キャプテン・フィリップス
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ケイシーは「大規模なトレーニングをしないでSEALsの動作やスキルをまねすることは難しい」と語った上で「SEALs隊員のスキルなどは、多くのトレーニングを経てやっと手に入れたもので、誰にでも簡単に教えられるものではない」と説明した[18]

インタビューでポール・グリーングラス監督は、原作に多くあったフィリップスと妻のやり取りをカットし、自身が描きたかった”海上で何が起きたか”に焦点を当て、新たに事件について3、4ヶ月の期間リサーチをして脚本を仕上げたと語った[21]。そして、撮影は監督の意向で大半を実際に船からのロケで行ったが、波がひどい日もあってスタッフが船酔いになったりと撮影は大変だったという[21]。ラストシーンで、フィリップス船長を手当てするオブライエン看護師長役のダニエル・アルバートは、実際の海軍衛生兵であり、撮影がほとんど終わった後に急遽撮影に参加してもらい、監督は彼女に訓練のつもりでやってほしいと話し、何テイクかやったがそのおかげでリアリティが出たと語った[11][22]。トム・ハンクスについて「この役に必要なものをすべて持った完璧な人物。逃すことのできない大きなチャンスだった」と語り、本作に参加する理由の1つとして彼の存在をあげ、「人間としても素晴らしく、映画製作というチーム作業に対してとても献身的であり、エゴがない」とも語った[23]。また、ストーリーについても「興奮を呼び、非常にドラマティックな物語」と述べ、「フィリップス船長と海賊のリーダーという、素晴らしい2人のキャラクターが登場する。誠実で責任感は強いが平凡な普通の男と、残忍でずる賢い男が、それぞれの立場ならではの強い信念を持って対決する」、そして劇中に登場する海賊は「本物の海賊」であり、「ハリウッド的な、ファンタジーから生まれた海賊ではない」など魅力を語った[23]

トム・ハンクスは、リチャード・フィリップス船長を演じるに当たって、実際に3回フィリップス船長に会い、海上勤務の日課やそれ以外の日常について細かく質問をして役作りを行った[13][24]。ハンクスは船長について、「非常に感じが良く面白いが、仕事に対しては真面目な人物」「熟達した商船員で、仕事に誇りを持っている。船員、船、貨物に対して責任感がある」と語った[13]。またソマリア人海賊について、「彼らの背景には腐敗した貧しい国があり絶望的で希望がない状況で、非常に複雑な背景をもっている」と話し、監督が言った「最も危険なことは、生きる目的のない若者に銃を与えることだ」という言葉に同意し、「彼らの悪事を許すわけではないが、複雑な背景を描くことに意義がある」と語った[22][25]

本作が映画デビューとなるバーカッド・アブディは、「泳ぐことができないが、コンテナ船に乗り移る場面で、はしごを登る方法を学ばなければならなかった。はしごを登るときは、水の恐怖を考えないように上に登ることだけ考えていた」と語った。海賊の役作りに関しては「特にモデルがいるわけではない」、「命がけの海賊がどんなものか、もちろんいろいろリサーチもしたが、後はイマジネーションを働かせて演じた」と述べた[26][18]

また海賊役の俳優達は、海賊になりきるためスタント・コーディネーターのロブ・インチによってまるでブートキャンプのような何週間にも及ぶ訓練を受けた[18]
撮影

主要撮影は2012年3月26日より始まった[27]。バリー・アクロイドは、ドキュメンタリー作品の撮影で使用されている、35mmフィルムカメラのアトーン・ペネロープを主に使用して撮影を行った[18]。フィルム撮影を選んだ理由をアクロイドは「デジタル撮影するときは、ほとんどの場合フィルムの美しさを得ようとする。その上、海賊の小舟、コンテナ船の水しぶきを撮影することを考えると、電子カメラでは感覚が得られない」と述べ、「フィルムカメラは100年以上前からある、シンプルで伝統的な技術で、車がまだ内燃機関を使っていることと同じ」とも語った[18]。また、アクロイドは海賊に焦点を当てた場面では16mmフィルムカメラも用いた。その理由を「16mmの粒子の荒さと質感が効果的だと思ったことも理由の一つだが、16mmにしたかった本当の理由は12倍ズームができること」だと語った[18]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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