2023年2月12日にキプロス大統領選挙で当選したニコス・フリストドゥリディスは協議再開を求める立場ではあるが、そのためには協議を仲介する国連の枠組みを再交渉する必要があると主張している[12]。
略年表
1914年 - イギリスが併合。
1955年 - イギリス、ギリシャ、トルコ三国間協議。
1959年 - チューリッヒ協定。
1960年 - 独立。
1961年 - イギリス連邦に加盟。
1963年 - 民族紛争勃発。
1964年 - 国連平和維持軍(UNFICYP)が派遣される。
1974年
7月15日 - ギリシャの支援を受けた併合賛成派がクーデター(英語版)を起こす。
7月20日 - トルコ軍がキプロスに侵攻。
7月22日 - クーデター政権が倒壊。
7月23日 - クーデター政権を支援したギリシャ軍事政権が倒壊。
8月13日 - トルコ軍が第二次派兵を敢行し、北部を占拠。
1975年 - 北部にキプロス連邦トルコ人共和国が発足。
1977年 - 最初の統合交渉が決裂。
1983年 - 北キプロス・トルコ共和国が独立を宣言。
1997年 - 南部のキプロス共和国がEU加盟候補国となる。
2003年
4月16日 - キプロス共和国がEU加盟条約に調印。
2004年
2月9日 - 国連の仲介により南北大統領の統合住民投票案実施協議が始まる。
3月31日 - 国連案の修正による住民投票案が合意。
4月24日 - 南北同時住民投票がギリシャ系側(キプロス共和国側)の反対多数により否決。
5月1日 - キプロス共和国がEUに加盟。
10月3日 - トルコ政府がキプロス共和国を国家承認しないまま、EUはトルコとの加盟交渉を開始。
2006年
5月21日 - キプロス共和国が総選挙を実施。統合反対派が勝利。
12月11日 - トルコのキプロス共和国不承認問題のため、EUがトルコとの加盟交渉を一部凍結。
2008年
2月24日 - キプロス共和国大統領選挙で再統合推進派のフリストフィアスが当選。
3月21日 - 3月に南北大統領の首脳会談が実現。以降、同年5月23日、7月1日にも開催される。
4月1日 - レドラ通りが開放される。
7月14日 - 国連がアレクサンダー・ダウナーオーストラリア前外相を国連事務総長特別顧問に任命。交渉の仲介に乗り出す。
9月3日 - ダウナー特別顧問同席の元、南北両首脳による本格的交渉が開始される。2009年6月までに経済問題の交渉が完了。
2009年
4月21日 - 北キプロス議会選挙において、中道右派野党国民統一党が勝利。
10月2日 - ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、トルコによるアブハジア共和国の独立承認と引き換えに、ロシアが北キプロスの独立を承認することはないと発言[13]。
2010年
4月18日 - 北キプロス大統領選挙において、再統合に消極的なデルヴィシュ・エロール首相が、統合推進派のタラート大統領を破って当選。
政治詳細は「キプロスの政治(英語版)」を参照
1960年の独立時に制定されたキプロス共和国憲法は、ギリシャ系住民とトルコ系住民の人口比に配慮して、元首で行政府の長でもある大統領をギリシャ系から、その行政権限を分掌し拒否権を持つ副大統領をトルコ系からそれぞれ選出し(任期5年)、国会議員、官吏、軍人などの人数も比率が7対3になるように定めている。代議院は任期5年の一院制議会であるが、その議員の選出にあたってはギリシャ系(56人)とトルコ系(24人)で別々に選挙を行うことになっている。
1974年に南北分断された後は、キプロス共和国は南部を占め、ギリシャ系住民のみの政府となっている(以下、キプロス島南部のギリシャ系キプロス共和国政府支配地域は「南キプロス」と略す)。南キプロスでは、政府における憲法上のトルコ系の定員はそのまま空席となり、副大統領も置かれず、議会の実質上の定数は56人となっている。
一方、分離独立を主張する北キプロスには公選の大統領がおり、一院制の議会(定員50人、任期5年)で選出される首相とともに行政を行う。1983年の独立後、1985年に北キプロスで最初の選挙が行われたが、この手続きを国際的に承認しているのはトルコのみである。
2021年5月30日に国会議員選挙が行われ、中道右派の民主運動党 (DISY) が17議席、左派の労働人民進歩党 (AKEL) が15議席と、それぞれ第1党・第2党を維持した。
2023年2月12日に大統領選挙の決選投票が行われ、無所属の元外相ニコス・フリストドゥリディスがAKELの支援を受けた元国際連合大使のアンドレアス・マヴロヤニス(英語版)を下して初当選を果たした[14]。
国際関係詳細は「キプロスの国際関係(英語版、ギリシア語版)」を参照「日本とキプロスの関係」も参照
日本政府は、これまで在ギリシャ大使館がキプロスを兼轄していたのを改め、2018年にニコシアに大使館の実館(在キプロス日本国大使館)を開設した。