東トルキスタンでは中国、中国に存在する国家を指す言葉としては「チーン(Ch?n)」の方が通用し、清以降ウイグル族などのテュルク系民族はもっぱらヒターイ(Khit?i)を漢族、満洲族を指す言葉として使用している[1]。中国においてヒターイは差別的な意味を含む言葉と見なされ、公式には採用されていない[1]。
ロシア語、ソビエト連邦圏に含まれる地域で使われるテュルク系の言語では、中国は「キタイ/クタイ(Китай)」と呼ばれる。英語では「キャセイ(Cathay)」となり、香港に拠点を置くキャセイパシフィック航空の社名はこの言葉に由来する[2]。
脚注^ a b c d 新免「キタイ」『中央ユーラシアを知る事典』、159頁
^ a b c d e f 伊原、梅村『宋と中央ユーラシア』、341-343頁
^ a b c d e Wittfogel (1946), p. 1
^ 宮崎「マルコ・ポーロが残した亡霊」『東西交渉』、99-101頁
^ 宮崎「マルコ・ポーロが残した亡霊」『東西交渉』、100-102頁
^ 宮崎「マルコ・ポーロが残した亡霊」『東西交渉』、103頁
^ 宮崎「マルコ・ポーロが残した亡霊」『東西交渉』、104頁
^ 宮崎「マルコ・ポーロが残した亡霊」『東西交渉』、106-107頁
参考文献
伊原弘、梅村坦『宋と中央ユーラシア』(樺山紘一、礪波護、山内昌之編, 世界の歴史7巻, 中央公論社, 1997年6月)
新免康「キタイ」『中央ユーラシアを知る事典』収録(平凡社, 2005年4月)
宮崎市定「マルコ・ポーロが残した亡霊」『東西交渉』収録(宮崎市定全集19, 岩波書店, 1992年8月, 初出:『ビブリア』32号(1965年10月) )
翻訳元記事参考文献
Karl A. Wittfogel and Feng Chia-Sheng, History of Chinese Society: Liao (907?1125). in Transactions of American Philosophical Society (vol. 36, Part 1, 1946).