2013年8月、ワシコウスカが降板し、その代わりにルーニー・マーラが起用された[21]。マーラにオファーが来たのは『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年公開)の撮影が終了した後だったという。マーラは脚本を気に入り、ブランシェットと共演してみたいと思ったが、『ドラゴン・タトゥーの女』の撮影に伴う疲労感ですぐにオファーを受け入れる気になれなかった。ヘインズが監督に着任し、再度マーラにオファーが来てようやく契約にサインすることができたという[22][23]。2014年1月、カーター・バーウェルが本作で使用される楽曲を作曲することになった[24]。22日、サラ・ポールソンとカイル・チャンドラーが本作に出演すると報じられた[25][26]。2月、コーリー・マイケル・スミスとジェイク・レイシーの出演が決まった[27][28]。3月12日、本作の撮影監督にエドワード・ラックマンが着任したとの報道があった[29]。4月、ジョン・マガロがダニー役に起用されたと報じられた[30]。9日、キャリー・ブラウンスタインの出演が決まった[31]。
フィリス・ナジーの提案で、本作のタイトルは『The Price of Salt』ではなく、1990年に原作小説が再版されたときの『Carol』の方になった。その理由に関してナジーは「ハイスミス自身が『Carol』というタイトルに強いこだわりを持っていたから。」だと述べている[32]。ヘインズはタイトルに関して「原作小説はテレーズの視点から記述されている。物語において、あらゆる欲望はキャロルに向いている。キャロルとはあまり関係のないものや不安定な感情も盛り込まれてはいる。そういったものが映画の大半でテレーズに降りかかり、新しい感情を生み出すのである。主体と客体の関係は物語の中で揺り動いているが、その不安定な関係の総体こそがキャロルなんだ。」と述べている[33]。 2014年3月12日、オハイオ州シンシナティで本作の主要撮影が始まった[34][35]。主要撮影のロケ地には、ハミルトン郡のワイオミング
撮影
2014年12月15日、ヘインズは製作の全工程が終了したと発表した[41]。 2014年5月16日、フィルム4・プロダクションズは『ロンドン・イヴニング・スタンダード
公開
2015年5月13日開幕の第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、5月17日に上映された[1]。パルムドールを争ったが受賞には至らなかった[43]。なお、本作はテルライド映画祭、ニューヨーク映画祭、ロンドン映画祭、シカゴ国際映画祭にも出品された[44][45][46][47]。 本作はカンヌ国際映画祭で上映され、高い評価を受けた[48][49]。
評価