ドリームワークスは、現在は閉鎖されたビデオゲーム部門、ドリームワークス・インタラクティブ(現: デンジャークロース・ゲームス(英語版))のもと、PlayStation用ビデオゲーム『T'ai Fu: Wrath of the Tiger(英語版)』を制作したことがあった[11]。本作の制作は2004年10月に開始された[12]。2005年9月、ドリームワークス・アニメーションは、ポーの声優に選ばれたジャック・ブラックとともに、本作を発表した[13]。
2005年11月、ドリームワークス・アニメーションは、ジャック・ブラックに加え、ダスティン・ホフマン、ジャッキー・チェン、ルーシー・リュー、イアン・マクシェーンの出演を発表した[14]。また、ブラックとアンジェリーナ・ジョリーが共演するドリームワークス・アニメーション作品は、2004年の『シャーク・テイル』以来2作目となる[15]。
本作のアイデアは、ドリームワークス・アニメーションの幹部であるマイケル・ラシャンスによって考案されたもの[16]。当初は、パロディ映画にしようと考えていたが、共同監督のジョン・スティーブンソン(英語版)は特に乗り気ではなく、キャラクターを生かした武術(英語版)・コメディ映画の方向性を選択した[17]。
2004年に公開された周星馳監督の武術アクション・コメディ映画『カンフーハッスル』に触発されたと言われているが、共同監督たちは、本作にも本物の中国とカンフーの雰囲気を持たせたいと考えていた。プロダクションデザイナーのレイモンド・ジバックとアートディレクターのタン・ヘンは、中国の絵画、彫刻、建築、カンフー映画などを何年もかけて研究し、本作のルックを作り上げるのに役立てた[18]。ジバックは、『HERO』『LOVERS』『グリーン・デスティニー』などの芸術的な武術映画に大きな影響を受けたという[18]。4年の歳月をかけて制作された本作でスティーブンソンが目指したのは、「ドリームワークスが作った中で最も見栄えのする映画」だった。ストレスのたまる制作もありましたが、今回は非常にスムーズに進み、ドリームワークスは今後の雛形としています。運が良かったのか、アニメーションの現場は本当に和気あいあいとした雰囲気でした。プロダクションの人たちもです。全員が同じ考えで、この作品を信じているように見えました。そんなことはめったにないことです。私は、アニメーターには、キャリアの大半はゴミのような作品に取り組むことになりますが、たまに逸品に巡り合えることがあると言っています。本作はその宝石のような作品でした。ダン・ワグナー, キャラクターアニメーションの責任者[19]
冒頭の手描きアニメーションは、中国の影絵をイメージして作られた[20]。ジェニファー・ユー・ネルソン(英語版)が監督、ジェームズ・バクスターが制作したオープニングは、『ニューヨーク・タイムズ』の批評家であるマノーラ・ダルジス(英語版)に「印象的」「アメリカの主流のアニメーションとは視覚的に異なる」と絶賛された[21]。
他の評論家は、オープニングをゲンディ・タルタコフスキーのカートゥーン ネットワークシリーズ『サムライジャック』の喚起的なスタイルと比較している[22][23]。それ以外は現代的なコンピューター・アニメーションで、明るくオフビートな色彩で中国の自然風景を表現している[20]。また、エンドクレジットでは、手描きのキャラクターや静止画を背景にした演出が施されている[20]。