックビデオスタジオ-川崎(Volumetric Video Studio - Kawasaki(VVS-K))を開設し、自由視点映像の作成サービスを実施している。 製造機器分野では、半導体露光装置(ステッパーなど)および液晶基板露光装置の開発・製造を手がけており、キヤノンの半導体製造装置は世界の企業の半導体・製造装置メーカー売上高ランキングで2019年(令和元年)度は15位につけている。 半導体露光装置市場では、1970年(昭和45年)に日本初のマスクアライナーを発表。同製品で世界トップの地位になったがステッパーへの移行が遅くなり、平成以降にはニコンとオランダのASMLとの技術競争で押され、市場シェアが低迷した。 巻返しのために次世代露光技術の一つであるナノインプリントに注目し、その開発に取り組んでいる。2014年(平成26年)には関連技術を持つ米国モレキュラー・インプリント社(テキサス州、現・キヤノンナノテクノロジーズ)を買収した。製品の量産化は2021年以降になる。 大型液晶テレビに使用される液晶パネルは、大型ガラス基板に微細な画素回路を露光する技術で作られるが、キヤノンのFPD露光装置は、57型ワイドテレビの一括露光も可能。2015年末現在、この装置のトップメーカーとなっている。 光学コンポーネントを開発・製造・販売している。また、バーチャルリアリティ技術の一種である拡張現実/複合現実(en:Mixed reality
デジタルプロダクションプリンティングシステム
プロジェクター
自由視点映像生成システム
露光装置
半導体露光装置
フラットパネルディスプレイ(FPD)露光装置
その他製品
香りペーパー[49][50]
要素技術
共通基盤技術
カラーマネジメントシステム -(入出力機器において高画質かつ統一感のある色を再現するための技術)
映像認識技術 -(映像データの内容を理解するための認識技術)
ユーザーインターフェース -(使い手の目的や意図を的確にくみ取り、使いやすさを追求するための技術)
通信ネットワーク技術 -(高画質映像を「簡単・セキュアかつ高速・省電力」で高品位に伝送するための技術)
クラウドサービス基盤技術 -(クラウドサービスへの対応と短期間でのサービス構築するための技術)
セキュリティ技術 -(製品・サービスの安全性を確保するための技術)
画像検索技術-(欲しい画像をすばやく的確に検索するための技術)
OS技術 -(デジタルカメラをはじめとした、数多くのキヤノン製品に採用されているOS技術)
システムLSI統合設計環境 -(ハードウェア・ソフトウェアのシステム全体を1チップに搭載するための技術)
ソフトウェア設計・検証技術 -(設計されたソフトウェアの動作モデルが正しいことを数学的に検証する技術)
ディペンダビリティ -(安全で信頼できるサービスをユーザーに提供する技術)
インプロセス可視化技術 -(製品の動作メカニズムを明確にする技術)
シミュレーション技術 -(製品開発段階で、製品内で起きる現象を分析する技術)
超音波モーター -(USMを世界で初めて実用化した、超音波振動で駆動するモーター技術)
エンコーダー -(角度や移動距離を測定するセンサー技術)
レーザードップラー速度計 -(レーザー光を照射し、移動・回転している対象物の速度を非接触で計測する技術)
ガルバノスキャナー -(レーザー光の位置決めをして穴あけやカッティング、トリミングなどを行う装置)
環境配慮技術
高機能バイオマスプラスチック -(環境負荷の低減に有用な材料技術)
揮発性有機化合物の代替技術 -(VOCs(揮発性有機化合物)の排出量の削減技術)
クリーナーレス現像技術 -(感光ドラムの現像ローラーによる残トナーの回収を安定させる技術)
オゾンレス帯電技術 -(感光ドラムのローラーに交流と直流を重畳した電圧をかけて感光ドラムを帯電させる技術)
トナー定着技術 -(フィルムを介してトナーに熱を与えて画像を定着させる技術)
トナーカートリッジリサイクル技術 -(再び新品のトナーカートリッジとして使用可能にする技術)
品質技術
人間・生理計測評価技術 -(脳波や筋電位、血流・汗・視線などの生理的な反応を測定する技術)
化学物質安全性評価技術 -(VOC (揮発性有機化合物)、粉じん、オゾン、微粒子などの放散化学物質の測定技術)
LSI故障解析技術 -(IR-OBIRCH法による電子部品評価・解析技術)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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