ガイズ&ドールズ
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レッサーはヴィヴィアン・ブレインには保守的なサラ役は似合わないと考え、アデレイド役のキャラクターを作り出した[15]

レッサーが第2幕でいくつかの楽曲のリプライズを提案した時、演出のカーフマンは「もし楽曲を繰り返すならジョークも繰り返す」と警告した[16]
あらすじ

1948年頃のニューヨークタイムズ・スクエアに巣喰っている賭博師のネイサン・デトロイトは、アデレイドと婚約したまま賭博に熱中、今日も今日とてクラップゲーム賭場を開きたいのだが、ブラニガン警部をチーフとしたニューヨーク市警の取締りが厳しいため、適当な場所が見つからず困っていた。唯一、ジョーイ・ビルトモアという男が、前金千ドルで倉庫を貸そうと言ってきた。しかし、金が無い。

そこにネイサンの仲間のスカイ・マスタースンが、ラスベガスで大勝ちして帰ってきた。女を巡る会話の中から、ネイサンは一つの「賭け」を申し込む。「俺が指名する女を一晩でものにしたら千ドルを払おう。できなければ、千ドルは俺のものだ」と。プレイボーイのスカイが、このうまい話に乗らない訳がない。ところが、ネイサンが指名した女は、お堅いことで有名な救世軍の娘サラ・ブラウンだった。

スカイは早速、救世軍の伝道所を訪れた。伝道師たちに罪人は夜活動するから、と真夜中の布教活動を勧めた。そしてサラに「一緒に食事をしないか。その代わりに、伝道所の集会に1ダースの罪人を出席させよう」と言葉巧みに誘った。サラは単なる食事の誘いだけではないと見抜いて断る。しかし折も折、カーライト将軍から信者が少ないのを理由に伝道所の閉鎖を言い渡されてしまい、スカイの申し出を受け入れざるを得なくなった。

一方、ネイサンは賭博が開催できず困り果てていた。今夜はシカゴから大物の賭博師ビッグ・ジュールが来ていて、開かないわけにはいかないのだ。街をぶらつく賭博師たちは警部に、ネイサンとアデレイドの結婚の前祝だと言って誤魔化すが、偶然アデレイドが通りかかり狂喜する。さらにネイサンは徹夜で布教活動をしている救世軍のメンバーにサラがいないことに気がつき、スカイがサラを誘い出すことに成功してしまったと察する。

ハバナへ出掛けたサラの真面目さにスカイは戸惑う。サラは半ば騙されるように酒を飲まされると酔った勢いで、つい羽目を外して乱闘騒ぎを起こし、スカイに愛の告白をしてしまった。だが、スカイの返事は意外なものだった。「酔っている女を自分のものにするのは、俺の自負心が許さない」と、心の内とは裏腹に冷たく突き放したのだった。だが、二人は互いに心を開き、口づけを交わす。

ところが、二人がニューヨークへ戻った時、進退窮まったネイサンが苦肉の策で全員が出掛けて留守だった伝道所で賭場を開いてしまい、さらに間の悪いことに、二人の眼前でブラニガン率いるニューヨーク市警の手入れを受けてしまった。このことを知ったサラは、スカイがこの賭博を開くために自分を騙したのだと誤解した。

ビッグ・ジュールが大負けしたため、ネイサンは場所を下水道に移してクラップを継続していた。スカイは、ネイサンに賭けの結果を報告するために出掛けて行くと、賭場では負けが込んだことでしびれを切らしたビッグ・ジュールがイカサマ同然の禁じ手を用いだしており、そのカモにされてしまったネイサンは大負けの有様で、「俺、今は『文無し』だから、掛け金の千ドルは当分払えないよ」と言う。スカイは「賭けは俺の負けだ」と言って千ドルをネイサンに渡した。

スカイは、サラとの約束を果たすために、ネイサンやビッグ・ジュールらも含んだ賭博仲間に「今夜、伝道所の集会に出席してくれないか」と頼むが断わられる。そこで仕方なく、スカイは彼らと賭けをした。「俺が勝てばお前達は伝道所へ行ってくれ。俺が負けたら一人当たり千ドルを払う」と。金よりも大きなものがかかっている賭けの結果は、スカイが勝った。賭博師たちはしぶしぶ伝道所に向かう。そしてスカイは、しばらく街を離れようとする。

