フィリス・ナジーの提案で、本作のタイトルは『The Price of Salt』ではなく、1990年に原作小説が再版されたときの『Carol』の方になった。その理由に関してナジーは「ハイスミス自身が『Carol』というタイトルに強いこだわりを持っていたから。」だと述べている[32]。ヘインズはタイトルに関して「原作小説はテレーズの視点から記述されている。物語において、あらゆる欲望はキャロルに向いている。キャロルとはあまり関係のないものや不安定な感情も盛り込まれてはいる。そういったものが映画の大半でテレーズに降りかかり、新しい感情を生み出すのである。主体と客体の関係は物語の中で揺り動いているが、その不安定な関係の総体こそがキャロルなんだ。」と述べている[33]。 2014年3月12日、オハイオ州シンシナティで本作の主要撮影が始まった[34][35]。主要撮影のロケ地には、ハミルトン郡のワイオミング
撮影
2014年12月15日、ヘインズは製作の全工程が終了したと発表した[41]。 2014年5月16日、フィルム4・プロダクションズは『ロンドン・イヴニング・スタンダード
公開
2015年5月13日開幕の第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、5月17日に上映された[1]。パルムドールを争ったが受賞には至らなかった[43]。なお、本作はテルライド映画祭、ニューヨーク映画祭、ロンドン映画祭、シカゴ国際映画祭にも出品された[44][45][46][47]。 本作はカンヌ国際映画祭で上映され、高い評価を受けた[48][49]。 映画批評家のトッド・マッカーシーは、本作を2015年の映画ベスト10で第10位に挙げている[50]。 受賞一覧
評価
原作の訳書
パトリシア・ハイスミス『キャロル』 柿沼瑛子訳、河出文庫、2015年。新版での訳
受賞
賞/映画祭カテゴリ対象者結果出典
カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート[51][52]
女優賞ルーニー・マーラ (エマニュエル・ベルコとタイ受賞)受賞
クィア・パルム受賞
フランクフルト・ブックフェア脚色賞受賞[53]