ピーター・コーウィーは、その著書『Coppola』のなかで、「コッポラの製作した作品の中で、この作品ほど熱情が込められた作品は無い」と評価した。コーウィーはまた、映画のラストシーンで自室に仕掛けられた盗聴器を発見するために部屋中を徹底的に破壊したハリーが、おそらくその中に盗聴器が仕掛けられていると疑いながらもサクソフォンだけを破壊しなかったのは、彼がその楽器の醸しだす音楽に夢と希望、罪の許しを求めていたからであると述べた[15]。
ロジャー・イーバートは『シカゴ・サンタイムズ』に掲載したレビューで、本作品のことを「簡潔にまとまった知的なスリラー」であると賞賛した。作品のモチーフについてイーバートは、主人公ハリー・コールの、「基本的に悪人ではなく、自らの仕事を遂行しようとしているが、その仕事に起因する罪悪感と悪評に苛まされる」姿は、ウォーターゲート事件やベトナム戦争が齎した後遺症に苦しむ当時のアメリカ合衆国の縮図であると指摘している[16]。
1995年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。 1974年のカンヌ国際映画祭では最高賞であるグランプリ(翌1975年から現在の正式名であるパルム・ドールに改称)を受賞。同年度のアカデミー賞において作品賞と脚本賞、録音賞の3部門にノミネートされるが、同じコッポラ監督・脚本作品である『ゴッドファーザー PART II』(作品賞と脚色賞を含む11部門にノミネート)に阻まれ受賞には至らなかった。
受賞
脚注
注釈^ 映画中で登場人物がリップセットについて言及するシーンがある。また、リップセットは技術アドバイザーとして映画にクレジットされた。
^ 映画の主人公ハリー・コールの名前は、『荒野のおおかみ』の主人公ハリー・ハラーからとられたものである。
出典^ “The Conversation
^ Cowie p. 86
^ Cowie p. 66
^ Schumacher p. 142
^ Schumacher p. 143
^ Jeff Stafford、“ ⇒The Conversation: Overview Article”(参照:2009年1月31日)
^ Schumacher p. 144
^ Cowie p. 87
^ Lillian Loss (1982). Some Figures on a Fantasy: Francis Coppola.
^ Gene D. Phillips (1989). Francis Ford Coppola Interviewed.
^ Cowie p. 88
^ Schumacher p. 172
^ Sight & Sound、“ ⇒How the directors and critics voted: Joel Schumacher”、2002年。(参照:2009年1月31日)
^ Sight & Sound、“ ⇒How the directors and critics voted: Gore Verbinski”、2002年。(参照:2009年1月31日)
^ Cowie p. 96
^ Roger Ebert、“ ⇒Great Movies - The Conversation”、2001年2月4日。(参照:2009年1月31日)
参考文献
Peter Cowie (1989). Coppola. London: Andre Deutsch limited. ISBN 0-571-19677-2.
Michael Schumacher (1999). Francis Ford Coppola: A Filmmaker’s Life. New York: Crown Publishers. ISBN 0-517-70445-5.
Gene D. Phillips and Rodney Hill, eds (2004). FRANCIS FORD COPPOLA: INTERVIEWS. Jackson: University Press of Mississippi. ISBN 1-57806-665-4.
外部リンク
カンバセーション…盗聴… - allcinema
⇒カンバセーション…盗聴… - KINENOTE
The Conversation - オールムービー(英語)
The Conversation - IMDb(英語)
カンバセーション…盗聴… - TCM Movie Database(英語)
カンバセーション…盗聴… - Metacritic(英語)
カンバセーション…盗聴… - Box Office Mojo(英語)
表
話
編
歴
フランシス・フォード・コッポラ
1960年代
グラマー西部を荒らす(英語版)(1962)
燃える惑星 大宇宙基地(英語版)(1962)
ディメンシャ13(英語版)(1963)
大人になれば…(英語版)(1966)
フィニアンの虹(1968)
雨のなかの女(1969)
1970年代
ゴッドファーザー(1972)
カンバセーション…盗聴…(1974)
ゴッドファーザー PART II(1974)
地獄の黙示録(1979)
1980年代
ワン・フロム・ザ・ハート(1982)
アウトサイダー(1983)
ランブルフィッシュ(1983)
コットンクラブ(1984)
キャプテンEO(1986)
ペギー・スーの結婚(1986)
友よ、風に抱かれて(1987)
フェアリーテール・シアター (1987)
タッカー(1988)
ニューヨーク・ストーリー(共作:ウディ・アレン / マーティン・スコセッシ、1989)
1990年代
ゴッドファーザー PART III(1990)
ドラキュラ(1992)