カーリング
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そして2018年平昌オリンピックでは、女子代表のLS北見がオリンピックのカーリング競技で日本勢初となる銅メダル2022年北京オリンピックでは2大会連続のメダルとなる銀メダルを獲得した。また、2022年世界ジュニアカーリング選手権大会ではジュニア女子日本代表チームが初優勝した。

日本カーリング協会のデータによると、2018年2月の取材で日本のカーリングの競技人口は選手が約3000人、趣味で楽しむ人はその倍程度であるとされている[6]。近年、冬季五輪日本代表チームの活躍で人気は高まり、2024年2月現在では通年の専用施設は9か所、季節限定の専用施設は4か所となった[7][注 2]
シート カーリング・シート。数字はフィート単位の各部の長さ(1フィート=0.3048メートル)。CL:センターライン、HOL:ホッグライン、TL:ティーライン、BL:バックライン、HA:ハックとハックライン、FGZ:フリー・ガード・ゾーン。2つの同心円ハウスを結ぶセンターラインとラインの末端にある2つのハックの位置関係が分かる。

カーリングは、長さ約44.5 - 45.7メートル(146 - 150フィート)、幅約4.4 - 5.0メートル(14フィート6インチ - 16フィート5インチ)のカーリング・シート(curling sheet、シート、アイス・シートとも)と呼ばれる細長い長方形のリンクで行われる[8]。シートは薄く氷が張られ、できるだけ平坦に保たれた上で、アイス・メーカーにより表面にペブル (pebble) と呼ばれる数ミリメートル程度の氷の突起が多数作られる。氷温は摂氏?5度程度に維持される。カーリングを目的とした専用の競技場(カーリング・ホール、curling hall)にはこうしたシートが複数備えられ、同時に競技が行えるようにしたものが多い。ハックの拡大写真。左右のハックの間の線はセンターラインの末端。

細長いシートには、投擲時の蹴り台となるハック (hack) と、標的となる多重の同心円の模様が施されたハウス (house) が両側にそれぞれ備えられ、偶数エンドと奇数エンドに分けて交互に利用される。ハウスの同心円の直径は内から1, 4, 8, 12フィート(それぞれ約0.30, 1.22, 2.44, 3.66メートル)ある。最も内側の円はボタン (button)、円の中心はティー (tee) と呼ばれる。

その他、シートの各部分には以下のような名前が付けられている。
センターライン (centre line)
ティーとティーの中心点を通り、両方のハックまでを結んだライン。
ハックライン (hack line)
センターラインに垂直にハックが置いてある場所を横切る短い線。ハックの基準の線。ショット時にストーンに触れたままハック側のハックラインを越えると失格となりストーンは取り除かれる。
サイドライン (side line)
左右の端のライン。
ティーライン (tee line)
センターラインと垂直に、ハウスの中心であるティーを横切る線。ハックから12フィート(約3.66メートル)離れている。
ホッグライン (hog line)
ハウス手前にあるライン。ティーラインから21フィート(約6.4メートル)隔たっている。ハウス側のホッグラインよりもハウス寄りに達しなかったストーンは失格となる。また投擲者は、ストーンがハック側のホッグライン手前にある間に手を離さなければならない。
バックライン (back line)
ハウスの最も外側の円と接するハウスより下にあるライン。このラインからはみ出すとそのストーンは失格となる。
フリーガードゾーン
ホッグラインからティーラインの間でハウスを除いた部分。
用具
ストーン(石)花崗岩でできたカーリングのストーン。

上部に取っ手をつけた円盤型の石。1チームが8個を使用し、カーリング競技を行うためには16個必要となる。チームの判別のために上部はプラスチックのカバーで色分けされており、五輪などの主要な大会では主に赤と黄の物が用いられるが青や緑もある。公式なサイズは円周が36インチ(約91センチメートル [cm])以内とされており、よって直径は約29 cm以下である。また、高さが4.5インチ (11 cm) 以上、重量は38 - 44ポンド(約17 - 20キログラム)と決められている[8]

ストーンの底面は平坦でなく中心部分がわずかに凹んでおり、直径およそ13 cm、幅1 cm前後のランニング・バンド (running band) 、またはエッジと呼ばれるリング状の部分でのみ氷と接する。ランニング・バンドの表面の粗さはストーンの曲がりに影響し、競技で使用されるに従いカールしにくくなっていくため、必要に応じてランニング・バンド部分の表面が適切な粗さとなるよう特定の紙やすりの上を滑らせることによって処理される[9]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}近年まで[要出典]ストーンの曲がり易さはアイスの状態によるものとされており、ペブルの作り方によって曲がり方に差が出るものとされてきた、しかし、最近になってカーリングにおけるカールは、このランニングバンドにあると突き止められた。

国際大会で使用されるストーンは、氷と接する滑走面にスコットランドアルサクレイグ島特産のブルーホーン (Blue Hone) 花崗岩と呼ばれる花崗岩を用いているものが主流である。ブルーホーン花崗岩は、鉱物粒子が細かく強度と均質さに優れており、カールの仕方も「他の石では真似できない」とされる。他産地の石では密度が低いために氷の上で石が水を吸い、吸われた水が再び凍ったときに石が膨張して割れやすくなる。衝突が起こるストライキング・バンド (striking band) を含む胴体部にはアルサクレイグ島産のコモングリーン (Common Green) 花崗岩など欠けにくく粘りと弾性に優れた花崗岩が使われる。この胴体部の石に空けたくぼみに滑走面用の石がはめ込まれエポキシ樹脂で貼り付けられている[10][11]。資源保護の観点からアルサクレイグ島での採石は20年に一度しか行われなず、直近では2002年に行われたが近年はかなり採掘量が減っており、花崗岩をスライスしてストーン1つ当たりの使用量を絞ったものも出てきている。石は有限資源であり、今後は枯渇が懸念される。

ストーンは、100年以上使用できるとされているほど耐久性が高いが、需給のバランスなどから1個約10万円以上(1セット160万円)する高価な物である。ただし、日本カーリング協会では「ストーンは個人で所有するものではなく、会場にあるものを使う」と説明しており[12]、基本的に選手が購入することはない。

オリンピック等の大きな大会ではストーンに内蔵された電子ホッグライン違反検知システム(Eye on the Hog(英語版))が使用される。このシステムは投擲時にホッグラインまでにストーンから手を離したかをセンサーを用いて審判の代わりに自動的に確認するもので、ストーンを傾けると作動し始める。正常に作動した場合はグリップから手を放すと緑色のランプが点滅するため、選手は投擲前にこれを確認する。投擲の動作を行っている間は、選手の集中を阻害しないようランプが消灯される。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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