ガメラ
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同作で宇宙海賊船ザノン号に特攻してからの消息は不明であるが、後の漫画作品ではこの個体がザノン号との決戦後にアトランティス人の末裔によってプラズマエネルギーを用いた人工太陽を使って蘇生され、「平成三部作」のガメラと似た姿に生まれ変わり、このガメラはタイムマシーンによって過去の世界に送られ、地球の歴史が改変され、ガメラが人間を守護しながらも監視することによって人類は破滅を免れるという描写がされている[78]

第1作にミドリガメが登場するほか、第5作にて全身のレントゲン写真が「アオウミガメ」にそっくりと言われていることから、昭和ガメラの世界にはカメが存在していることが判明している[注釈 59]
身体的特徴および攻撃技大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』のポスター

口からの火炎噴射以外に、外観に似合わぬ運動能力[注釈 60]と怪力を誇り、周囲の岩や建造物を武器として使用することもある。また、身体を串刺しにされるほどの重傷を負っても戦闘を続行する生命力を持つ。しかし、ジャイガーの幼体に寄生されて吸血された際には昏倒してしまい、人間が幼体を排除してから体内に電気を供給することで復活した。負傷後は水中で休息することにより、傷を癒す。

弱点は低温で、劇中でも「冷たい温度に弱い」と言われ、自衛隊の冷凍爆弾でも短時間活動を停止している。バルゴンの冷凍液には火炎噴射も通じず全身が凍結してしまったが、自然解凍と同時に火炎噴射を行って復活するなど、生命活動の停止には至らなかった。一方で、宇宙空間深海などでも活動可能である。

甲羅は頑強で、たいていの攻撃は受け付けない。また、実際のカメと同じく攻撃されると甲羅に各部を引き込んで防御を図ることも多い。しかし、バイラスの頭には貫かれ、串刺しになってしまったほか、ギロンには何度も切りつけられ、流血してしまったこともある。ジグラのヒレでも表面に傷をつけられている。

エネルギー源は熱やそれに類するものであるため、体内に火力発電所のような組織を持ち、マグマ高圧電気石炭石油ウランを常食とする。炎そのものも吸い込むようにして食べており、初期の段階では発電所や火山活動が活発な地域に出没することが多く、噴火中の火山に飛び込むこともあったほどで、火器を用いた攻撃なども吸収できる。また、バルゴンの虹光線を狙うこともある。電気エネルギーも食料であり、ジャイガーやジグラの攻撃によって活動停止した際は人力による放電や落雷によって回復した。また、初期の作品で人類を攻撃した理由として、上記の通りアトランティス人によって引き起こされた8,000年間もの飢餓状態から回復するために熱エネルギーや電気などを市街地などへの破壊行動から得たり、自衛隊による軍事作戦を意図的に誘発させて兵器からの熱エネルギーも摂取していた可能性があるとされている[15]

着ぐるみは第1作のもの、第2 - 4作のもの、第5 - 7作のものと合計3種類ある(『宇宙怪獣ガメラ』は飛び人形のみ)。

スーツアクターは荒垣輝雄(第2 - 4作)、泉梅之助(第5・6作)。
身体機構(昭和)
石油袋
[77]
ガメラが食べた石油などの液体を、いったん貯蔵しておく器官。
石炭袋[77]
ガメラが食べた石炭を、いったん貯蔵しておく器官。蓄えられた物質は、その後、高熱炉へ送られる。
高熱炉[77]
ガメラが摂取した石油、石炭、マグマミサイルウランなどはここに集められ、燃焼される。
熱エネルギー変換腸[77]
高熱炉で燃焼されたものがここに送られ、熱エネルギーに変換される。
熱エネルギー心臓[77]
働きは他の生物の心臓と同じだが、熱エネルギーで動くため、桁外れのパワーを持つ。
高熱筋肉[77]
人間(力士豊登)の1万倍の腕力を誇り、いかなる高熱にも耐え、どんな金属よりも強靭。5万トン級の船舶を持ち上げ放り投げる[79]
視力
赤外線を捉え、真夜中でも見える[79][80]

