ガス燈_(映画)
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また、アンジェラ・ランズベリー(撮影当時17歳)の映画デビュー作であり、アカデミー助演女優賞ノミネートされた。
ストーリー

1875年のロンドン、ソーントン広場での名歌手アリス・アルクィストの葬儀から始まる。絞殺事件だったのだが犯人は分からず、悲しむ姪のポーラ・アルクィストは、悲しみを忘れるために、知人からイタリア留学を説得される。しかしイタリアで作曲家のグレゴリー・アントンと恋をし、声楽には身が入らず、コモ湖へ気分転換に向かうのだが、客車で、ベッシー・スウェイツというミステリー好きの年配の女性から偶然、叔母の殺人事件を聞き、再び不安にかられる。そんなポーラを、コモ湖の駅で待っていたのがグレゴリーであった。ポーラはグレゴリーの希望に従ってロンドンの問題の家に帰って、結婚生活を営むことになる。

新居には、メイドにナンシー・オリヴァー、料理人にエリザベス・トンプキンスを雇うが、隣人にはイタリア旅行の客車で出会ったベッシー・スウェイツが偶然いて、何かと嗅ぎまわっている。暫くして、ポーラは夫から貰ってハンドバックに入れたはずの大切なブローチを無くしたことに気付く。そんな彼女を気にする若い男がいた。彼はブライアン・キャメロンというロンドン警視庁の総監の助手である。少年時代に憧れていた名歌手アリスの殺人事件に非常な関心を持っていたのである。

ポーラはその後も家庭内での紛失が続き、夫のグレゴリーはポーラが自分のしたことを少しも記憶していないといって、彼女を不安にさせる。ポーラは気分転換に夫の止めるのを聞かず、ダルロイ夫妻主催の舞踏会に出席するが、そこでも夫の時計が知らない間にハンドバッグに入っていて、取り乱してしまい退出する。その舞踏会にはポーラと接触を試みたいブライアンも出席していた。

夫のグレゴリーは世間に恥をかいたとポーラに怒り、彼女も精神病で死んだ彼女の母と同じく次第に精神が衰えて死ぬだろうと脅す。ポーラは夫のグレゴリーの言葉を気にしながら一人不安な日を送っていたが、次第に自分の精神状態に自信を失い、夜ごとに薄暗くなるガス燈の光や、天井から聞こえる物音に神経を追い詰められていく。

見回りの警官ウィリアムズはメイドのナンシーと親しくなり、奇怪な夫グレゴリーの様子をブライアンに報告する。ポーラの危険を感じたブライアンは、グレゴリーの外出中を狙って、ウィリアムズにナンシーを連れ出させ、エリザベスの制止を振り切ってポーラを訪ね、部屋のガス燈が暗くなったのを確認したことで、ポーラの信頼を得ると、夫の机をこじ開けて、幻覚と言われた亡き叔母への手紙を発見する。そして筆跡から夫のグレゴリーが書いた物であることを確信する。ブライアンは、ポーラが決して精神に異常をきたしているのではなく、夫のグレゴリーの策略にすぎないこと、また夜ごとに暗くなるガス燈の光や天井から聞こえる足音も、夫のグレゴリーが叔母の遺品が置かれた閉鎖された屋根裏の部屋で、殺害の目的だった宝石を探すためだと推察する。ブライアンはグレゴリーが戻るのを待ち伏せるために家を出て行くが、目的の宝石を見つけたグレゴリーは屋根裏から直接家に戻ってくると、机が荒らされていることに気付き、理由をはっきり応えないポーラに怒りをぶつける。さらにエリザベスも(ブライアンからポーラを守るように言われていたことから敢えて)知らないと応えたためポーラは更に不安になる。そこにブライアンが現れ、グレゴリーを追い詰めると、グレゴリーは天井裏に逃げ込み、それをブライアンは追う。さらにウィリアムズも加わり、格闘の末にグレゴリーは椅子に縛り付けられる。ポーラはグレゴリーと2人きりで話がしたいとブライアンとウィリアムズを外に出す。グレゴリーは甘い言葉をささやき、ポーラに縄を切るように言うが、ポーラは正気をなくしたふりをするなどして、グレゴリーにこれまでの自分への仕打ちに対する恨みをぶつけると、ブライアンにグレゴリーを連行するように言う。別れ際にグレゴリーは宝石に取り憑かれていたことをポーラに告げる。そして、ブライアンとポーラの将来を暗示する様子を目撃したスウェイツ夫人の驚く姿で物語は終わる。
登場人物

ポーラ・アルクィスト・アントン - 絞殺された名歌手アリス・アルクィストの姪。

グレゴリー・アントン - ポーラの夫、作曲家でピアノ弾き。

ブライアン・キャメロン - ロンドン警視庁の総監の助手。

ベッシー・スウェイツ - 近所の老婦人。

ナンシー・オリヴァー - メイド。

エリザベス・トンプキンス- 料理人。耳が遠い。

マエストロ・グアルディ - イタリアの声楽教師。アリスの親友。

キャスト

役名俳優日本語吹替
東京12chPDDVD
ポーラ・アルキスト・アントンイングリッド・バーグマン池田昌子日野由利加
グレゴリー・アントンシャルル・ボワイエ納谷悟朗仲野裕
ブライアン・キャメロンジョゼフ・コットン堀勝之祐檀臣幸
ベッシー・スウェイツメイ・ウィッティ高村章子浅井晴美
ナンシー・オリヴァーアンジェラ・ランズベリー芝田清子加納千秋
エリザベス・トンプキンスバーバラ・エヴェレスト(英語版)浅井淑子桐山ゆみ
ウィリアムズ巡査トム・スティーブンソン岸野一彦遠藤純一
ダルロイ夫人ヘザー・サッチャー(英語版)鈴木れい子
ハドレストン刑事部長エドモンド・ブレオン(英語版)増岡弘
水道屋アレック・クレイグ(英語版)叶年央
不明
その他田村勝彦
山本勉
大塚智則
橘鈴
松永麻里
日本語吹替版スタッフ
演出福永莞爾多部博之
翻訳佐藤一公塩崎裕久
効果TFC
調整遠西勝三
制作東北新社
解説
初回放送1978年8月29日
火曜映画劇場[注 1]
21:00-22:54

作品の評価
映画批評家によるレビュー

Rotten Tomatoesによれば、32件の評論のうち高評価は88%にあたる28件で、平均点は10点満点中7.8点となっている[8]
受賞歴

映画祭・賞部門候補結果
第17回アカデミー賞作品賞ノミネート
主演男優賞シャルル・ボワイエ
主演女優賞イングリッド・バーグマン受賞
助演女優賞アンジェラ・ランズベリーノミネート


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