カントリー・ミュージック
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カントリー・ミュージック(英語: country music)は、1920年代アメリカ合衆国バージニア州ブリストル市[1]で発祥したとされる音楽のジャンル[2]21世紀に入ってからも、カントリー・ミュージックは、アメリカ南部・中西部を中心に多くのファンを擁する[1]
概要

1920年代、北米の南北に聳えるアパラチア山脈の南方にて生活していた、イギリス系移民が持ち込んだ音楽。民謡バラッドがベースとなっており、また彼らはアフリカ系アメリカ人との交流も盛んだったことから、ゴスペルブルースの要素も融合されている[1]

1930年代からは、おもに農家として励む白人労働階級者向けの音楽として人口に膾炙した。当初は「アパラチアン・ミュージック」、「マウンテン・ミュージック」、「ヒルビリー」(en:Hillbilly。英語で言う「田舎者」)、「カントリー&ウエスタン」など複数の呼称があった中で、1940年代に「カントリー・ミュージック」と統一された[1]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ヒルビリーという言葉は差別的なニュアンスを持つため、ビルボードのチャートはヒルビリーではなく、「カントリー・チャート」の名称を使用するようになった。[要出典]

シンプルなハーモニーを形成し、バラードから自作の歌、流行歌まで幅広い音楽性を持つ[3][4][5]

当初よりブルース・モードが広く用いられている[6]

2009年の調査によると、カントリー・ミュージックはアメリカ合衆国の通勤時間によく聞かれていることが判っている[7]

平日夕方の帰宅ラッシュ時間帯に、CBラジオ(市民ラジオ)や一般のラジオで最もよく聴かれていた。

朝の通勤時間には2番目によく聴かれていた。

起源

ルーツとしては、主に以下のジャンルが挙げられる。

アメリカン・フォーク・ミュージック

ウエスタン・スウィング

アパラチアン・ミュージック
[8][9][10][11]

マウンテン・ミュージック

白人クリスチャン・ミュージック/ホワイト・ゴスペル

アイルランド音楽

ヒルビリー/ブルーグラス

ホンキー・トンク/ブルース

ホワイト・ゴスペルの曲としては、ウェブ・ピアースの「アイ・ラブ・ヒム・ディアリー」[12]、クリス・クリストファーソンの「ホワイ・ミー」などがある。
類似のジャンル

ブルーグラスジャグバンドなどの分野とは、相互に影響を与え合って発展してきた。

主流の保守的なカントリーに対して、オルタナ・カントリー、アウトロウ・カントリーなどのジャンルもある。

またアメリカーナという新しいジャンルも、音楽界に創設された。

楽器編成

カントリーバンドの構成は、いわゆる“普通のロックバンド”と同じ、ギターベースドラムキーボード等が中心となる。

フィドルバンジョースティール・ギターなどを加えて、俗に言う“カントリーらしい味付け”をする場合が多い。

必ずしもそれらの楽器が必要というわけではない。

演奏に使われる楽器

主に用いる楽器は以下のとおり。

弦楽器

フィドル

ヴァイオリン

ウッドベース

バンジョー

ギター

アコースティック・ギター

エレクトリック・ギター

ペダル・スティール・ギター


マンドリン

リゾネーター・ギター(ドブロ)


ハーモニカ

オートハープ

(ウォッシュボードや金属製のバケツは、ジャグ・バンドが使用)
詳細
イメージ

西部開拓時代カウボーイを連想する人も多いが、それはあくまでもハリウッド映画産業ブロードウェイ・ミュージカルなどが作り上げた西部劇の影響であり、元々はそれほど深い関係にはない。そもそもカウボーイ全盛の19世紀にはまだ「カントリー」という概念は存在せず、20世紀に入ってからの西部劇で演奏された曲も、クラシック音楽の作曲家が民謡などをベースに作った映画音楽舞台音楽の類で、厳密に言うとカントリーというジャンルにも当てはまらない場合が多い。後に一部のカントリー・ミュージシャンがそのイメージと人気にあやかり、カウボーイハットやブーツを身に付け、西部劇風の演出を取り入れる様になる。しかし21世紀のカントリー・ミュージシャンの世界観は西部劇で描かれるような世界観ではなく、トラック運転手がカーラジオで楽しむような音楽になっている。
人種

カントリー・ミュージックは、シーンの中心であるアメリカのほかに、カナダ、イギリス、アイルランド他のヨーロッパ日本オーストラリアにもファンが存在する。それでもファンやミュージシャンにはアメリカ出身の白人系が圧倒的に多く、南部やアパラチア発祥の音楽のため、一部では「人種差別と関係が深い音楽」と誤解されがちである。実際、戦前や少し古い時代の曲の中には人種差別的な歌詞が入ったものがあったり、小さな演奏場所では差別用語放送禁止用語を連発する過激な歌手が存在するが、あくまでもそれは一部のアーティストに限定され、本来のカントリーは保守的ではあっても、人種差別を良しとする音楽ではない。

カントリーは、アメリカ音楽産業でも人気のあるジャンルであり、さらにそれを世界に少しでも広めていこうという動きがある。したがって、カントリー歌手は、あからさまな人種差別を避けるのが一般的である。特に1970年代以降、黒人のチャーリー・プライド(Charley Pride)、ダリアス・ラッカー(Darius Rucker)、黒人女性のミッキー・ガイトン(Mickey Guyton)、ラテン系のリック・トレヴィーノ(Rick Trevino)、フィリピン系のニール・マッコイ(Neal McCoy)など有色人種のアーティストたちも第一線で活躍し、さらにバンドメンバーに目を向ければ、ヒスパニック系や黒人、アジア系も多く見受けられる。
保守/ナショナリズムリー・グリーンウッド
(Lee Greenwood)ナタリー・メインズ
(Natalie Maines)

カントリーは、音楽的には様々な価値観を取り入れて発展しているが、音楽家やファンの政治的スタンスや歌詞に込められた心情の面では保守的な部分が強い。


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