ガメラ2_レギオン襲来
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しかし、ガメラの目の前に巨大な白い鎌のような物体が姿を現し、衝突したガメラは地上に墜落してしまう。やがて、鎌のような物体の大元である巨大レギオンが地中から出現してガメラとの交戦を開始した結果、避難民を乗せたヘリはその影響で離陸できない窮地に立たされる。ガメラはヘリを守るためにも巨大レギオンに立ち向かうが、草体の破壊を阻止しようとするその巨体と圧倒的な力に苦戦を強いられる。それでもガメラの奮闘により、ヘリはようやく離陸して難を逃れる。まもなく、強力な光線マイクロ波シェルを放つ巨大レギオンに圧倒されたガメラは周辺の爆発に巻き込まれ、巨大レギオンは地中へ姿を消す。満身創痍となったガメラはなおも草体のもとへ向かうが、時すでに遅く種子の発射こそ阻止できたものの爆発までは阻止できず、仙台は壊滅する。ガメラも全身が炭化し、活動を停止してしまう。

ガメラによってまたも種子の発射に失敗したレギオンは、さらに電波が過密である東京を目指すことが予測された。これ以前の自衛隊は災害派遣を理由として出動していたが、日本政府は自衛隊に防衛出動を命じ、レギオンの予想進路上に防衛ラインを構築する。

そして、ついに巨大レギオンが足利市に出現した。自衛隊は空陸から総攻撃をかけるが、堅牢な巨大レギオンに決定的なダメージを与えられないまま、第一防衛ラインを突破されてしまう。一方、仙台[注釈 2]では穂波や浅黄、子供たちが集まり、ガメラの復活を祈っていた。その祈りの力が浅黄の勾玉を通じてガメラに集まっていく。その途中で勾玉は砕けてしまうが、祈りが通じたかのようにガメラは復活し、巨大レギオンのもとへ飛び去る。

花谷は巨大レギオンが群体レギオンでガメラを迎撃することを予想し、師団長にガメラの援護を進言するが、師団長は躊躇する。一方、第二防衛ラインに迫る巨大レギオンのもとへ到着したガメラは着地と同時にプラズマ火球を連発するものの、巨大レギオンに干渉波クローで無効化されたうえ、マイクロ波ビームと巨体でまたしても苦戦させられる。それでもなお巨大レギオンの進行を阻止しようと奮闘するガメラの行動は自衛隊を動かし、師団長がついにガメラの援護を決断する。自衛隊は攻撃目標をレギオンの頭部に絞り、79式対舟艇対戦車誘導弾の波状攻撃で干渉波クローを損傷させることに成功する。その結果、レギオンはプラズマ火球を無効化し切れなくなり、戦況は好転する。

一方、帯津もまた、群体レギオンを誘導するプランを実行に移していた。帯津は名崎送信所の職員を説得して電波発信設備を最大出力で稼働させることにより、ガメラに向かう群体レギオンを名崎送信所のアンテナへおびき寄せることに成功する。帯津と職員は小型レギオンの襲撃に遭うが、駆け付けた渡良瀬によって事なきを得る。そして、渡良瀬が手配したAH-1S部隊によるロケット弾攻撃が行われた結果、アンテナに群がっていた小型レギオンは一掃される。

巨大レギオンはマイクロ波シェルを放った直後に頭部触角をガメラに両手でへし折られて失神するが、直後に眼の色を青から赤に変じて復活する。赤い鞭のような触手で身体を刺し貫かれて再び圧倒されたガメラは、巨大レギオンが自衛隊の最終防衛ラインの目前に迫るに際し、再び立ち上がって天高く咆哮を上げる。すると、光の輪がガメラのもとへ集まり始めて全身が輝き始める。やがて、その輝きが頂点に達したガメラは腹部を開口させ、そこから巨大なプラズマ光線(ウルティメイト・プラズマ)を発射し、巨大レギオンを粉砕した。

穏やかな朝陽の中、戦いを終えたガメラはジェット噴射で飛び去っていく。その姿を敬礼をもって見送る隊員も見られる自衛隊の作戦指揮所は師団長の「状況終了」の言葉で安堵の空気に包まれ、互いの健闘とガメラの活躍を讃えた。

