日本のキジは毎年、愛鳥週間や狩猟期間前などの時期に大量に放鳥される。2004年(平成16年)度には全国で約10万羽が放鳥され、約半数が鳥獣保護区・休猟区へ、残る半数が可猟区域に放たれている。2008年(平成20年)10月25日に那須御用邸で天皇と皇后が、キジとヤマドリの放鳥を行った[17]。放鳥キジには足環が付いており、狩猟で捕獲された場合は報告する仕組みになっているが、捕獲報告は各都道府県ともに数羽程度で、一般的に養殖キジのほとんどが動物やワシ類などに捕食されていると考えられている。これはアメリカ合衆国などでも同様であり、その原因として放鳥場所に適切な草木などキジの生息環境が整えられていない点が挙げられている。しかしながら、少数ではあっても生き残る養殖キジはいるため、日本の元の亜種間で交雑が進み、亜種消滅を懸念する声もある。北海道と対馬ではコウライキジが放鳥されている[11][18]。2002年の日本で農作物への被害額は、2,800万円程と推定されていて、カラスの41.6億円と比較すると少額である[19]。大豆の出芽期に子葉を食べる被害が報告されている[20]。
亜種キジとコウライキジの交雑とみられる個体
以下の亜種がある[2]。日本には地理的な変異による4亜種が分布されていたが、放鳥により亜種間の交配が進み差異が不明瞭になってきている[11]。以下の亜種の記載者・記載年・和名・分布は日本鳥類目録 改定第7版に従うが、日本鳥類目録 改定第7版では種 P. versicolor ではなく種 P. colchicus として扱っており、日本国内の亜種の分布域は明瞭ではなく検討が必要としている[6]。 東京都で、レッドリストの指定を受けている(区部で絶滅危惧IB類、北多摩で絶滅危惧II類、南多摩と西多摩で準絶滅危惧)[21]。日本で鳥獣保護法により狩猟鳥獣に指定されている[22]。 この節に雑多な内容が羅列されています。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2015年12月) キジは、鳥肉料理として焼いたり煮たりする料理の食材として古くから使用されており、四条流包丁書には「鳥といえば雉のこと也」と記されている。少なくとも平安時代頃から食されており、雉鍋、すき焼き、釜飯、雉そば、雉飯などが伝統的な調理法である[25]。 『大鏡』(11世紀末成立)に、藤原兼通(10世紀)が寝酒の肴(さかな)に「雉の生肉を好んだ」事が記述されており、高階業遠がこっそり雉を逃した話が出ている。仏教が普及している社会にあっても、雉肉が美味で食されていた事がわかる。 兼好法師の随筆『徒然草』(14世紀前半)第118段にも、最も品位の高い食用の鳥として言及されている[26]。同書によれば、中世日本では天皇・皇后の御湯殿上
Phasianus versicolor versicolor Vieillot, 1825 キュウシュウキジ
本州南西部、九州、五島列島
Phasianus versicolor robustipes Kuroda, 1919 キジ
本州北部、佐渡島
Phasianus versicolor tanensis Kuroda, 1919 シマキジ
本州(伊豆半島、紀伊半島、三浦半島)、伊豆大島、種子島、新島、屋久島
Phasianus versicolor tohkaidi Momiyama, 1922 トウカイキジ
本州中部、四国
種の保全状況評価
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説話
桃太郎 - サル、イヌとともに登場する動物として広く知られている。
石川県や長野県の民話に登場し、「キジも鳴かずば、撃たれまいに」のシーンがある(犀川 (長野県)も参照)。
桃太郎の像(岡山駅)
桃太郎の右肩にキジがとまっている
桃太郎のお供として描かれるキジ(画像左手前)。山東庵京伝(山東京伝)著『絵本宝七種』(蔦屋重三郎刊、1804年)より
撃ち落とされたキジを抱く娘の像(長野市)
俳句・短歌・和歌
奈良時代から「雉」が『万葉集』で6首詠まれている[14]。
『徒然草』に「満開の紅梅の枝に鳥を一番添えて」との一文。この鳥は鷹狩りの報奨としての獲物のことで、雉は最も喜ばれた[23]。
「青山に鵺は鳴きぬ さ野つ鳥 雉はとよむ 庭つ鳥 鶏は鳴く」 - 『古事記』上巻歌謡二
「むさし野の雉子やいかに子を思うけぶりのやみに声まどうなり」 - 『夫木和歌抄』(後鳥羽院)
「父母の しきりに恋し 雉子の声」 - 1688年に松尾芭蕉が詠んだ句。
「春の野に若菜摘みつつ雉の声 きけば昔の思ほゆらくに」 - 『良寛歌集』(良寛)
「ものいわじ 父は長柄の人柱 鳴かずば雉も 射たれざらまし」 - 「長柄の人柱」にある短歌で、余計な一言で災いを招く事を示す「キジも鳴かずば射たれまい」のことわざの由来となっている。
ことわざなど
雉の草隠れ - 頭隠して尻隠さずと同じ意味
多勢に無勢、雉と鷹 - 弱いもの(キジ)と強いもの(タカ)を対比する言葉
焼け野の雉子、夜の鶴 - 親が子を思う気持ちをたとえたもの
雉を食えば三年の古傷も出る - 雉肉は脂肪が強いので3年前の古傷も膿をもつ
雉も鳴かずば撃たれまい - 余計なことを言ったために自ら不利益を招くことのたとえ[24]
食