作品発表当時の60年代後半、ベトナム戦争で自国の支配層に失望したアメリカの学生やヒッピーたちに、「ガンダルフを大統領に!」をスローガンにしたムーブメントが盛り上がり、デモ行進なども行われた。 彼は火や光・煙を扱わせたら随一の花火使い……だと平和なホビット庄ではみなされており、彼の扱う花火の技は、ビルボ・バギンズが最後にホビット庄で開いた111歳の誕生日(フロド・バギンズ33歳の誕生日でもある)のお祝いに大いに華を添えた。 また彼は火薬に拠らずとも光と炎を操る力を持ち、こちらはホビット庄では余り知られていないものの、彼の元々の仕事である危険な任務に際し、重要な局面で発揮されている。名剣グラムドリング(『ホビットの冒険』でトロルの強奪品より発見された)を持ち、この剣を使うことも辞さない。 その性格は、彼の操る火にも関連付けられる。炎のように激しく・また熱く、火のように明るく・また暖かい人物である。激しやすくもあるが冷静でもあり、これと同時に広く古い伝承に光を当て、多くの危機に警鐘を鳴らす人でもある。だがしばしば、彼が先駆けて警告する様々な事象が極めて不吉な事件であるために、蛇の舌に至っては不吉の前触れと表現した。 彼は一つところに留まる代わりに、常に放浪の旅を続けており、人々を支配したり誰かに仕えたりするかわりにその友となって力を貸して歩いている。交友も広く、諸国の王侯・貴族に面識がある一方で、ビヨルンやトム・ボンバディル、グワイヒア、ドゥーネダインのような中つ国でも強い力を持ちながら知る人も少ない特殊な存在とも交流があり、またブリー村のバーリマン・バタバーのような一介の宿屋の主人とも親しい。この人脈の広さも彼の力となっている。 上述の通り火や光に関連したものも多いが、必ずしもそれだけとは言えないほど幅広い。使用する場面は比較的多くあるものの、制約通り決して乱用はせず、要所要所の重要な局面に限られている(ただし、薪に火を灯したり、パイプの煙や花火を操る、飲食物の味を変えるなど日常においてはそれなりに使用している模様)。ガンダルフらイスタリは、マイアとしての力を発揮することを禁じられているため、作中登場する彼らの魔法はそうしたマイアの力とは別個ものと考えられる。以下のようなものがある。
人物像
魔法
炎、光、煙を操る。花火の製造やパイプの煙を操るなどの比較的平和な用法のほか、旅の途中では攻撃手段、照明、目くらまし等として発揮された。超自然的な技なのか単に火薬を用いているのかは曖昧で、明確に超自然的技術と断定できるのはシンダール語で呪文を叫んだ場合とモリア
呪文を唱えた例としては、カラズラス
逆に火薬によるものか超自然的なものか不明な例として、襲ってきたゴブリンを雷のような閃光を発して殺す(後に自ら「火花を使った」と発言している)、[4]松ぼっくりを発火させて狼たちを焼く、[5]といった例がある。
雷撃のような光と熱を操る。フロドらはブリー村を出たのちに風見が丘方向で雷電のような光が走るのを目撃し、当地にいたった時には頂上一帯が焼け焦げているのを発見する。[6]これはガンダルフがナズグルと交戦して火焔を発したためであると後に語られている。[7]
ケレブディルの山頂でのバルログとの戦闘について、ガンダルフ自身は第三者がこの戦いを遠方から眺めたら「嵐が吹き荒れ、雷鳴がとどろき、稲妻が山頂を直撃したり跳ね返り、火炎が発生した」という旨の感想を抱くだろうと述べている[8]。
掲げた右手から光芒を発してナズグルを退散させる。これが単なる光なのか、ナズグルを撃退する何らかの力が込められているのかは不明だが、原語では「White Fire(白い焔)[9]」という表記がされている。[10][11]
杖から閃光と衝撃波のようなものを放ち、堅固な構造物を崩落させる。原作ではモリアでバルログと対峙した際に、杖を打ち付けて橋を崩壊させた。(この時には杖も砕け散っている)[12]
ビルボが指輪を手放すのを渋って逆上した際、恐ろしげに巨大化して威圧した。これは超自然的なものなのか単に照明と影のトリックなのか、あるいは心理的効果なのかは不明。[13]
対照的に、外見は弱々しい老人のままながら全身が淡く輝くという場面がしばしばある。これはバルログやナズグルといった強敵と対峙した際に顕著である。