数日後、札幌市内には「ガメラの敵にはなりたくないよね」と話す穂波と帯津の姿があった。
登場怪獣
ガメラ詳細は「ガメラ#『ガメラ2 レギオン襲来』でのフォルム」を参照

頭が小さくなり、転倒しても自力で起き上がれるようになっている、飛行時に前肢を翼のように広げる、エルボ・クローが常にとび出しているなど、『ガメラ 大怪獣空中決戦』での設定からいくつか進化している点が認められるが、まだ以前の面影は残ったままである。

スーツは前作の流用だが、新規デザインの頭部を含めて各所の細部が作り直されている[5]
レギオン詳細は「レギオン (架空の怪獣)」を参照

突如として宇宙から飛来した、ケイ素系化合物で形成されるケイ素生物。ガメラを上回る巨体は堅牢であり、巨大怪植物レギオンプラントと共生関係にある。腹部からは無数のソルジャーレギオンを生み出し、操る。

名称は、聖書(新約聖書マルコ福音書5章9節(およびルカ福音書8章30節)に登場する悪霊レギオンに由来する。
登場人物
渡良瀬 佑介(わたらせ ゆうすけ)
演:
永島敏行本作品の主人公。大宮化学学校に配属されている陸上自衛隊二等陸佐職種化学科。隕石の落下現場に派遣され、そこで出会った穂波碧とそのまま事件の調査をする。穂波の安全を考えてヘリに載せたり、彼女の帰りを待つ家族を心配したりと、協力者であるがあくまで民間人である彼女を自衛官として護り、気遣う。レギオンとの戦いに向かうため別れることとなる穂波から無事を祈られ、それに対して無言ながら敬礼で返答している。劇中では制服や私服で行動するシーンもある。本来は前線に出ることはまずない大隊長クラスの幹部自衛官であるが、レギオンの札幌出現時には出動要請が出ていないにもかかわらず独自に部隊を指揮して市内に赴き、地下鉄構内の調査を行うなど非常に積極的な行動を見せる[注釈 3]。後半のレギオン戦でもそれは変わらず、自ら対戦車ヘリ部隊の戦闘指揮を補佐するため小型レギオンが群がる名崎送信所に向かったり、そこで9mm拳銃1丁で小型レギオン1体との近接戦闘を繰り広げている。
穂波 碧(ほなみ みどり)
演:水野美紀本作品のヒロイン。札幌市青少年科学館の学芸員。隕石の調査中に出会った渡良瀬と共に、レギオンの調査と謎の解明へ協力することとなる。仙台市から避難するために霞目駐屯地に向かったところガメラとレギオンの戦闘に巻き込まれ、同時に浅黄と出会う。その後、レギオンとの戦いに向かう渡良瀬の無事を祈りながら見送り、浅黄と共にガメラのもとに向かう。結果的にガメラは人類を救ったが、地球とその生態系を守るために戦ったのであり、人類が生態系を乱せばガメラは人類を滅ぼそうとするかもしれないと帯津に語り、ガメラは地球の守護神であって必ずしも人類を守る存在ではないと結論づける。実家は薬局を経営している。ハキリアリとキノコの共生やミツバチのフェロモンなど虫の生態に造詣が深く、その知識で渡良瀬にたびたび助言を与えている。
花谷(はなたに)
演:石橋保陸上自衛隊一等陸尉。渡良瀬と行動を共にすることが多い。出動命令なしで勝手に部隊を動かした渡良瀬に当初は激怒し「報告せざるを得ない」と述べるが、地下鉄構内の異常環境(異常気圧と通常の4倍以上の酸素濃度)を示すデータを見せられると共に構内で活動するレギオンを目撃し、事態の深刻さを悟る。ビール瓶の消滅を酒の神バッカスに例えるなど神話への造詣が深く、ガメラに群がるソルジャーレギオンの群れを見てマルコによる福音書5章9節を諳んじ、レギオンの名付け親となった。足利でのガメラの戦いで、ガメラの敗北は自分たちの滅亡だと確信してガメラを援護するよう進言するも、懐疑的な師団長に一度は退けられてしまう。帯津とは戦闘終了後におごる約束をする。
帯津(おびつ)
