カンバセーション…盗聴…
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興行収入$4,420,000[1]
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『カンバセーション…盗聴…』(原題:The Conversation)は、1974年製作のアメリカ映画フランシス・フォード・コッポラ監督・製作・脚本作品。ジーン・ハックマン主演。殺人計画に巻き込まれた盗聴のエキスパートの心理的恐怖を描いた作品。サスペンス映画の傑作として高く評価されている。
ストーリー

サンフランシスコ在住のハリー・コールは、通信傍受の権威で、自らのプライバシーの保持に異常に気を使っているがために、孤独な私生活を送っており、彼とより親密な交際を求める恋人とも別れる羽目になってしまう。そんな彼にとって唯一の心の支えは、厳重に外部から隔離された自室で、ジャズの調べに合わせてサクソフォンを演奏することだった。

ハリーはある日、大企業の取締役からの依頼を受けて、雑踏にまみれたユニオンスクエア(英語版)で密会する若い男女二人組の会話を盗聴する。一見すると他愛の無い世間話に見えた二人の会話だが、そこに不審なものを感じたハリーは依頼人の補佐役に対し、録音したテープの受け渡しを拒否する。依頼人のオフィスからの帰り道にハリーは、公園で盗聴したカップルに遭遇する。例の二人組は、実はその会社に勤めていた社員であり、女の方は依頼人の妻だったのだ。
キャスト

役名俳優日本語吹替
日本テレビテレビ朝日
ハリー・コールジーン・ハックマン若山弦蔵石田太郎
スタンジョン・カザール納谷六朗
ウィリアム・P・モランアレン・ガーフィールドたてかべ和也
アンシンディ・ウィリアムズ高橋ひろ子
マークフレデリック・フォレスト野島昭生
マーティン・ステットハリソン・フォード麦人
ポールマイケル・ヒギンズ村松康雄
メレディスエリザベス・マックレイ
エイミィ・フレデリックステリー・ガー
取締役ロバート・デュヴァル千田光男


日本テレビ版:初回放映1981年7月11日『土曜映画劇場』

テレビ朝日版:初回放映1984年1月14日『ウィークエンドシアター』

その他の声の出演:広瀬正志島香裕峰恵研


製作映画冒頭の盗聴シーンの舞台となった、サンフランシスコのユニオンスクエア
企画

映画の構想自体は、監督のフランシス・フォード・コッポラが1960年代中盤から暖めていたものである。コッポラによれば、脚本執筆の切っ掛けとなったのは映画監督のアービン・カーシュナーとの会話であるという。カーシュナーと盗聴について話し合っている時、その技術や専門家に興味を示したコッポラに、カーシュナーが盗聴の第一人者であるハル・リップセット[注 1]についての資料を送ったのが始まりである。

リップセットのような実在の盗聴のプロフェッショナルたちの話のほか、ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品の『欲望』やヘルマン・ヘッセの『荒野のおおかみ[注 2]といった創作物もコッポラの脚本執筆のモチーフになった[2]。ただし当時のコッポラは映画監督としてまだ駆け出しの存在であり、自分の望んだ映画を撮れる立場ではなかったので製作は見送られることになった。

その後、1972年に公開された『ゴッドファーザー』の圧倒的な成功で監督としての名声と潤沢な撮影資金を得たコッポラが、満を持して製作に取り掛かることになった。
キャスティング

撮影前の段階で、コッポラは、『ゴッドファーザー』でドン・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドを主役のハリー・コール役に起用しようとしていた。しかし、ブランドはコッポラからのオファーを拒絶、代わりに『フレンチ・コネクション』(1971年)でブレイクしたジーン・ハックマンが出演することになった[3]。ハリーの複雑な人格を見事に演じきったハックマンの演技は、高く評価されている。本作品でハックマンは1974年度のナショナル・ボード・オブ・レビュー賞主演男優賞を受賞した。

告解室でハリーの懺悔を聞き入れるカトリックの神父を、ジーン・ハックマンの実兄リチャード・ハックマンが演じている。リチャードは他にもハリーを取り押さえる警備員としても出演している。ただし、どちらの役も映画のスタッフロールにクレジットされない端役である。

ロバート・デュヴァルが、ハリーに盗聴を依頼する取締役としてカメオ出演しているほか、下積み時代のハリソン・フォードがその補佐役として登場している。
撮影とポストプロダクション

映画の撮影は1972年の11月26日から開始された[4]。『ゴッドファーザー』製作の時のように、コッポラの監督としての能力に不信感を持った映画会社の重役たちからの掣肘はなかったものの、撮影中にコッポラは精神的にも物理的にも様々な困難に対処する必要に迫られた。脚本は一応完成していたものの、コッポラはその出来に不満を感じており、映画の幕切れに関して最後まで頭を悩ませることになった[5]。コッポラは当初撮影監督にハスケル・ウェクスラーを起用していたが、途中で意見が対立したためウェクスラーを解雇し、代わりに『雨のなかの女』で撮影を担当したビル・バトラーを呼び戻した。そのため撮影が困難だった冒頭のユニオンスクエアのシーン以外を破棄し、再度一から撮り直すことになった[6]。映画の大半はロケーション撮影であったため、撮影費用を節約することは出来たが、その代償として照明や音響、場所の確保等の技術的問題が多く生じることになった[7]

製作期間の後半はコッポラ本人が『ゴッドファーザー PART II』の撮影準備で忙しかったので、映画の音響を担当したウォルター・マーチが編集作業にも携わることになった。映画のエンディングを現在の形にするようにコッポラに助言したのは、マーチであったとされる。マーチの映画製作における貢献は絶大であり、映画評論家のピーター・コーウィー(英語版)は、彼のことを本作品の共同製作者とまで呼んでいる[8]。映画撮影は1973年の3月に終わり、それから1年以上の編集期間を経て、1974年4月7日に公開された。
公開
興行収入

本作品の制作費は180万ドルと、当時のハリウッド製大作映画と比べて控えめなものであったが、興行成績が振るわず結局制作費を回収することは出来なかった[9]。興行的には今ひとつだったものの、批評家たちは本作品を完成度の高いスリラーとして賞賛、コッポラの監督としての評価を更に高めることになった。コッポラも後にインタビューで、本作品のことを彼のキャリアの中で最も好きな映画だと述べている。その理由は、本作品が『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』といった原作付きの映画と違い、コッポラ自身が書き上げた脚本に基づいた個人的なものだからだという[10]
評価

『カンバセーション…盗聴…』は、その興行的失敗にもかかわらず、多くの批評家たちから優れたサスペンス映画だとして賞賛された。公開当時、タイムニューズウィークニューヨーク・タイムズといった権威あるマスコミが本作品について好意的なレビューを掲載した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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