ジグラやX1号の催眠術と洗脳術はイルカやクジラが障害物や獲物を捕らえる際に発する超音波に近いものらしく、催眠術にかかった対象は壁にぶつかることなく移動できるという特徴がある。また、医師による研究の結果、自衛隊の短波無線機などによる別の音波による妨害で催眠術から解放できることが判明し、実際に健一とヘレンの父2人とX1号(菅原ちか子)がこれで催眠術と洗脳から解放されている。
デザインは矢野友久、造型はガメラとともにエキスプロダクションが担当。人間が立って入るものと、同サイズの操演用の魚形態の2つが造られた[3]。エキスプロの前沢範は、左右の目玉の位置がずれた状態でジグラの頭を造型してしまったが、「このほうが目玉を動かす仕掛けを仕込みやすい」とメカニック担当のスタッフに言われたそうである。
声は声優(担当不明)のセリフのテープ速度を落として使用。しゃべる際は単眼を明滅させる。ジグラのデザインモチーフは深海魚のミツクリザメである
背ビレには音階があり、ガメラが打楽器に見立てて背ビレを叩いて演奏している。デザインのモチーフはミツクリザメという深海性のサメ[1][4][要ページ番号]。操演用のミニチュアは、バショウカジキもほうふつとさせるものとなっている。
公開当時の映画館用スチールには、ジグラが海に落とした人間を次々に餌食として飲み込んでいる合成写真が存在したが、劇中にこういったシーンは存在しない。餌食の写真素材は過去作品から採られており、『対バルゴン』の江波杏子が食べられているものもあった。
資料によっては、ジグラは口から「分身ロケット」と呼ばれる核弾頭ミサイルを発射するとされている[5]。
平成ガメラシリーズ2作目の敵怪獣のマザーレギオンのデザインには、ジグラの影響もあるとされる[6]。 『宇宙怪獣ガメラ』(1980年)では、宇宙海賊の手先という設定となり、ライブフィルムで登場。ガメラがジグラの背ビレで演奏する本作品のシーンは未遂に終わるほか、ジグラ円盤による海上の破壊場面がジグラ自身が破壊したことになっている。 蕪木統文版ノベライズ本『ともだち 小さき勇者たち ?ガメラ?』では、Gジグラとして登場する。 ジグラが地球攻略のために乗って来た宇宙船。デザインはジグラの頭部をモチーフにしている。人類の月面基地を壊滅させ、その後地球に飛来した[7]。地震を誘発する特殊光線によって、地球の各地に壊滅的な被害を与えた。地球侵入後に房総半島沖に潜むが、ガメラの攻撃によって破壊される。 コントロール室の天井付近から、常に巨大なジグラの顔が覗いており、X1号に指令を下す。X1号は月面基地で捕縛した地球人だが、他に乗組員らしき姿は見えない。 撮影には上部に発光ギミックを仕込んだ、3尺大のミニチュアモデルが使用された。劇中メカでは、他に月面探検車の模型が作られた。 ジグラ円盤内にいた女性工作員。人間を昏睡させる催眠術を得意としている。健一とヘレン親子を海で円盤に誘拐し、健一とヘレンの父を催眠術で昏睡状態にする。その後、父親と共に地上へ逃げた健一とヘレンを追って鴨川シーワールドに派遣され、諜報活動を行う。その正体は、ジグラ円盤が地球に来る前に襲った月面基地職員の菅原ちか子をジグラが拉致して洗脳したものであり、シーワールドで健一とヘレンを大追跡の末に捕えることに成功するも、その直後に催眠術から解放された健一の父が短波無線器を使ったことで洗脳から解放される。 ジグラに操られた菅原ちか子の着ている宇宙服は、『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969年)に登場した宇宙人の服に似ているが、湯浅は「別物です。衣装にはそんなに予算はかかりませんからね」とコメントしている。この宇宙服は、本作品の翌年に東洋エージェンシーとひろみプロダクションが制作し、エキスプロが特撮を担当したテレビドラマ『サンダーマスク』(日本テレビ)での劇中衣装に流用されている。
その他の作品に登場するジグラ
ジグラ円盤
X1号
キャスト
女性X(日本月世界基地研究員・菅原ちか子):八並映子
石川れい子(洋介の妹、女子大生):笠原玲子
石川弘子(健一の母):坪内ミキ子
石川健一:坂上也寸志[注釈 5]
トム・ウォレス(国際海洋動物研究所員、ヘレンの父):藤山浩二[注釈 6]
石川洋介(国際海洋動物研究所員、健一の父):佐伯勇
山田安吾(鴨川シーワールド飼育係):三夏伸
マージ・ウォレス(ヘレンの姉):アーリン・ゾーナ
ヘレン・ウォレス:グロリア・ゾーナ
老人:吉田義夫
沢本博士:夏木章
防衛軍総司令官:九段吾郎
小川正作(ホテル支配人):喜多大八
防衛軍副官:井上大吾
記者:中原健
レーダー係:関幸四郎
助手:稲妻竜二
漁師:志保京助
記者:原大作
海女:小珠千慧、和光ミキ
シャチのショーのガイド:山名佐知江
スタッフ
監督:湯浅憲明(本編・特撮とも)
製作:永田秀雅
企画:斉藤米二郎
脚本:高橋二三
音楽:菊池俊輔
撮影:上原明
録音:奥山秀夫
照明:久保江平八
美術:矢野友久
編集:宮崎善行
スチール:沓掛恒一
助監督:明瀬正美
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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