第1作にミドリガメが登場するほか、第5作にて全身のレントゲン写真が「アオウミガメ」にそっくりと言われていることから、昭和ガメラの世界にはカメが存在していることが判明している[注釈 59]。
身体的特徴および攻撃技『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』のポスター
口からの火炎噴射以外に、外観に似合わぬ運動能力[注釈 60]と怪力を誇り、周囲の岩や建造物を武器として使用することもある。また、身体を串刺しにされるほどの重傷を負っても戦闘を続行する生命力を持つ。しかし、ジャイガーの幼体に寄生されて吸血された際には昏倒してしまい、人間が幼体を排除してから体内に電気を供給することで復活した。負傷後は水中で休息することにより、傷を癒す。
弱点は低温で、劇中でも「冷たい温度に弱い」と言われ、自衛隊の冷凍爆弾でも短時間活動を停止している。バルゴンの冷凍液には火炎噴射も通じず全身が凍結してしまったが、自然解凍と同時に火炎噴射を行って復活するなど、生命活動の停止には至らなかった。一方で、宇宙空間や深海などでも活動可能である。
甲羅は頑強で、たいていの攻撃は受け付けない。また、実際のカメと同じく攻撃されると甲羅に各部を引き込んで防御を図ることも多い。しかし、バイラスの頭には貫かれ、串刺しになってしまったほか、ギロンには何度も切りつけられ、流血してしまったこともある。ジグラのヒレでも表面に傷をつけられている。
エネルギー源は熱やそれに類するものであるため、体内に火力発電所のような組織を持ち、マグマ、高圧電気、石炭、石油、ウランを常食とする。炎そのものも吸い込むようにして食べており、初期の段階では発電所や火山活動が活発な地域に出没することが多く、噴火中の火山に飛び込むこともあったほどで、火器を用いた攻撃なども吸収できる。また、バルゴンの虹光線を狙うこともある。電気エネルギーも食料であり、ジャイガーやジグラの攻撃によって活動停止した際は人力による放電や落雷によって回復した。また、初期の作品で人類を攻撃した理由として、上記の通りアトランティス人によって引き起こされた8,000年間もの飢餓状態から回復するために熱エネルギーや電気などを市街地などへの破壊行動から得たり、自衛隊による軍事作戦を意図的に誘発させて兵器からの熱エネルギーも摂取していた可能性があるとされている[15]。
着ぐるみは第1作のもの、第2 - 4作のもの、第5 - 7作のものと合計3種類ある(『宇宙怪獣ガメラ』は飛び人形のみ)。
スーツアクターは荒垣輝雄(第2 - 4作)、泉梅之助(第5・6作)。
身体機構(昭和)
石油袋[78]
ガメラが食べた石油などの液体を、いったん貯蔵しておく器官。
石炭袋[78]
ガメラが食べた石炭を、いったん貯蔵しておく器官。蓄えられた物質は、その後、高熱炉へ送られる。
高熱炉[78]
ガメラが摂取した石油、石炭、炎、マグマ、ミサイル、ウランなどはここに集められ、燃焼される。
熱エネルギー変換腸[78]
高熱炉で燃焼されたものがここに送られ、熱エネルギーに変換される。
熱エネルギー心臓[78]
働きは他の生物の心臓と同じだが、熱エネルギーで動くため、桁外れのパワーを持つ。
高熱筋肉[78]
人間(力士豊登)の1万倍の腕力を誇り、いかなる高熱にも耐え、どんな金属よりも強靭。5万トン級の船舶を持ち上げ放り投げる[80]。
視力
赤外線を捉え、真夜中でも見える[80][81]。
肺
肺活量も非常に強く、吐息は風速1,000メートルに達する[81]。
火袋
体内に複数存在し、口や手の先から火炎を発する。足にある物はジェット袋と呼ばれる[80]。
スプリング尾
しなやかで弾力性を持ち、ビルを一撃で両断するなど攻撃にも使える[80][81]。
電気トゲ
甲羅のトゲには電気を溜める[82][83]。
しびれ毒爪
手足の爪に毒を持つ[80]。
能力(昭和)
火炎噴射[注釈 61]
口から放つ強力な火炎放射だが射程が短く、バルゴン戦やギャオス戦のように敵に直撃しない場面もあり、ギャオスやガラシャープは火炎噴射を無力化する手段をもっている。しかし、第4作でのように宇宙空間や第7作でのように海中でも使用が可能であり、それぞれ宇宙船を破壊している。また、第5作でのように威力を落とせば宇宙船の修理にも使える。火炎噴射が決め手となったのは、ミサイルを手裏剣発射孔に突き刺されてから引火されたギロンと、陸上で身動きが取れなくなったジグラのみである。資料によっては、液体酸素と水素を化合した熱線だとされている[84]。また、回転ジェットと併用して飛行速度を上げる可能性も指摘されている[15]。