成功した作家、出版者、画家そして映画監督であったウォーホルは、1962年7月9日にカリフォルニア州ロサンゼルスのフェラス・ギャラリー(Ferus Gallery)で美術家[7][8]として最初の画廊での個展をひらいた。この展示は、アメリカ西部におけるポップアートの嚆矢となった[9]。1940年代からアメリカ合衆国の美術界で支配的であった抽象表現主義の技法と哲学に対して、この作品があからさまな通俗的商業主義で露骨に侮辱したため芸術界で波紋を呼び、作品の理非と倫理に関する多くの議論につながった。この騒動が大きなものとなり広く知られたことは、ウォーホルを、洗練された1950年代の商業イラストレーターから有名な美術家に変身させ、彼をほかの新進のポップ・アーティストから区別させる一助となった。ウォーホルの絵に商業的な需要が生じたわけではなかったが、このテーマと作者とが結び付けられたことでウォーホルは有名になり、最終的に『キャンベルのスープ缶』は彼の代名詞になった。
脚注^ a b ⇒"Andy Warhol. (American, 1928?1987). Campbell's Soup Cans. 1962", Museum of Modern Art, 2006. Retrieved on November 10, 2008.
^ Frazier, p. 708.
^ “ ⇒キャンベル・スープ T 。滋賀県立近代美術館”. www.shiga-kinbi.jp. 2023年1月8日閲覧。
^ “キャンベル・スープ缶 。アンディ・ウォーホル 。作品詳細