ケンタッキー州ルイビルで生まれるが、父親が各地を回るセールスマンのため幼少期は引っ越しを繰り返しており、高校時代をオレゴン州ポートランドで過ごす。このことが後の作品に影響を与える。
ロードアイランド・スクール・オブ・デザインで学んだ後にヨーロッパを旅し、その後はロサンゼルスにてコマーシャル製作の仕事に就き、一時期ロジャー・コーマンの元で助手として働いていたこともある。
1985年に『マラノーチェ』で映画監督デビューを果たすと、1989年には『ドラッグストア・カウボーイ』をマット・ディロン主演で発表し、全米各地の映画批評家協会賞やインディペンデント・スピリット賞といった映画賞を総嘗めする。1991年の『マイ・プライベート・アイダホ』では主演のリヴァー・フェニックスがヴェネツィア国際映画祭 男優賞を受賞。上記の3作は「ポートランド三部作」として知られており、自身にとっても原点的作品群となる。
1990年代中頃からはハリウッドでも活動するようになり、1997年に公開されたマット・デイモンとベン・アフレック主演・脚本の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』では初のアカデミー監督賞候補となり、作品はアカデミー脚本賞とロビン・ウィリアムズのアカデミー助演男優賞に輝いた。
2003年には、コロンバイン高校銃乱射事件をモチーフにした『エレファント』を発表し、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールと監督賞をダブル受賞する。2007年には『パラノイドパーク』で再びカンヌ国際映画祭に参加し、特別賞を受賞した。
2008年にはゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクの生涯を描いた『ミルク』が公開され、2度目のアカデミー監督賞候補となり、主演を務めたショーン・ペンはアカデミー主演男優賞を受賞し、作品は他にもアカデミー脚本賞に輝いた。 自身でもゲイだと公言しており、作品のテーマとしても度々取り上げている。また、自身が青春時代を過ごしたオレゴン州のポートランドを舞台にすることが多く、「ポートランド三部作」のみならず、『エレファント』や『パラノイドパーク』も同地を舞台としており、この地にて自身が経験したであろう青春時代特有の痛みを描いている。 映画制作以外にも幅広く活躍しており、1995年には写真集を、1997年には小説を出版し、ミュージシャンとしてソロ・アルバムもリリースしている。 レッド・ホット・チリ・ペッパーズやトレイシー・チャップマン、エルトン・ジョン、デヴィッド・ボウイなどのミュージック・ビデオも何本か製作している。
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