カール・ツァイス
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しかしアメリカ軍はカール・ツァイスの光学技術をソ連にそのまま渡すことを阻止するためソ連軍に先んじてイェーナに入り、1945年6月24日に125名の技術者とその家族を拉致、また8万枚の図面とともにイェーナを出発、オーバーコッヘンに移動させ、ツァイス・オプトン(Zeiss Opton)として光学機器の生産を引き継いだ[7]。一方ソ連軍はイェーナの工場群を接収、残った技術者もソ連に送った。これによってカール・ツァイスは東西に分裂した。東側はイェーナに半官半民の「人民公社カール・ツァイス・イェーナ」(Carl Zeiss Jena)を設立、このイェーナのカール・ツァイスは東ドイツの誇る光学機器メーカーとして存続した。その後1970年代になると東西のカール・ツァイスはどちらも有名な一流企業に復活し世界市場で競合するようになり、どちらも戦前からの商標を使用していたため競合が生じ、ロンドン国際司法裁判所に本拠地がどちらなのか判決を求め、1971年4月26日に「カール・ツァイス財団の本拠地はイエーナである」旨が確認された[8]。また東ドイツのカール・ツァイスの提案[8]で会議が開かれ、
西側諸国では西側のカール・ツァイスが「カール・ツァイス」を、東側のカール・ツァイスが「カール・ツァイス・イエナ」を名乗る[8]

東側諸国では東側のカール・ツァイスが「カール・ツァイス」を、西側のカール・ツァイスが「カール・ツァイス・オプトン」(Carl Zeiss Opton)を名乗る[8]

アフリカ、アジア、中南米地域では双方が「カール・ツァイス」を使用する[8]

西側諸国のうちイギリスと日本は例外的に双方が「ツァイス」を使用する[8]

と決められた。同様に戦前からの商標が使えない地域向けの商品には、ビオターがB[9]、ビオゴンがBi[10]、ビオメターがBm[9]、フレクトゴンがF[9]、プラナーがPl[10]、ゾナーがS[9]またはSo[10]、テッサーがT[9]、ディスタゴンがDi、ミクロターがMなど略号で示されているものがある。

サッカークラブのFCカールツァイス・イェーナ1903年に創設され、東ドイツ(DDR)時代には国を代表する強豪チームであった。2009-2010シーズン現在、ブンデスリーガ3部に所属している。
東西統一?その後

1989年?1990年に渡って行われたドイツ再統一により、東西に分かれていたカール・ツァイスも統合の道を歩むことになる。イェーナにあったツァイスは東ドイツの経済の低迷に伴い経営に行き詰まっており、実質的にオーバーコッヘンのツァイスが吸収する形となった。現在もカール・ツァイス本社はオーバーコッヘンに置かれている。一方イェーナには1991年にイエナオプティックが設立され、東側のカール・ツァイスの一部事業は同社が継承している。

近年では半導体露光機(ステッパー)を製造しているオランダASMLに光学系を独占的に供給している。また、光学系に光ファイバーを用いたプラネタリウム投影機の生産も行っている。
製品

カール・ツァイスのレンズ製品一覧

ビオゴン

ビオメター

ビオター

ディスタゴン

ホロゴン

プラナー

プロター (レンズ)

ゾナー

テッサー

バリオゾナー

バリオテッサー

ウナー


ツァイス・イコン

ボックステンゴール

コンタフレックス

コンタレックス

コンタックス

イカレックス

イコフレックス

イコンタ


カール・ツァイスの天体望遠鏡製品一覧

この他に艦砲用光学測距儀潜水艦潜望鏡、銃器用の照準器など軍用の光学機器、コルポスコープなどの医療用光学機器も製造している。
人物
所属した設計者

エルンスト・アッベ

エルンスト・ヴァンデルスレプ

ルートヴィッヒ・ベルテレ

パウル・ルドルフ

ロベルト・リヒテル

ウィリー・ウォルター・メルテ

関係のある人物

カール・デーニッツ - 父エミル・デーニッツはカール・ツァイス社の技師だった。

ブランド供与と提携

カール・ツァイスは数多くの企業に「カール・ツァイス」のブランドの使用を許可している。フィルムカメラ時代には京セラオプテックがカール・ツァイスブランドで多くのレンズを開発した。コンタックスは、ヤシカとの連携で造られたブランドで、レンズをカール・ツァイス、ボディーをヤシカが製造した。デジタルカメラ世代になってからはソニーが数多くのカール・ツァイスブランドのレンズを設計・販売している。コシナは2005年よりカール・ツァイスブランドのレンズの製造を開始し、ソニー富士フイルムなどに供給している。そのほかにも共同開発や提携によって「カール・ツァイス」の名前で光学製品を製造・販売する会社は多い。
提携企業

アーノルド&リヒター

アルパ

コシナ

ハッセルブラッド

京セラ

ライカ

ローライ

ロジクール

ソニー

サイバーショット

α

ハンディカム

Xperia


富士フィルム


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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