演:吹越満NTT北海道[注釈 4]のネットワークオペレーションセンターのエンジニア。眼鏡を掛けた痩せ型。碧に気がある素振りを見せている。レギオンが電磁波で意思疎通をしていることや、そのパターンなど、本作品の理論的背景の解説役を担う。あくまで民間人であるため戦闘が始まることから渡良瀬たちと別れたが、小型レギオンを誘導するために名崎送信所に電波を最大出力で放射するように要請し、恐怖で送信を止めようとする職員を羽交い絞めにしてガメラ援護を行うなど個人的にサポートを続ける。
草薙 浅黄(くさなぎ あさぎ)
演:藤谷文子ガメラと心を通わせることができる高校生。仙台市から避難するため霞目駐屯地に向かったところガメラと再会するが、同時にレギオンとの戦闘に巻き込まれる。その後は、偶然そこで出会った穂波とともにガメラのもとに向かう。勾玉を肌身離さず持っているが、仙台でガメラが復活すると同時に勾玉は砕けている。前作で登場した彼女の父・直哉は今、ニューヨークにいる。穂波が調べていたページにて、勤めていた保険会社の名前がKyushuとなっている。他の米盛良成、長峰真弓の2名もギャオスの渡りを調査中である。
大迫 力(おおさこ つとむ)
演:螢雪次朗ギャオスの恐怖を忘れるために警察官を辞めて酪農の仕事をしていたが、きつくて続かずにビール工場の警備員をしていた。警備中に小型レギオンの群れに遭遇して再び異生物による恐怖を味わう。さらには、ギャオスに関わった過去を勘繰った警察に怪物の所為にした自身の犯行と疑われ、深く傷ついた。本作品では「ビール工場の大迫警備員」とクレジットされている。
真野(まの)
演:梶原善警備員のバイトをしていた。大迫と共に警備中に小型レギオンを目撃する。
石田(いしだ)
演:田口トモロヲ札幌市営地下鉄の運転士。南北線の始発列車を運転中に小型レギオンに襲撃を受け死亡する。小型レギオンによって殺害された犠牲者はポケベル携帯電話・無線機といった何らかの電波発信源を所有していたことが原因で敵意を抱かれて襲撃されたが、石田はレギオンの食料であるシリコンをレンズに含んでいた眼鏡が原因となって襲撃されており、敵意を持っていたわけではない。これは、劇中で小型レギオンに殺害された被害者の中で唯一の例である。
雪乃(ゆきの)
演:坂野友香浅黄の友人。一緒にスキー旅行に出かけていたが、運悪く捻挫する。
北海道大学獣医学部の教授
演:養老孟司[注釈 5]小型レギオンの死体を解剖する。体を押したことで死体が若干動いてしまい、それに周りが驚く中で全く動じず心配して声をかけた渡良瀬に笑顔を見せる。
佐竹(さたけ)
演:長谷川初範陸上自衛隊一等陸佐。陸上幕僚監部勤務。職種は普通科。前作にも登場。レギオン対策の方法を考えるが、情報の少なさにより「見えない軍隊に侵略されているようなもの」と苦慮する。ガメラと交信したとされる浅黄の存在は知っているが、話自体は信じてはいない。
NTT名崎送信所職員
演:ラサール石井小型レギオンの大群を引き離そうとする帯津の依頼を一端は断るが、その後、深く考えずに承諾し、電波を最大出力で送信する。しかし、殺到した小型レギオンの姿に愕然となって送信を止めようとするが、帯津に羽交い絞めにされてしまう。帯津共々小型レギオンに襲われるが、戦闘ヘリ部隊の補佐として駆け付けた渡良瀬に救出される。
穂波碧の両親
演:ベンガル角替和枝薬局を経営している。娘が見知らぬ男2人(渡良瀬と帯津)を自室に招いたため、顔を強ばらせ割り込もうとする父、有無を言わせず引きずり戻す母という碧も熟知している穂波家のパワーバランスがコミカルに描かれている。


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