キヤノン
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2016年12月に東芝メディカルシステムズ(現・キヤノンメディカルシステムズ)を子会社化[47]
スキャナー

フィルムや写真、文書などをデジタルデータ化するスキャン技術には、高精細スキャンを追求するキヤノンの高度な光学技術、電子デバイス技術、ソフトウェア技術などの独自技術が数多く盛り込まれている。現在はスキャナーを備えた複合プリンターが多くCCDモデルとCISモデルの2機種が販売されている。
出力機器

各種プリンター(PIXUS、Satera、imagePROGRAF、SELPHY)や複写機/複合機(PIXUS、Color imageRUNNER、imageRUNNER、ファミリーコピア、ミニコピア、Satera MULTI FUNCTION PRINTER、imagePRESS)、イメージスキャナ・ドキュメントスキャナ(CanoScan、imageFORMULA)、プロジェクタファクシミリ(キヤノフアクス)などといったOA機器やコンピュータ用周辺機器、関連ソフトウェアを開発・製造・発売している。なおファクシミリについては個人用を2006年12月に、複写機も個人用を2016年3月に販売終了し[注釈 3]、現在は業務用のみとなっている。さらに、オランダ・オセ社が傘下に入り、基幹系プリンター、連帳プリンター、オンデマンドプリンターなどのラインナップが強化されているほか、業務用フォトプリンター(DreamLabo)などの新規ジャンルも増やしている。
インクジェットプリンターキヤノンインクジェットプリンター PIXUS560i

1980年代にインクノズル内のヒーターを加熱して発生させた泡(バブル)の圧力によりインクを噴出させることにより精密なイメージを印刷可能にした「バブルジェット方式」(サーマル方式インクジェット)を開発、1985年からこの方式を採用した「BJプリンタ」を発売。オフィスから家庭まで幅広く普及し、現在のキヤノンの売り上げの大きな核となった。現在ではピクサスブランドで展開、日本市場ではセイコーエプソンカラリオと激しいトップシェア争いを繰り広げている。また現在では、PictBridgeなどに対応し、カメラからのダイレクトプリントも可能なものがある。なるべく独自技術の特許を他社に開放せず、技術を囲い込む戦術はキヤノンの特徴的なマーケティング戦略であると言える。また、ポスターなどの印刷を行う大判プリンターは「imagePROGRAF」ブランドとして販売している。imagePROGRAFは、「綴プロジェクト(文化財未来継承プロジェクト)」の出力機器として使用されている。高速・大量の写真・アルバムの印刷を行う業務用フォトプリンターは「DreamLabo」ブランドとして販売している。インクジェットプリンタ/複合機「PIXUS」と機動戦士ガンダムのコラボレーション、「PIXUS GUNDAM PROJECT」の「機動」として、シャア専用カスタマイズキット付きの限定モデルを販売した。
大判インクジェットプリンター

基本性能である高速出力・高画質・低コストをさらに進化させ、ソフトウエアを拡充することで、生産性と出力ワークフローの利便性が向上している。CAD/GIS図面を出力する建築、土木、製造、官公庁などの大規模ネットワーク環境から中規模ワークグループだけでなく、高品位ポスターを出力する流通業や小売店、教育現場など、幅広い大判プリントニーズに対応している。大判機の中心に据える水性インクジェットタイプは、世界シェアが台数ベースで2014年末現在27%で2位。
業務用フォトプリンター

リテイルフォト業界向けとして新展開する業務用フォトプリンター「DreamLabo」には、家庭用インクジェットプリンターから業務用デジタル複合機まで、幅広い製品開発を続けてきたキヤノンのプリンター技術が投入されている。一般的なプリンターはCMYKの4色、画質を重視する業務用プリンターでも6色での印刷が主流だが、キヤノン「DreamLabo 5000」は、CMYKの4色に加え、さらにフォトシアン、フォトマゼンタ、グレーを加えた7色のインクで印刷を行う。これにより、従来のカラーレーザー印刷では表現できなかった写真画質が表現できるようになった。銀塩方式の「立体感」「重厚感」とインクジェット方式の「透明感」、それぞれの強みを融合したインクジェットならではの広い再現色域を活かして、より豊かな深みのある色表現を実現している。
レーザープリンター・複合機オフィス向け複合機 iR2270

1960年代に複写機の開発を開始。それまで米・ゼロックスが特許を盾に市場を独占していたが、ゼロックスの特許をまったく使わずに独自の電子写真方式「NP方式」の開発に成功、1969年に初の製品を発売した[注釈 4]。以後複写機の分野ではゼロックスと並ぶシェアを占めた。現在ではほとんどの製品がデジタル複合機に移行し、「imageRUNNER(イメージランナー、iR(カラーはiRC))」「imagePRESS(イメージプレス)」のブランドで発売している。また、電子写真技術をもとにレーザープリンター(LBP)を開発し、かつては「LASER SHOT(レーザショット)」、現在では「Satera(サテラ)」のブランドで発売している。なお、レーザープリンター商品はオンデマンド定着式[48] を採用しており省エネに貢献している。これら製品に関連し、文書管理やプリンター管理、帳票設計などのソフトウエア製品群を、「imageWARE(イメージウェア、iW)」ブランドで開発・販売している。
オフィス向け複合機

