Rawsonによれば、無機物質は以下の3つに分類できる[11]。
単独でガラス化するもの(Conventional Glass Former, CGF)。例:SiO2,B2O3,P2O5,GeO2,BeF2,As2S3,SiSe2,GeS2
単独でのガラス化は困難であるが多成分とすることによりガラス化するもの(Non-conventional Glass Former, NCGF)。例:TiO2,TeO2,Al2O3,Bi2O3,V2O5,Sb2O5,PbO,CuO,ZrF4,AlF3,InF3,ZnCl2,ZnBr2
まったくガラス化しないもの(Modifier, MOD)。例:Li2O,Na2O,K2O,MgO,BaO,CaO,SrO,LiCl,BaCl,BaF2,LaF3
ガラスとアモルファスはほぼ同義のものとして捉えてよい場合が多いが、ガラス転移点が明確に存在しない場合をアモルファスと定義するような場合(分野)もある。ガラス転移とは主緩和の緩和時間が100s?1000sの温度で起こる。
ガラスと同じ構造、すなわちガラス化する物質は珍しくない。ヒ素やイオウなどは単体でガラス化する。酸化物ではホウ酸 (B2O5)、リン酸 (P2O5) などが二酸化ケイ素の代わりに骨格となってガラスを形成する。ホウ酸塩ガラスは工業的に重要である。例えばパイレックスガラスは重量比で12%のホウ酸を含む。 溶融法は、固体の原料を高温で加熱することで溶かして液体状態にした後、冷却してガラスにする方法である。ただし液体状態から結晶化が起こらないような十分に速い速度で冷却しなければならない。溶融法はガラスの製法としては最も一般的なもので、大部分のガラスはこの方法によって合成されている。使用済みのガラス製品を破砕して原料(カレット)として再利用することもできる。 気相法は、固体を物理的に蒸発させて薄膜や微粒子を得るPVD法と、気体原料から化学反応によって薄膜や微粒子・バルクを得るCVD法に分類できる。 PVD法では、真空蒸着やスパッタリングが知られている。真空蒸着は、蒸着する物質を減圧下で加熱気化し、基板にコートする方法である。スパッタリングは減圧下で電極間で放電させ、放電によってイオン化されたガスとターゲットとの衝突によって叩きだされた物質を基板にコートする方法である。 CVD法により得られるバルク体のガラスで最も大量に製造されているのは、光ファイバー用シリコンガラスである。光ファイバーの製造法には、MCVD(modified CVD)法、OVD(outside vapor deposition)、VAD法(vapor-phase axial deposition method, 気相軸付け法)など様々な方法がある。VAD法では、気体のSiCl4を加熱基板上で反応させて酸化物を堆積し、焼結してガラス化する。 ゾル-ゲル法では、例えばテトラエトキシシラン (Si(OCH2CH3)4) などの金属アルコキシドを加水分解し縮重合させてゾルとし、水分を除いて生じたゲルを焼結してガラス化する[2][12]。 ガラスは図に示すように原子の並びが不規則な非晶質である。結晶では固体の中の結晶界面で光が散乱したり方向により光学特性や力学特性が異なったりするが、ガラスは非晶質なので全体が均一で透明であり、特定方向にだけ割れやすいということもない。 ガラスそのものに着色する方法は、金属イオンや非金属イオン、コロイドなどを溶かしたガラスに添加することによって行う。添加物と発色する色の対応は以下の通り。
Zachariasen則
詳細は「Zachariasen則」を参照Zachariasenはガラスを形成するために満たすべき条件を提案した。
ガラスの作り方ガラス工場の溶融窯
溶融法
気相法
ゾル・ゲル法
ガラスの加工.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}が望まれています。
工業製品詳細は「ガラス工業製品」を参照
着色詳細は「ガラスの着色」を参照「en:Dichroic glass
酸化鉄(II) - 緑。ワインボトルによく使われる。ちなみに、ソーダ石灰ガラスは不純物の鉄化合物を除去しきれないため本来は緑色をしており、他の発色材を混ぜて透明に見せかけている事がほとんどである。
硫黄 - 茶色。塩化鉄と炭素(還元剤)を混ぜて使用する。ホウ素濃度が高いホウケイ酸ガラスでは青色になる。カルシウムと共に添加すると深い黄色になる。
マンガン - 黒。ソーダ石灰ガラスの緑色を取り除く添加物である。但し、時間経過と共にマンガンは過マンガン酸ナトリウムへ変化するため退色する。
過マンガン酸ナトリウム - 暗い紫。
コバルト(0.025 から 0.1%) - 深い青。炭酸カリウムと併用することが多い。コバルトガラスを参照。脱色のために非常に微量を添加することがある。
銅 - 化合物を使用して2から3%の添加率の場合はトルコ石色。純銅の場合は青や緑、暗い赤になる。
ニッケル - 添加率によって青やヴァイオレット、黒になる。コバルトと共にクリスタルガラスの脱色に使用することがある。
クロム - 暗い緑色。添加率が高いと黒。
硫化カドミウム - 黄色。
硫セレン化カドミウム
チタン - 黄色っぽい茶色。他の発色材の補助として使われる事が多い。
ウラン - 黄色。紫外線を黄緑色に変換する。ウランガラスを参照。
セリウム - 紫外線フィルターに使用。
ネオジム,ホルミウム - それぞれ固有の波長を吸収するため、分光光度計の波長校正用光学フィルターに用いる。
セレン - 赤。硫化カドミウムと共に添加した物は「セレニウムルビー」と呼ばれる鮮やかな赤になる。