キャラクターデザイン
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アニメと同様、長期間にわたり雑誌連載が続いている漫画の場合は長い連載の間にデザイン全般について、作者の画風の確立と共に徐々に洗練されていったり、あるいは作品の方向性の変化に適した形へや、週間連載作品では作品の量産に適したものへなど、時勢や作者・作品・掲載誌の都合に応じて次第に変化していくことが多い。また、アシスタントの交替や作画作業に関する新機材の導入・デジタル化などをきっかけに画風が変わる作品も少なくない。これらの結果として、主役格のキャラクターでも作品のスタート時点と最新時点で頭身や顔つきまでもが変わってしまうなどといったことにもなる。特にギャグ漫画の場合、『Dr.スランプ』『ケロロ軍曹』のようにこのようなデザインの変化すらをも自らネタにしてしまう作品も存在する[要出典]。
デザインのリファイン

小説・漫画・ゲーム・パチンコパチスロなどの形で原作が存在する作品をアニメ化する場合においては、原作のキャラクターのデザインからの修正作業もキャラクターデザインの一部である。すなわち漫画・小説の挿絵・イラスト・CGなどとして描かれたキャラクターのイメージをアニメーションに適したデザインへと置き換え、背中姿や小物類などのデザインを必要に応じて追加することである。

この場合、アニメ動画用のキャラクターのデザイン担当者はキャラクターデザインまたはアニメーションキャラクターデザイン、原作作品の挿絵・イラストを描いたイラストレーターはキャラクター原案という役職名で区別されることが一般的である[要出典]。

オリジナルアニメであっても、キャラクターデザインだけを漫画家、イラストレーターに発注した場合、デザイン画をアニメ用に修正する作業もキャラクターデザインの一部であるが、作画監督などが作業する場合は独立したキャラクターデザインの担当者は立てない。従ってクレジットはキャラクター原案と作画監督のみとなる。他方で、『クイーンズブレイド』をアニメ化した『クイーンズブレイド 流浪の戦士』のように、原作作品のキャラクターの複数のデザイン担当者がおりその画風が多岐に渡る作品をアニメ化する場合には、作中の雰囲気の統一感を持たせまた作画スタッフに対する作画の目安とする意味でも、キャラクターデザイナーによるリファインは作品制作において重要かつ不可欠なものとなる[要出典]。
キャラクターの描き分け

人物の描き分けは、見た目で判別できる特徴、つまりはほくろや髪型といった人相以外の部分に頼ることになる。アニメに登場する独特な色使いの、奇怪なデザインの服装、重力制御が行えるが如く宙に浮く「アホ毛」などは、仕事に行き詰まったデザイナーの苦労の産物であるといえる[要出典]。

なお、双子などの血縁やクローンパラレルワールド、またはそっくりさんなどの設定のため、登場人物のデザインが全く同一で描き分けの必要が無い場合でも、作劇の都合上、登場人物間に何らかの相違点を設定するのが一般的である[要出典]。一例を挙げれば、『∀ガンダム』では、ディアナ・ソレルキエル・ハイムのハイライトの有無やと髪の微妙な色合いによって判別することが可能である。
クリーチャーデザイン

キャラクターデザインとは異なり、人間ではない登場キャラクターをデザインすることをクリーチャーデザインと言うことがある。また、その作業を専門職的に行う者をクリーチャーデザイナーと言うことがある。

特撮やアニメにおいて、味方であるが、生物的に『ヒト』とは異なる存在であるもの、あるいは敵対する怪人怪獣、異形の生物といったもののデザインを行う。人間ではないとはいえメカデザインとも異なり、デザインの対象としては何らかの生物、またはそれに準ずるものが多い。また、同様の業務内容でモンスターデザイン、モンスターデザイナーという呼称を使うこともある。
アニメ

2022年現在では作品の制作スタッフの当該職名としてクレジットされるが、歴史的に見れば、1970年代までは基本的には作画職の範疇に含まれ別途クレジットがされることはなかった。1973年に放映された『ゼロテスター』のスタッフロールにて、日本では初めて箕輪宗廣に「キャラクターデザイン」のクレジットが与えられた[要出典]。

アニメオリジナル作品の場合は造形も含めた全てを一からデザインするが、漫画原作がある作品や漫画家やイラストレーターが「キャラクター原案」を担当した作品においても、キャラクターデザイナーはアニメ制作にとって必要不可欠である。後者の場合、キャラクターデザイナーは集団制作であるアニメで重要な「多くのアニメーターが描写可能」な設定画の制作という、作品の出来不出来の一端を直接左右する重責を担うことになる。また、アニメーター出身のキャラクターデザイナーである場合、キャラクターデザイナー自身もシリーズの一部回の原画・作画の担当や作画監督などを兼任し、こちらでもクレジットされることが多い[要出典]。

いずれにしても、キャラクターデザインへのクレジットは、現在ではアニメーターやイラストレーターにおけるアニメ・サブカルチャーの業界でのキャリアアップの1つの到達点とでも言うべきものとなっている。アニメーターからキャリアをスタートした者でも、キャラクターデザイナーとして描いた設定画やイラストレーションなどが高評価を得たことをきっかけにイラストレーターとしての仕事が増えていき、いのまたむつみ美樹本晴彦など最終的にはイラストレーターが本業となった者も存在する。また、イラストレーターに転じた人物の中には、キャラクターデザイナー兼イラストレーターとしての人気沸騰がギャランティー高騰に繋がったり、あるいはそのようなイメージを抱かれるなどして、予算面の都合などもあってアニメ業界側から中々声が掛からなくなり、結果的にはアニメ制作の直接の現場を事実上離れてイラストが主業になったという例もある[要出典]。
ゲームソフト


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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