特技監督の中野昭慶は、前作『ゴジラ対ヘドラ』に登場する敵怪獣ヘドラが軟質的でモノトーンの怪獣であったことから、『地球攻撃命令ゴジラ対ガイガン』では対照的に硬質的で極彩色の怪獣を出すことをコンセプトとしていたと語っている[32]。デザインに際しては、科学雑誌『ネイチャー』に掲載された「恐竜は極彩色だったのではないか」という論文をもとに極彩色の怪獣をイメージし、ゴジラを威嚇するクジャクのような羽根、十二単のようなグラデーション[出典 6][注釈 6]、キングギドラとの整合性を意識した金色の意匠などの要望が中野から出されていたが、水氣には伝わっていなかったとみられる[28][注釈 7]。首から胸にかけて施された七色のグラデーション[出典 7]は現場には不評であり、反射を防ぐためにつや消しスプレーを上掛けされた[28]。肩は西洋甲冑を参考にした動きやすい形状となっているが、中野は肩に肉付けできないことから全体的なフォルムが弱くなってしまったと述懐している[34]。また、中野は自身の要望が届かなかったことから、ガイガンには満足していないとも述べている[28]。
名前の由来はナイスガイの「guy」と、メインモチーフである「雁」を合わせて水氣自身が命名したもの[出典 8]。目のデザイン同様、ナイスガイも石原のイメージに由来するものだったが[21]、他社のスターがモチーフであることを当時は明言できず、周囲には「外敵であるから」という後付の理由で説明していたという。1971年11月25日付の『東京新聞』には「ガイガーカウンターに由来する」という記述もあった。
水氣によるデザイン画は紛失している[23]。従来の資料でデザイン画として紹介されていたイラストは、デザイン決定後に描かれたイメージイラストとみられているが、こちらの作者も不明である[23]。
書籍『大ゴジラ図鑑2』では、キングギドラの軽量化と評している[31]。 公開順。 上記のほか、特撮テレビドラマ『流星人間ゾーン』(1973年)、『ゴジラアイランド』(1997年)、パチンコ『CRゴジラ3・4』、イベント映像作品『フェス・ゴジラ3 ガイガン来襲』にも登場している。 諸元ガイガン M宇宙ハンター星雲人が宇宙恐竜をベースにサイボーグへ各種の改造を施した怪獣[出典 17][注釈 11]で、地球侵攻のためにキングギドラと共に宇宙から飛来する[出典 18]。キングギドラの兄弟分で[14]、ゴジラよりも一回り大きい[7]。宇宙空間を移送される際には青い結晶体の中に入っており[出典 19][注釈 12]、大気圏内では背部のロケット噴射機能を持つ原子力推進翼[7]を拡げずに後方に畳んで飛行する[14]。出現地点は宇宙→世界子供ランド→東京→月ノ瀬海岸→子供ランド→宇宙[2]。 M宇宙ハンター星雲人が設置した司令基地「ゴジラタワー」から放たれる特殊な磁気テープの信号で操られ[12]、平和計画のアクション3の切り札として召喚され、キングギドラと共に大規模な破壊活動を展開する[出典 20]。その後、ゴジラやアンギラスと激闘を繰り広げる。M宇宙ハンター星雲人の支援もあってゴジラたちを追い詰めるが、地球人がゴジラタワーを破壊したために形勢を覆されたうえ、誤って正面衝突したキングギドラと喧嘩したことからゴジラとアンギラスの連携攻撃をまともに浴びてしまい、最後はキングギドラともども宇宙へ撤退する。 設定では額のランプに強力レーザー光線発射装置が埋め込まれているが[出典 21]、劇中では一度も使っておらず[注釈 13]、遠距離攻撃はキングギドラとゴジラタワーが担う[注釈 14]。そのため、戦闘機の編隊についてはわざわざ1機ずつハンマーハンドで叩き落とし、70式メーサー殺獣光線車の攻撃についてはなす術も無く逃げ惑うという、宣材と合致しない描写が見られる。
登場作品
地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972年)
ゴジラ対メガロ(1973年)
ゴジラ FINAL WARS(2004年)
登場が検討されていた作品
『ゴジラ対メカゴジラ』では、検討用脚本『残波岬の大決斗 ゴジラ対メカゴジラ』の段階で、登場が予定されていた[37]。山浦弘靖による検討用プロット『SOS日本! ゴジラ特攻作戦』では、タイタン星人に操られる怪獣として登場している[38]。
ゴジラシリーズ(昭和)のガイガン
GIGAN[出典 9][注釈 8]
別名未来怪獣[出典 10][注釈 9]
身長65 m[出典 12]
体重2万5千 t[出典 12]
飛行速度
マッハ3(大気圏内)[出典 13]
マッハ400(宇宙空間)[出典 14]
出身地
M宇宙ハンター星雲[出典 15]
(ハンター星雲M星[出典 16][注釈 10])
(M宇宙ハンター星[58][52])
『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』
スーツアクターは中山剣吾[出典 23]。スーツは手の爪の重さが難点であったという[21]。また、足の爪も引っかかりやすかったため、足を上げる芝居を行った[60]。特技監督の中野昭慶は、示現流の達人である中山だから演じることができたと評しており、本作品を通じて中山の素質に感心したという[32]。
中野は、主役を生かすためには悪役が強くなければならないと考えていたが、ガイガンがカッターを武器とするとはいえゴジラの手を切り落とすなどするわけにはいかないため、ゴジラに負けない方法を工夫する必要があった旨を語っている[61]。
造形
造形者は安丸信行[出典 24]。当初、背中の翼の形状は半円に近い形で小さかったうえに首も若干長かったが、撮影中に一番上の骨が延長されて逆三角形のシルエットになるなど、着ぐるみが改修されている[出典 25]。
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