オフィスドキュメントの入出力・保管・送受信など、あらゆる業務をこなす複合機。ネットワーク技術をはじめ、ドキュメント処理技術やソフトウェア技術など、キヤノンの先進の技術が投入されている。レーザープリンター、オフィス向け複合機、デジタルプロダクションプリンティングシステムなどは、同じ原理でプリントを行っている。
デジタルプロダクションプリンティングシステム

デジタルプロダクションプリンティングシステム「imagePRESS」は、キヤノン初のプロフェッショナル向けカラーオンデマンド機で、オフセット印刷に迫る高画質・高精細を実現し、少部数印刷にも対応できる生産性と優れた耐久性・信頼性を備えている。
プロジェクター

従来より小型化・軽量化に成功した業務用4Kプロジェクター『4K500ST』を2015年から発売している。解像度は4,096×2,400、輝度は5,000ルーメン。シミュレーターやデジタルサイネージ、医療、美術館など高画質を望む市場をターゲットにしている。
自由視点映像生成システム

スタジアムやスタジオを取り囲むように多数のカメラを設置し、撮影された映像を3Dデータ化することにより任意の視点、視線による映像を再現するシステムを提供している。光学技術、映像処理技術、並列分散画像処理技術、ネットワーク伝送技術、ユーザーインターフェース技術などにより広範囲の映像を高速、高画質で提供する。キヤノン株式会社川崎事業所内にボリュメトリックビデオスタジオ-川崎(Volumetric Video Studio - Kawasaki(VVS-K))を開設し、自由視点映像の作成サービスを実施している。
露光装置

製造機器分野では、半導体露光装置(ステッパーなど)および液晶基板露光装置の開発・製造を手がけており、キヤノンの半導体製造装置は世界の企業の半導体・製造装置メーカー売上高ランキングで2019年(令和元年)度は15位につけている。
半導体露光装置

半導体露光装置市場では、1970年(昭和45年)に日本初のマスクアライナーを発表。同製品で世界トップの地位になったがステッパーへの移行が遅くなり、平成以降にはニコンオランダASMLとの技術競争で押され、市場シェアが低迷した。

巻返しのために次世代露光技術の一つであるナノインプリントに注目し、その開発に取り組んでいる。2014年(平成26年)には関連技術を持つ米国モレキュラー・インプリント社(テキサス州、現・キヤノンナノテクノロジーズ)を買収した。製品の量産化は2021年以降になる。
フラットパネルディスプレイ(FPD)露光装置

大型液晶テレビに使用される液晶パネルは、大型ガラス基板に微細な画素回路を露光する技術で作られるが、キヤノンのFPD露光装置は、57型ワイドテレビの一括露光も可能。2015年末現在、この装置のトップメーカーとなっている。
その他製品

香りペーパー
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要素技術

光学コンポーネントを開発・製造・販売している。また、バーチャルリアリティ技術の一種である拡張現実/複合現実(en:Mixed reality)を実現する機器(ヘッドマウントディスプレイ)やプラットフォームを開発している[51]
共通基盤技術

カラーマネジメントシステム -(入出力機器において高画質かつ統一感のある色を再現するための技術)

映像認識技術 -(映像データの内容を理解するための認識技術)

ユーザーインターフェース -(使い手の目的や意図を的確にくみ取り、使いやすさを追求するための技術)

通信ネットワーク技術 -(高画質映像を「簡単・セキュアかつ高速・省電力」で高品位に伝送するための技術)

クラウドサービス基盤技術 -(クラウドサービスへの対応と短期間でのサービス構築するための技術)

セキュリティ技術 -(製品・サービスの安全性を確保するための技術)

画像検索技術-(欲しい画像をすばやく的確に検索するための技術)

OS技術 -(デジタルカメラをはじめとした、数多くのキヤノン製品に採用されているOS技術)

システムLSI統合設計環境 -(ハードウェア・ソフトウェアのシステム全体を1チップに搭載するための技術)

ソフトウェア設計・検証技術 -(設計されたソフトウェアの動作モデルが正しいことを数学的に検証する技術)

ディペンダビリティ -(安全で信頼できるサービスをユーザーに提供する技術)

インプロセス可視化技術 -(製品の動作メカニズムを明確にする技術)

シミュレーション技術 -(製品開発段階で、製品内で起きる現象を分析する技術)


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