企画が復活した理由としては、映像技術の進化で製作の目途が立ったことと、資金面でカナダの税制優遇措置「タックスクレジット」[24]を利用できたことが大きい[21]。ただし、制作中は自己資金を用意せねばならず、現地スタッフへの支払いが滞って撮影がストップし[25]、プロダクションI.Gの石川光久社長が億単位の資金を投入する決断をして完成までこぎつけた[26]。押井は「ここまで危ない橋を渡ったのは初めてです」と述べている[25]。
2014年に第27回東京国際映画祭、2015年にさぬき映画祭において、"GARM WARS The Last Druid" のタイトルでプレミア上映されたのち[20]、10月2日に "GARM WARS: The Last Druid" のタイトルで北米にて公開された[6]。
2016年1月、日本での公開日と邦題の発表とともに、鈴木敏夫と虚淵玄がスタッフとして参加することも発表された[5]。鈴木は日本語版プロデュースを担当し、虚淵は「この国が棄てた幻想を、再び。」というキャッチコピーを提供した。 天空から飛来する謎の存在「セル」のために、滅亡の淵に立たされた惑星アンヌーンの住民「ガルム」たち。数世代にわたる戦いの中で、マスクを被り、身体を機械化し、個体の感情を否定し、記憶はデータによって受け継ぎ、戦闘に特化した種へと変貌していた。情報呪術部族の士官ウィドは、「ドルイド」の末裔ナシャンとともに、「セル」の謎を探る旅に派遣されるが、その時既にガルムの存亡を賭けた最後の戦いが始まろうとしていた…[9]。 創造主「ダナン」により生み出された、惑星アンヌンのクローン戦士「ガルム」たち。彼らは、記憶はデータとして受け継いで生きており、「ダナン」がこの地を去った後はこの地の覇権を巡って争い、数世代にわたる戦いを続けていた。制空部族のパイロット・カラは、情報呪術部族の士官ウィドと「ダナン」の言葉を伝える使者「ドルイド」の生き残りナシャンと出会い、彼らを追ってきた地上制覇部族の戦車兵スケリグとともに、所属する部族からはぐれた。彼らは、ナシャンの導きで禁断の地である聖地を目指す。 ※括弧内は日本語版の吹替。
ストーリー
1997年時点のプロット
劇場公開版
キャスト
メラニー・サンピエール
ランス・ヘンリクセン(壌晴彦) - ウィド
ケヴィン・デュランド(星野貴紀) - スケリグ
(鶴岡聡) - ナシャン(マラーク)※男の声
サマー・H・ハウエル
ドーン・フォート
アンドリュー・ギリーズ (田原アルノ) - 審問官A
ジョーダン・ファン・ダイク (福田賢二) - 審問官B
ニック・ウォーカー (森田了介) - 審問官C
グイド・ココメロ (岡井克升) - 審問官D
その他の日本語吹き替え
小林親弘/高杉義充/宮本淳
スタッフ.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}が望まれています。
原作・脚本・監督:押井守
日本語版プロデューサー:鈴木敏夫
宣伝コピー:虚淵玄
音楽:川井憲次
協力:スタジオジブリ
制作:Production I.G
製作:バンダイナムコエンターテインメント、Production I.G
配給:東宝映像事業部
@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}この他に江面久や出演者として佐伯日菜子・山田せつ子などが関わっていたとされている。[要出典]
備考
押井は2009年に公開されたジェームズ・キャメロン監督の『アバター』を観て、「『ガルム』でやりたかったことを先にやられてしまった」と悔しがったという[26]。本作に関しては「自分の映画である以前に、アニメとCGと実写を取り入れた新しい映画を体験する、創り上げることがテーマ」「『ガルム戦記』で登ろうとした山にはとりあえず、よじ登った」と述べている[14]。達成できたのは当初のイメージの半分程度で、制作費の都合で絵コンテから3割削り、撮影ではさらに3割が撮り切れなかった[21]。
日本人の体では甲冑を身に着けた場合、所作が様にならない、という押井の持論から、登場するキャラクターのほとんどが甲冑を身に着けている本作では、舞踊家が甲冑など衣装を着けて演技した、もしくはそこから動きを抽出した映像素材に俳優の顔の部分だけをはめ込み合成する画造りの方法が検討されていた(NHK-BSでの竹中直人との対談、その他の資料より)。
主演女優のメラニー・サンピエールは押井映画のファンで、オーディション会場に『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のヒロイン草薙素子のような黒髪のおかっぱ頭で現れた[27]。候補の中で評価は低かったが、オーディションでは存在感が際立っており、無名の新人ながらカラ役を射止めた。日本での初日舞台挨拶では、メラニーから押井へ送られた感謝の手紙が読み上げられ、押井が涙ぐむ場面もあった[28]。
2010年7月16日より同年9月5日まで八王子市夢美術館にて開催された「特別展 押井守と映像の魔術師たち」において、本作の模型資料が初めて一般公開された。なお、権利保有の状況が複雑なため、同展図録には写真、データなど著作権が関わる本作の資料は一切載録されていない(スタッフインタビューでの言及のみ)。
2016年3月10日に、押井と鈴木と虚淵が出演する『ガルム・ウォーズ』公開特番がLINE LIVEで放送された[29]。
完成から約30年前の1986年、スタジオジブリの鈴木敏夫と宮崎駿は共にその才能を高く評価していた押井を連れ、ケルト文化の遺跡が多く残るアイルランドへ旅行をした。アイルランドで目にした荒涼とした光景に、押井は自身の原風景を感じ「とにかくその風景に目を奪われた。この世の果てみたいに寂寞としていてさ。いつかここで映画を撮ってみたいと思ったんだ」と、述懐している。
脚注^ a b c Andrew Mack(アンドリュー・マック) (2015年8月21日). “Mamoru Oshii's GARM WARS: THE LAST DRUID Acquired By ARC Entertainment For North America”. スクリーン・アナーキー. 2020年6月1日閲覧。