なんとか賭博師たちに懺悔をさせ、集会は成功に終わり、支部の存続も認められた。ネイサンの懺悔から、スカイが伝道所での賭博に関わっていないことを知り、サラは彼の後を追う。サラはアデレイドと出会い、二人は、結婚して愛する男を変えて見せようと意気投合する。

それから数日後、スカイとサラの結婚式が挙げられ、スカイはすっかり救世軍の一員になっていた。そして、ネイサンも新聞販売と言う堅気の仕事に就き、十四年間もおあずけだった婚約者アデレイドと、目出度く結ばれたのだった。
主な登場人物1950年、46番街劇場で上演されたオリジナル・ブロードウェイ・プロダクションの宣伝カード。

スカイ・マスタースン(主人公。クラップ・シューター)

ネイサン・デトロイト(スカイの知己で、ニューヨークの賭博を取り仕切る)

サラ・ブラウン(ヒロイン。救世軍の女軍曹)

アデレイド(「ホット・ボックス」の踊り子、ネイサンと14年間婚約したままの間柄)

ブラニガン警部(スカイやネイサンが賭場を開こうとするのを取り締まる)

ナイスリー・ナイスリー・ジョンソン(ネイサンの仲間)

ベニー・サウスストリート(同)

ラスティ・チャーリー(同)

ハリー・ザ・ホース(同)

ビッグ・ジュール(シカゴの大親分)

ジョーイ・ビルトモア(車庫の持ち主)

カートライト将軍(サラの上司)

アーヴァイト・アバーナシー(救世軍の一員、サラの後見人)

マーサ(救世軍兵士)

タバサ(同)

アガサ(同)

カルヴィン(同)

クロスビー(同)

ミミ(踊り子)

使用楽曲


第1幕


"Runyonland" ? オーケストラ

"Fugue for Tinhorns
" ? ナイスリー、ベニー、ラスティ

"Follow the Fold" ? サラ, ミッション・バンド

"The Oldest Established" ? ネイサン, ナイスリー、ベニー、男たち

"I'll Know" ? サラ、スカイ

"A Bushel and a Peck" ? アデレイド、ホット・ボックス・ガールズ

"Adelaide's Lament" ? アデレイド

"Guys and Dolls" ? ナイスリー、ベニー

"Havana" ? オーケストラ

"If I Were a Bell" ? サラ

"My Time of Day/I've Never Been in Love Before" ? スカイ、サラ


第2幕


"Take Back Your Mink" ? アデレイド、ホット・ボックス・ガールズ

"Adelaide's Second Lament" ? アデレイド

"More I Cannot Wish You" ? アーヴァイド

"Crapshooters Ballet" ? オーケストラ

"Luck Be a Lady" ? スカイ、男たち

"Sue Me" ? アデレイド、ネイサン

"Sit Down, You're Rockin' the Boat" ? ナイスリー、カンパニー

"Marry the Man Today" ? アデレイド、サラ

"Guys and Dolls (Reprise)" ? カンパニー



プロダクション
1950年、オリジナル・ブロードウェイ・プロダクション『ニューヨーク・ミラー』紙「Theatre-Ticket Ordergram」に掲載されたオリジナル・ブロードウェイ・プロダクション出演者のヴィヴィアン・ブレイン、サム・レヴェン、イザベル・ビグリー

1950年10月14日土曜日、フィラデルフィアのシュバート劇場にてブロードウェイ公演前の試験興行が行なわれた[17]。11月24日、46番街劇場(現リチャード・ロジャース劇場)にてブロードウェイ初演が行なわれた。ジョージ・S・カーフマンが演出、マイケル・キッドが振付、ジョー・マイザニアが装置および照明デザイン、アルヴィン・コルトが衣裳デザイン、ジョージ・バスマンおよびテッド・ロイヤルが編曲、ハーバート・グリーンがヴォーカルアレンジを担当した[18]


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