加速度のSI単位は、前述のようにメートル毎秒毎秒 (m/s2)であるが、地震に関連する分野においては、CGS単位系に属するガルがよく用いられる。このため、計量法はその第5条第2項において特殊の計量に用いる計量単位として、「重力加速度又は地震に係る振動加速度の計量」に限定してガル(Gal)および1000分の1のミリガル(mGal)の使用を認めており、キロガルやマイクロガルの使用は計量法上いかなる場合にも認められない。
地球表面における重力加速度、すなわち標準重力は、正確に 9.80665 m/s2 = 980.665 Galである。(このことは、たとえば981ガルを越える加速度の振動がもしも鉛直方向に加わったならば、床にしっかり固定されていない物体はその質量が如何に大きくても床から離れて宙に浮いてしまうことを意味する。)
これまでの地震による世界最大の加速度は、岩手・宮城内陸地震(2008年6月14日)の際に岩手県一関市厳美町祭畤(まつるべ)で観測した4022ガルである。この記録は「地震時に記録された最大加速度」(largest peak ground acceleration measured in an earthquake)としてギネス世界記録に認定された[5][6]。
ちなみに、1995年の阪神・淡路大震災では891ガルを、2011年の東日本大震災で震度7の宮城県栗原市では2,934ガルを、2016年の熊本地震で震度7を観測した熊本県益城町では1,580ガルを、2024年の能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町では2,828ガルを、それぞれ記録した[7] 記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称 Unicodeには、ガルを表す上記の文字が収録されている。これはCJK互換用文字であり、既存の文字コードに対する後方互換性のために収録されているものであるので、使用は推奨されない[8][9]。
符号位置
㏿U+33FF-㏿
㏿ガル
脚注^ 単位名をガリレオ (galileo) としている地域もある。
^ 計量単位令 別表第6
^ “計量単位令