肺活量も非常に強く、吐息は風速1,000メートルに達する[80]
火袋
体内に複数存在し、口や手の先から火炎を発する。足にある物はジェット袋と呼ばれる[79]
スプリング尾
しなやかで弾力性を持ち、ビルを一撃で両断するなど攻撃にも使える[79][80]
電気トゲ
甲羅のトゲには電気を溜める[81][82]
しびれ毒爪
手足の爪に毒を持つ[79]
能力(昭和)
火炎噴射
[注釈 61]
口から放つ強力な火炎放射だが射程が短く、バルゴン戦やギャオス戦のように敵に直撃しない場面もあり、ギャオスやガラシャープは火炎噴射を無力化する手段をもっている。しかし、第4作でのように宇宙空間や第7作でのように海中でも使用が可能であり、それぞれ宇宙船を破壊している。また、第5作でのように威力を落とせば宇宙船の修理にも使える。火炎噴射が決め手となったのは、ミサイルを手裏剣発射孔に突き刺されてから引火されたギロンと、陸上で身動きが取れなくなったジグラのみである。資料によっては、液体酸素と水素を化合した熱線だとされている[83]。また、回転ジェットと併用して飛行速度を上げる可能性も指摘されている[15]
飛行
第1作・第2作では回転ジェット以外のモーション(後脚からのジェット噴射)が見られず、第1作では最初の飛行の離陸時以外は、高速回転する甲羅が炎の尾を引く描写がされ、羽田空港を襲撃した際などは回転していない場合もあった。以降の作品では、体当たりする際や子供を運ぶ際などに回転しないで四肢からのジェット噴射で飛行していたほか、場面ごとに回転の速度が変動していた。後脚からのジェット噴射は、対ギャオス戦でギャオスに飛びかかる際に短距離を飛行したのが初めてであり、首や腕を引っ込めた状態での飛行もあった。第5作の関連スチルでは、後脚からのジェット噴射でギロンを攻撃する場面が描かれていた[15]
超能力
ガメラ対宇宙怪獣バイラス』にて、ガメラが少年たちをバイラス人のスーパーキャッチ光線から逃がす場面では、ガメラがテレパシーを使って少年たちの心を読み取った可能性が示唆されている[15]。また、同作以降は地球や人類や子供たちの脅威となる怪獣や宇宙人の出現を察知して行動するなどの描写も繰り返し見られた。
平成三部作のガメラ

便宜上、平成三部作の設定を継承する自主制作映画『ガメラ4 真実』のガメラについても記述する。
概要(平成三部作)

基本データ
分類不明
[注釈 62]
年齢推定1億5千万歳
体高80 m[注釈 63]
全長不明
甲羅長径約60 m
甲羅短径約40 m
体重120 t
大気圏内飛行速度マッハ3.5[注釈 64]
水中潜航速度180 kt
歩幅不明
エネルギープラズマエネルギー
武器・技ハード・スラップ
ラッシング・クロー
エルボー・クロー
ブレイク・ファング
カーフ・クロー
シェル・カッター
プラズマ火球
ハイ・プラズマ
ウルティメイト・プラズマ
バニシング・フィスト
バーナー(本編未登場)
ホーミング・プラズマ(本編未登場)
生息地普段は深海で活動している。

スーツアクターは真鍋尚晃、鈴木潤(『ガメラ 大怪獣空中決戦』。以降、『1』)、大橋明(『ガメラ2 レギオン襲来』。以降、『2』)、福沢博文(『ガメラ3 邪神覚醒』。以降、『3』)。

基本的には昭和ガメラ3作目以降の「悪の怪獣を打ち倒す正義の怪獣」や、「ジェット噴射をして空を飛行できる」などの設定に準じているが、昭和ガメラの「北極の海に封印されていた」という設定から、「古代文明の技術を利用して生み出された生体兵器であり、永らく岩礁のような状態となって眠りに就いていた」という設定に変更されている。主な技も火炎噴射からプラズマ火球に変更され、外見が昭和ガメラよりも、より生物らしいリアルな外見になっている、休息期間中に戦闘的な身体に進化して外見が大きく変化していくなど、大幅な設定変更や追加がなされ、従来のシリーズとはまったく異なった新たなガメラとして描かれている。得意技としてプラズマ火球を発射し、の骨が爪のように変化した「エルボークロー」が追加された。また、『ガメラ 大怪獣空中決戦』では超烈火球(ハイ・プラズマ)、『ガメラ2 レギオン襲来』では究極超烈火球(ウルティメイト・プラズマ)、『ガメラ3 邪神覚醒』では爆熱拳(バニシング・フィスト)といった多様な技を見せている(詳細は#攻撃技を参照)。

作品全体の設定や演出は、子供との関わりや嫌いな食べ物の設定など低年齢向けとなっていた昭和ガメラに対し、平成版では環境破壊、勾玉石碑などの古代の歴史に関わる物品の登場など、劇場公開当時の現実世界における古代の歴史、実際に起こっている問題や出来事とリンクした大人向けのリアリティーを意識した設定や演出が目立つ形となったが、敵怪獣の攻撃などで倒れても、子供の祈りに共感して力を発揮したり復活する様子も描かれた。

体格に関しては昭和ガメラよりも大きく[注釈 65]、設定年齢も大幅に増加している。歩き方に関しても昭和ガメラのはうような四足歩行ではなく、シリーズを通して直立二足歩行である。


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