カンフー・パンダ2
Kung Fu Panda 2
監督ジェニファー・ユー・ネルソン
『カンフー・パンダ2』(原題: Kung Fu Panda 2)は、2011年のアメリカ合衆国のコンピュータアニメーション・アクション・コメディ映画。『カンフー・パンダ』の続編、カンフー・パンダシリーズの第2作目。ドリームワークス・アニメーションが製作、パラマウント・ピクチャーズが配給した。監督は本作が長編監督デビューとなったジェニファー・ユー・ネルソン(英語版)で、ジャック・ブラック、アンジェリーナ・ジョリー、ダスティン・ホフマン、セス・ローゲン、ルーシー・リュー、デヴィッド・クロス、ジェームズ・ホン、ジャッキー・チェンが前作から続投し、ゲイリー・オールドマン、ミシェル・ヨー、ダニー・マクブライド、デニス・ヘイスバート、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ヴィクター・ガーバーらが新キャラクターの声を担当した。ポーとマスター・ファイブは、クジャクのシェン大老による中国征服を阻止するためにゴンメンを訪れ、同時にポーの忘れられていた過去も再発見することになる。
2011年5月26日に2D、RealD 3D、デジタル3D(英語版)で劇場公開され、批評家から非常に高い評価を得た。1億5,000万ドルの製作費に対し、全世界で6億6,500万ドルの興行収入を記録し、『アナと雪の女王』(2013年)までの女性監督作品として、また『ワンダーウーマン』(2017年)までの女性監督単独作品として最高の興行収入となった。また、2011年の長編アニメーション映画としては最高の興行収入を記録し、第84回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされたが、『ランゴ』に敗れる結果となった。ネルソンは、『ペルセポリス』(2007年)のマルジャン・サトラピ以来、初めてアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた女性監督となった。続編の『カンフー・パンダ3』は2016年1月に公開された。 古代中国では、クジャク大老がゴンメンを治めていた。彼は街に喜びと繁栄をもたらし、花火を発明した。ところが息子のシェンは、闇と破壊をもたらす力を持つ、花火の魔力に惹かれた。シェンの両親が予言おばばに相談すると、彼女は「シェンがこのまま進むと、『白と黒の戦士』に倒されるだろう」と予言した。それを聞いたシェンは自分の運命を変えるため、「白と黒の戦士」すなわちジャイアントパンダを全滅させた。シェンの暴挙を知った両親は息子を街から追放し、シェンは「いつの日か故郷に戻り、中国全土を足下にひざまずかせる」と、復讐を誓った。 30年後の中国。カンフーオタクでジャイアントパンダのポーは、ひょんなことから伝説の龍の戦士となり、レッサーパンダのシーフー老師の下で修行を積んでいる。仲間にはマスター・ファイブと呼ばれる5頭の戦士がいた。当初はバカにされていたが、自身の体型から、腹を利用して相手からダメージを受けることなく、相手の力を利用して攻撃する方法で頭角を現した。シーフー老師はポーに次の段階「内なる平和を見いだせ」とアドバイスする。内なる平和を見つけると、気を操れるようになるが、それは自分で見つけないとならず、誰かに教わって会得するものではなかった。漠然とした課題にポーは戸惑いを隠せないでいた。 そんな折、音楽家の村に盗賊が出没したという知らせを受け、ポーとマスター・ファイブは村へ行く。盗賊たちは鐘などの金属類を奪っていた。マスター・ファイブとポーは盗賊たちと戦うが、盗賊団のオオカミ、ウルフ隊長の腕のマークを見た時に、ポーの頭の中に何かの映像、昔の思い出のようなものがフラッシュバックする。ポーは身体が動かなくなり、蹴られて盗賊団に金属製の楽器を奪われた。気になったポーは、自分の過去のことを聞きにふもとに降り、ラーメン店を営むガチョウの父、ミスター・ピンに会いにいくことにした。すっかり大人になったポーに、そろそろ話してもいいだろうと思ったピンは「お前は養子だ」と告白した。ポーは配達された野菜箱の中に入っており、待っても誰も現れないため、自分の息子として育てることにしたという。 その頃、遠くの山ではシェン大老が、復活の時を狙って準備を進めていた。シェンは手下に金属類を集めさせ、巨大な大砲を作っていたのだ。シェンはゴンメンを襲い、カンフー評議会が守るゴンメンを手に入れ、指導者のマスター・サイは殺された。それを知ったシーフー老師は、ポーとマスター・ファイブに、シェンの武器を破壊して正義の裁きを下すよう命じた。旅の支度をした一同は、シェンのいる遠い山に向かった。旅の道中、ポーは夜に、両親が息子である自分をカブと交換するという夢を見た。ずっと育ててくれたピンが父親ではなかったこともショックで、ポーは修行に身が入らない。 やっとゴンメンに到着したポーとマスター・ファイブは、すでにゴンメンがシェンの支配下にあると知る。それだけではなく、シェンは中国全土を支配するために、大砲を乗せた船を出して戦いに行く準備を着々と整えていた。ゴンメンでパンダは目立つため、ポーとマスター・ファイブは獅子舞に入って進むが、シェンの手下に見つかり追われる。逃亡の最中、捕らえられている伝説のマスター・ウシとマスター・ワニのところへ入りこみ、2頭の檻を開けるとシェンを倒すのを手伝ってくれと頼んだ。ところが2頭は恐れをなして引きこもり、「カンフーは死んだ」と言って戦うのを拒否する。ポーたちは再び手下に見つかり、街の中を逃走したがシェンの城に入りこんでしまい、捕まった。シェンと予言おばばの前に引き立てられた一同だが、途中で小さいマスター・カマキリが抜け出し、皆の拘束を解いていた。シェンに立ち向かおうとしたポーだが、羽根のマークを見て、またもや何かの映像が頭の中にフラッシュバックし、身体が動かなくなる。それでも大砲を皆で塔の下に落として壊すが、シェンが隙を見て向かいの別の塔へ逃げ、そこにあった大砲と火の矢で攻撃を受けた。塔は倒れ、ポーたちはそのどさくさまぎれに逃亡する。ポーたちは伝説のマスターたちのところまで逃げたが、マスター・タイガーがポーに詰問した。ポーは「両親と別れた時にあのクジャクがいた。クジャクなら、両親のことを知っている」と答える。
ストーリー