カントリー・ミュージック
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ホワイト・ゴスペルの曲としては、ウェブ・ピアースの「アイ・ラブ・ヒム・ディアリー」[12]、クリス・クリストファーソンの「ホワイ・ミー」などがある。
類似のジャンル

ブルーグラスジャグバンドなどの分野とは、相互に影響を与え合って発展してきた。

主流の保守的なカントリーに対して、オルタナ・カントリー、アウトロウ・カントリーなどのジャンルもある。

またアメリカーナという新しいジャンルも、音楽界に創設された。

楽器編成

カントリーバンドの構成は、いわゆる“普通のロックバンド”と同じ、ギターベースドラムキーボード等が中心となる。

フィドルバンジョースティール・ギターなどを加えて、俗に言う“カントリーらしい味付け”をする場合が多い。

必ずしもそれらの楽器が必要というわけではない。

演奏に使われる楽器

主に用いる楽器は以下のとおり。

弦楽器

フィドル

ヴァイオリン

ウッドベース

バンジョー

ギター

アコースティック・ギター

エレクトリック・ギター

ペダル・スティール・ギター


マンドリン

リゾネーター・ギター(ドブロ)


ハーモニカ

オートハープ

(ウォッシュボードや金属製のバケツは、ジャグ・バンドが使用)
詳細
イメージ

西部開拓時代カウボーイを連想する人も多いが、それはあくまでもハリウッド映画産業ブロードウェイ・ミュージカルなどが作り上げた西部劇の影響であり、元々はそれほど深い関係にはない。そもそもカウボーイ全盛の19世紀にはまだ「カントリー」という概念は存在せず、20世紀に入ってからの西部劇で演奏された曲も、クラシック音楽の作曲家が民謡などをベースに作った映画音楽舞台音楽の類で、厳密に言うとカントリーというジャンルにも当てはまらない場合が多い。後に一部のカントリー・ミュージシャンがそのイメージと人気にあやかり、カウボーイハットやブーツを身に付け、西部劇風の演出を取り入れる様になる。しかし21世紀のカントリー・ミュージシャンの世界観は西部劇で描かれるような世界観ではなく、トラック運転手がカーラジオで楽しむような音楽になっている。
人種

カントリー・ミュージックは、シーンの中心であるアメリカのほかに、カナダ、イギリス、アイルランド他のヨーロッパ日本オーストラリアにもファンが存在する。それでもファンやミュージシャンにはアメリカ出身の白人系が圧倒的に多く、南部やアパラチア発祥の音楽のため、一部では「人種差別と関係が深い音楽」と誤解されがちである。実際、戦前や少し古い時代の曲の中には人種差別的な歌詞が入ったものがあったり、小さな演奏場所では差別用語放送禁止用語を連発する過激な歌手が存在するが、あくまでもそれは一部のアーティストに限定され、本来のカントリーは保守的ではあっても、人種差別を良しとする音楽ではない。

カントリーは、アメリカ音楽産業でも人気のあるジャンルであり、さらにそれを世界に少しでも広めていこうという動きがある。したがって、カントリー歌手は、あからさまな人種差別を避けるのが一般的である。特に1970年代以降、黒人のチャーリー・プライド(Charley Pride)、ダリアス・ラッカー(Darius Rucker)、黒人女性のミッキー・ガイトン(Mickey Guyton)、ラテン系のリック・トレヴィーノ(Rick Trevino)、フィリピン系のニール・マッコイ(Neal McCoy)など有色人種のアーティストたちも第一線で活躍し、さらにバンドメンバーに目を向ければ、ヒスパニック系や黒人、アジア系も多く見受けられる。
保守/ナショナリズムリー・グリーンウッド
(Lee Greenwood)ナタリー・メインズ
(Natalie Maines)

カントリーは、音楽的には様々な価値観を取り入れて発展しているが、音楽家やファンの政治的スタンスや歌詞に込められた心情の面では保守的な部分が強い。ルーツである開拓民の民謡から派生しているため、自分の家族や故郷の州や町、また田舎の素朴さ、暖かさ、荒々しさなどを愛し、カウボーイやヒルビリー、レッドネックといった自分の田舎っぽいキャラクターを肯定した歌詞が多く、その裏には東海岸、西海岸や都会に対する対抗意識や反発も見られる。 そしてそれがさらに大きくなると、愛国心ナショナリズムと結びつき、アメリカ的価値観やアメリカ的自由を強調する。 その代表曲が1980年代初頭のリー・グリーンウッド(Lee Greenwood)による"God Bless The USA"である。

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件以降、その右派的傾向はますます強くなり、元軍人である父親を尊敬し、自身も米軍基地などで慰問コンサートを開くトビー・キース(Toby Keith)の"American Soldier"、イラク戦争開戦前後に、同時多発テロ事件を持ち出して戦争支持を主張する、ダリル・ウォーリー(Darryl Worley)の"Have You Forgotten? "などが発売された。だが、トビー・キースは米兵の戦死者が増加するにつれ、自分の行動が正しかったかどうかわからないと語っていた。

また同時期に、女性カントリー・トリオ、ディクシー・チックスのボーカル、ナタリー・メインズ(Natalie Maines)がコンサート中に、イラク戦争に絡みジョージ・W・ブッシュ大統領について「合衆国大統領が(私たちと同じ)テキサス出身である事を恥じる。」と発言したのが波紋を呼び、中西部から南部を中心に 全米の多くのラジオ局で彼女たちの曲が外され、カントリー・ファンや大統領支持派によるCDの不買・廃棄キャンペーンなどが行われるなど、ファンや業界の保守・愛国思想が露骨に現れた。また、本人や関係者に対する嫌がらせや脅迫も相次ぎ、事実上、業界から干される格好となり、さらに育児なども重なり、活動を一時的に停止する。しかしながら2006年には、この騒動を綴ったドキュメンタリー映画『Shut Up & Sing (公式webサイト)(黙って歌ってろ!)』が公開され話題となり、また"Not Ready To Make Nice"「まだ(皆の望むような)よい子にはなれない。」というタイトルのシングル曲[注 1]を含めたアルバムも発表され、カントリー以外の音楽業界やリベラル派のファンの支持を受け、2007年グラミー賞においては、最優秀アルバム賞を含む5冠を獲得して復活を遂げた。
ダンス

アメリカには、田舎、都会に限らず各地にカントリー・バーホンキートンク(Honky-tonk)と呼ばれるナイトクラブが約5000軒以上存在し、それらのほとんどがダンス・フロアを設けており、カントリー・ダンスが盛んに踊られている。 その世界最大のものが、テキサス州フォートワースにあるBilly Bob's Texasである。ところが、カントリーがまだ民謡だった時代のフォークダンスはさておき、現行のカントリー・ダンスの歴史は意外に浅い。 一説には、大都会ヒューストンのバーでロデオマシーンに興じる若者の青春を描いたジョン・トラヴォルタ主演の映画、『アーバン・カウボーイ』(Urban Cowboy 1980年)が起源とも言われる。カントリー・ダンスは大まかに分けて、ラインダンスとツーステップの2種類がある。ジェシカ・シンプソン

ラインダンス:フロアに整列し、一斉に同じステップを踏むダンス。コレオグラファーや有名ダンスインストラクターなどが創作した振りをステップシートにおこし、それが各地のナイトクラブホンキートンクなどでそれぞれ広められる。 カウントや曲ごとに振り付けが決まっていて全員がほぼ同じ振りをする。


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