ガメラ
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しかし、三部作全体の興行成績は決して優れていたわけではなく[注釈 30]、また『ガメラ3 邪神覚醒』にて人間の犠牲者を出し過ぎたことと、金子らによる続編の構想に難点が存在し[注釈 31][注釈 32]、徳間書店による平成シリーズは打ち切りとなり[注釈 33][46]、徳間書店の経営難と徳間康快の死去をもって大映の各プロパティ角川書店に売却され、2度目の著作権譲渡を迎えた[9][36][14]
角川映画(KADOKAWA)時代「ウルトラマンマックス」および「巨神兵東京に現わる」も参照ガメラがマスコットとして採用されている調布市[57]にある角川大映スタジオ

平成三部作の終了後、ガメラシリーズはしばらく休眠期に入ったが、ゴジラシリーズが2004年をもってひとまずシリーズの完結を迎えたことで、テレビ特撮番組からのスピンオフではない純粋な「特撮(怪獣)映画」の新作が観られなくなることを危惧したファンから、再びガメラシリーズの復活を求める声が高まった。

大映自体も2002年に角川書店に営業権が譲渡され、その営業権をもとに新たに株式会社角川大映映画が設立された。角川大映は後に角川映画に商号を変更し、ガメラだけでなく「大魔神」や「妖怪シリーズ」の復活も考慮された[9]。角川側は商号が変更された直後に『ゴジラvsガメラ』を東宝に対して提案したが、両シリーズのクロスオーバーは実現しなかった[注釈 34][41][42]。同社は平成三部作の路線からの脱却と原点回帰を目指し、「ガメラを子供たちに返す」というモットーの下で、徳間時代とは違った形でのガメラ復活を検討する。その結果、『ゴジラ FINAL WARS』を経て東宝がゴジラ映画の製作を休止したことを受けて[14][38]2006年には新作ガメラ映画『小さき勇者たち?ガメラ?』を製作・上映した[注釈 35]。しかし、本作は本来の意図である子供や女性の観客からは好評を得たが[注釈 36]、平成三部作の方向性を好む客層には支持されずに興行的に失敗となり[注釈 37]、本作の続編だけでなく、後述の通り、同時期に進行していたアニメ作品などの製作が中止されるなど、シリーズは再度の打ち切りに直面して新たな休眠に入った[注釈 38][9]

2015年10月、ガメラ生誕50周年記念としてウェブサイトが公開され[59]YouTubeにて記念映像『GAMERA』が公開された[60]。この映像は石井克人が監督し、男児の子役とその父親として宮藤官九郎が出演した[60]第28回東京国際映画祭日本映画クラシックス部門でも、「ガメラ」生誕50周年記念スペシャル映像が上映された[60]。一方で小説『聖獣戦記 白い影』を執筆したり「大魔神」シリーズにも携わってきた井上伸一郎[11]は実際の映画化を模索し続けていたとされている[40]

2022年11月に『GAMERA -Rebirth-』の製作が発表され[61]2023年9月7日Netflixにて配信された[62]。本作は未制作に終わった企画をのぞけばシリーズ初のアニメ作品であり、また令和初およびシリーズ最長の空白期間である17年の月日を経て作られた新規本編である[注釈 39]。また、スマートフォン用のアプリゲーム『ゴジラバトルライン』との公式コラボレーションが実現し、ガメラとギャオスがプレイアブルキャラクターとして参戦している[注釈 40]。上記の2002年の際とは逆に、今回は東宝側が角川側にコラボレーションを提案した[33]。本作にも全体的に予算不足が指摘されており、人間などの3Dモデルのクオリティーの低さがとくに目立つだけでなく、オープニングアニメーションも用意されていない[63][64]
映画以外のガメラ

ガメラは映画以外のメディアでもテレビゲーム化されたり、パチスロメーカー「ロデオ」によって『ガメラ』『オオガメラ』『ガメラハイグレードビジョン』『ガメラZS』と、合計4台のパチスロ台がリリースされている。
キャラクターとしてのガメラ

巨大な直立歩行を行うカメの姿をした怪獣である。甲羅の表面は「のような重なり合った形状」になっており、下顎の左右両端から大きな牙が1本ずつ、上に向かって生えている[注釈 41]

血液は緑色であるが、昭和版では眼の色が黄色で血管も赤く描写されており、2015年の50周年記念映像でも眼は黄色に近い色であった。

ガメラを含むガメラシリーズの怪獣は、ゴジラシリーズウルトラシリーズなどの作品に登場する怪獣と比べると、(設定上の)体重が非常に軽く、とくに昭和版(80トン)と平成三部作(120トン)では実在する現生のヒゲクジラ類よりも軽い。書籍『空想科学読本』でも、体重から計算した体の密度空気の2倍程度と計算されている[65]

昭和シリーズで監督および特撮監督を務めた湯浅憲明は、ガメラとゴジラウルトラ怪獣との差別化として、ガメラを直立二足歩行だけでなく四足歩行などで這わせたり、流血描写などで動物性を強調させたと述べている[45]。平成三部作では終始直立二足歩行で移動している。また、直接的な火炎を吐く、飛行する、人間を守る、光や核爆発を好む、生物としての性格の個性を持つなども、人間・人為的な光・核爆発のすべてを憎み「破壊神」としての側面を持つゴジラとの差別化要素として用いられたとされる[14][15]

トッド・マッカーシーバラエティにおけるレビューにて、「見た目こそ恐ろしいが、全ての怪獣の中で最も愛すべきキャラクターの一種である」と述べている[66]。 Film School Rejectsのクリス・コッフェルも、「私は個人的に、ガメラの亀に因んだ姿と、子供との関係性から、シリーズとしてゴジラよりも優れていると思う」と評価している[67]渡辺謙も、モンスター・ヴァースに出演した際のインタビューながら「(ゴジラよりも)ガメラの方が思い入れが強かった」という旨の発言をしている[68]ギレルモ・デル・トロも『大怪獣ガメラ』をとくにお気に入りの怪獣映画の一つに挙げており、「型破りだが素晴らしい人格を持つキャラクターであり、本多猪四郎の怪獣とは違って、怪獣映画の定番だけでなく滑稽さと愛らしさも持っている。僕の時代の子供は皆が巨大なロボットや(ガメラのような)ペットのような怪獣が欲しいと思っていた」という評価をしている[69]
正体

ガメラは映像作品以外にも小説・漫画やテレビゲームなど多数の媒体に登場しており、出自は世代や媒体によって大きく異なるが、アトランティスをはじめとする超古代文明と何らかの関わりを持つとされる場合が目立ち、厳密な正体が不明である場合と超古代文明によって生み出された人工生物とされる場合がとくに顕著である。


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