キャプテン・フィリップス
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

ミネアポリスで行われたキャスティングコールの結果、集まった700人の内、バーカッド・アブディ、バーカッド・アブディラマン、ファイサル・アメッド、マハト・M・アリが選ばれた[17]。キャスティング担当のフランシーヌ・メイズラーは、彼らはグループ分けした中の1グループで、4人全員が知り合いだと知り、彼らが同じグループになったのは自然な成り行きだと話し、「リハーサルの時間に、バーカッド・アブディがリーダーの役割を担って、リハーサルを行っていた」とも語った[18]マースク・アラバマ号の救命ボート

製作陣は、実際に船長が拉致される際に使われた5トンのファイバーグラス製救命ボートを見に、ナショナル・ネイビーUDT SEAL博物館を訪れ、弾丸の痕跡などを確認し、正確にボートとセットを再作成した[19]。また彼らは、博物館に展示されていた、危機監視に使われたボーイング・インシツ社製の無人航空機スキャンイーグル[20]と、シールズが使用したスナイパーライフル・SR-25なども見ることができた[19]

また監督が「ネイビー・シールズの海上での射撃は、本物に勝るものはない」として、民間人SEALアドバイザーのエリック・ケイシーの協力を得て、スナイパー役の元SEALs隊員を10人確保した[18]。ケイシーは「大規模なトレーニングをしないでSEALsの動作やスキルをまねすることは難しい」と語った上で「SEALs隊員のスキルなどは、多くのトレーニングを経てやっと手に入れたもので、誰にでも簡単に教えられるものではない」と説明した[18]

インタビューでポール・グリーングラス監督は、原作に多くあったフィリップスと妻のやり取りをカットし、自身が描きたかった”海上で何が起きたか”に焦点を当て、新たに事件について3、4ヶ月の期間リサーチをして脚本を仕上げたと語った[21]。そして、撮影は監督の意向で大半を実際に船からのロケで行ったが、波がひどい日もあってスタッフが船酔いになったりと撮影は大変だったという[21]。ラストシーンで、フィリップス船長を手当てするオブライエン看護師長役のダニエル・アルバートは、実際の海軍衛生兵であり、撮影がほとんど終わった後に急遽撮影に参加してもらい、監督は彼女に訓練のつもりでやってほしいと話し、何テイクかやったがそのおかげでリアリティが出たと語った[11][22]。トム・ハンクスについて「この役に必要なものをすべて持った完璧な人物。逃すことのできない大きなチャンスだった」と語り、本作に参加する理由の1つとして彼の存在をあげ、「人間としても素晴らしく、映画製作というチーム作業に対してとても献身的であり、エゴがない」とも語った[23]。また、ストーリーについても「興奮を呼び、非常にドラマティックな物語」と述べ、「フィリップス船長と海賊のリーダーという、素晴らしい2人のキャラクターが登場する。誠実で責任感は強いが平凡な普通の男と、残忍でずる賢い男が、それぞれの立場ならではの強い信念を持って対決する」、そして劇中に登場する海賊は「本物の海賊」であり、「ハリウッド的な、ファンタジーから生まれた海賊ではない」など魅力を語った[23]

トム・ハンクスは、リチャード・フィリップス船長を演じるに当たって、実際に3回フィリップス船長に会い、海上勤務の日課やそれ以外の日常について細かく質問をして役作りを行った[13][24]。ハンクスは船長について、「非常に感じが良く面白いが、仕事に対しては真面目な人物」「熟達した商船員で、仕事に誇りを持っている。船員、船、貨物に対して責任感がある」と語った[13]。またソマリア人海賊について、「彼らの背景には腐敗した貧しい国があり絶望的で希望がない状況で、非常に複雑な背景をもっている」と話し、監督が言った「最も危険なことは、生きる目的のない若者に銃を与えることだ」という言葉に同意し、「彼らの悪事を許すわけではないが、複雑な背景を描くことに意義がある」と語った[22][25]

本作が映画デビューとなるバーカッド・アブディは、「泳ぐことができないが、コンテナ船に乗り移る場面で、はしごを登る方法を学ばなければならなかった。はしごを登るときは、水の恐怖を考えないように上に登ることだけ考えていた」と語った。海賊の役作りに関しては「特にモデルがいるわけではない」、「命がけの海賊がどんなものか、もちろんいろいろリサーチもしたが、後はイマジネーションを働かせて演じた」と述べた[26][18]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:122 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef