ガメラ
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分類カメ類[注釈 50]
年齢8,000歳以上
性別不明
体高60 m
全長不明
甲羅長径不明
甲羅短径不明
体重80 t
大気圏内飛行速度マッハ3[注釈 51]
水中潜航速度150 kt
歩幅20 m
エネルギー熱エネルギー
武器・技火炎噴射
怪力
回転ジェット
生息地古代アトランティス大陸
好物石油、石炭、地熱などの炎
落雷などの電気
ミサイルや原爆などの兵器
趣味モンキーダンス
嫌いな物タマネギニンジン[77]

概要

エスキモーの伝承に「悪魔の使い」として語られた[注釈 52]、古代の怪獣。一説にはアトランティス大陸に生息していたとされる。北極の氷の中で眠っていたが、国籍不明の原爆搭載機の墜落による核爆発で閉じ込めていた氷が割れて覚醒し、最終的には日本に上陸して破壊の限りを尽くす。当初は凶暴な怪獣として描かれているが、子供に対しては友好的な面も見せている。一度はガメラ追放作戦「Z計画」で巨大ロケット内に閉じ込められて火星へ追放されるが、ロケットが飛行中に小惑星と衝突して崩壊した結果、地球へ再来する。

第2作以降は人間に対して具体的な敵意を示すことはなく、エネルギーの摂取時以外にはほとんど出現しなくなるが、侵略者や怪獣によって子供が危機に陥るような事態が起こると、どこからともなく現れて子供たちを救っていく。大人向けに製作した第2作を除く第3作以降は一貫して「悪の怪獣・侵略者を打ち倒す正義の怪獣」や「子供たちのヒーロー」として描かれる。第2作である『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』でも、撮影こそされなかったがガメラがバルゴンの被害を受けて凍らされた大阪の人々を救うという絵コンテが用意されていたとされる[15]

シリーズの関係者[注釈 53]が協力している書籍では、本来は人間だけでなく野生動物や無垢な怪獣も助けようとする性格であるが[注釈 54]、第1作目でのガメラの狂暴性と第2作目での黒部ダムへの襲撃は、人類によって引き起こされた8,000年にわたる冬眠によってガメラが極度の空腹状態にあり自我を保てなくなっていたことが原因だとする説を掲載しており、人間そのものを攻撃対象としていたのではなく、核爆発によって現代の人間の技術力を察知し、人類を攻撃するとエネルギー源を得られることを学んだことが原因だと指摘されている[注釈 55][15]。また、エスキモーがガメラを「悪魔の使い」として恐れていたり、寒さを嫌うはずのガメラが北極の氷に閉じ込められていたのは、エスキモーの祖先とアトランティス人の古代の記憶と(アトランティスの崩壊も相まってガメラの情報が失われたこともあり)ガメラへの誤解が伝承されたためともされている[注釈 56][15]。実際に、『大怪獣ガメラ』にて俊夫少年は社会の反応と異なり一貫してガメラが「誤解されているだけで悪者ではない」と擁護する姿勢を見せており[注釈 57]、『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』ではすでにエネルギー摂取のために人間を攻撃することはなく自ら人間を守る姿勢を見せており、同作では意図的に山火事を起こしてガメラを呼び寄せていたが以降はガメラが積極的に人間を守るために救援に現れるという構図が定着した。また、同著では『ガメラ対大悪獣ギロン』にて鉄棒を披露したり『ガメラ対深海怪獣ジグラ』でジグラの背びれを使って「ガメラマーチ」を演奏したのも、知能の高さゆえの遊び心があるだけでなく、子供たちの不安や恐怖を取り除こうとしていた可能性を指摘している[15]

宇宙怪獣ガメラ』では主人公の圭一が逃がしたイシガメが成長してガメラになったような描写があり[注釈 58]、それまでのガメラとは別個体とする説もあり、高橋二三もこの説を「夢があって良い」と評している[15]。同作で宇宙海賊船ザノン号に特攻してからの消息は不明であるが、後の漫画作品ではこの個体がザノン号との決戦後にアトランティス人の末裔によってプラズマエネルギーを用いた人工太陽を使って蘇生され、「平成三部作」のガメラと似た姿に生まれ変わり、このガメラはタイムマシーンによって過去の世界に送られ、地球の歴史が改変され、ガメラが人間を守護しながらも監視することによって人類は破滅を免れるという描写がされている[78]

第1作にミドリガメが登場するほか、第5作にて全身のレントゲン写真が「アオウミガメ」にそっくりと言われていることから、昭和ガメラの世界にはカメが存在していることが判明している[注釈 59]
身体的特徴および攻撃技大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』のポスター

口からの火炎噴射以外に、外観に似合わぬ運動能力[注釈 60]と怪力を誇り、周囲の岩や建造物を武器として使用することもある。また、身体を串刺しにされるほどの重傷を負っても戦闘を続行する生命力を持つ。しかし、ジャイガーの幼体に寄生されて吸血された際には昏倒してしまい、人間が幼体を排除してから体内に電気を供給することで復活した。負傷後は水中で休息することにより、傷を癒す。

弱点は低温で、劇中でも「冷たい温度に弱い」と言われ、自衛隊の冷凍爆弾でも短時間活動を停止している。バルゴンの冷凍液には火炎噴射も通じず全身が凍結してしまったが、自然解凍と同時に火炎噴射を行って復活するなど、生命活動の停止には至らなかった。一方で、宇宙空間深海などでも活動可能である。

甲羅は頑強で、たいていの攻撃は受け付けない。また、実際のカメと同じく攻撃されると甲羅に各部を引き込んで防御を図ることも多い。しかし、バイラスの頭には貫かれ、串刺しになってしまったほか、ギロンには何度も切りつけられ、流血してしまったこともある。ジグラのヒレでも表面に傷をつけられている。

エネルギー源は熱やそれに類するものであるため、体内に火力発電所のような組織を持ち、マグマ高圧電気石炭石油ウランを常食とする。炎そのものも吸い込むようにして食べており、初期の段階では発電所や火山活動が活発な地域に出没することが多く、噴火中の火山に飛び込むこともあったほどで、火器を用いた攻撃なども吸収できる。また、バルゴンの虹光線を狙うこともある。電気エネルギーも食料であり、ジャイガーやジグラの攻撃によって活動停止した際は人力による放電や落雷によって回復した。また、初期の作品で人類を攻撃した理由として、上記の通りアトランティス人によって引き起こされた8,000年間もの飢餓状態から回復するために熱エネルギーや電気などを市街地などへの破壊行動から得たり、自衛隊による軍事作戦を意図的に誘発させて兵器からの熱エネルギーも摂取していた可能性があるとされている[15]

着ぐるみは第1作のもの、第2 - 4作のもの、第5 - 7作のものと合計3種類ある(『宇宙怪獣ガメラ』は飛び人形のみ)。

スーツアクターは荒垣輝雄(第2 - 4作)、泉梅之助(第5・6作)。
身体機構(昭和)
石油袋
[77]
ガメラが食べた石油などの液体を、いったん貯蔵しておく器官。
石炭袋[77]
ガメラが食べた石炭を、いったん貯蔵しておく器官。蓄えられた物質は、その後、高熱炉へ送られる。
高熱炉[77]
ガメラが摂取した石油、石炭、マグマミサイルウランなどはここに集められ、燃焼される。
熱エネルギー変換腸[77]
高熱炉で燃焼されたものがここに送られ、熱エネルギーに変換される。
熱エネルギー心臓[77]
働きは他の生物の心臓と同じだが、熱エネルギーで動くため、桁外れのパワーを持つ。
高熱筋肉[77]
人間(力士豊登)の1万倍の腕力を誇り、いかなる高熱にも耐え、どんな金属よりも強靭。5万トン級の船舶を持ち上げ放り投げる[79]
視力
赤外線を捉え、真夜中でも見える[79][80]

肺活量も非常に強く、吐息は風速1,000メートルに達する[80]
火袋
体内に複数存在し、口や手の先から火炎を発する。足にある物はジェット袋と呼ばれる[79]
スプリング尾
しなやかで弾力性を持ち、ビルを一撃で両断するなど攻撃にも使える[79][80]


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