カルボナリ
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これにより、一時的ながら革命は成功した。なお、カルロ・アルベルトは1831年、カルロ・フェリーチェの後を継いで国王に即位している。

これに対し、北イタリアを領有するオーストリアは革命の波及を恐れ、鎮圧に乗り出した。宰相クレメンス・メッテルニヒ(Cremens Metternich)は1821年、五国同盟の加盟国(英・露・墺・普・仏)をライバッハ(現リュブリャナ)に集め、対応を協議(ライバッハ会議)。オーストリア軍の出兵を承認させた。これを受けて両シチリア国王フェルディナンド1世も、憲法は自らの意思に反して強要されたものであるとして革命鎮圧の為にオーストリア軍の派遣を要請した。同年3月23日、オーストリア軍はグリエルモ・ペーペ将軍率いるナポリの立憲政府軍を打破しナポリを占領した。4月にはピエモンテに侵入し、カルボナリを中心とする革命軍を破った。

なお、スペイン立憲革命もフランス軍の干渉により挫折、指導者リエゴは1823年に刑死した。
本部移転と国際化

革命政権の崩壊により、イタリアにおけるカルボナリは衰退を始める。教皇ピウス7世が1821年9月13日、この蜂起を糾弾する声明を発表するなど、圧力も強まりを見せたため、カルボナリは本拠地をパリに移した。1821年当時は、フランスにおいてもカルボナリ(シャルボンヌリー)が結成された時期であった。イタリアのカルボナリは、この地においてフランスのシャルボンヌリーと連携。ウィーン体制の打倒を目指すヨーロッパ各地の自由主義者の支持を集め、国際的にはなおも勢力を拡大したが、彼らの思想に必ずしも同調しているとはいえないルイ・フィリップ(Louis Philippe)やルイ=ナポレオン・ボナパルト(Louis-Napoleon Bonaparte)を指導者に加えるに至って、大衆との乖離が進んだ。
フランス7月革命

1830年7月27日、パリでフランス7月革命が勃発。この時、シャルボンヌリーは学生、小市民、労働者らと連携。ブルジョアジーの援助を得た約6万人の市民は、7月29日ルーヴル宮殿テュイルリー宮殿ノートルダム聖堂を占領。3日間の市街戦に勝利した(栄光の3日間)。

8月2日、国王シャルル10世(Charles X)はイギリスへ亡命し、ブルボン朝は崩壊。延べ200余年の歴史に幕を下ろす。これに替わりルイ・フィリップを国王に戴く立憲王政が誕生。新政権にはカルボナリの党員も名を連ねた。
解体

フランス7月革命の成功を受け、イタリアのカルボナリは1831年から1832年にかけて、教皇領ボローニャモデナパルマなど中部イタリアの各地で革命を企て蜂起した(イタリア暴動、又は中部イタリア革命)が、オーストリア軍が国境を越えて再び進撃。期待を寄せていたルイ・フィリップからの援助は全くなされず、暴動は鎮圧された。これによりカルボナリは求心力を失い、党員は次々と離散した。

この動乱のさなかに離党したジュゼッペ・マッツィーニ(Giuseppe Mazzini)は1831年、亡命先のマルセイユ青年イタリア(Giovine Italia)を結成。残存勢力の多くがこれに合流した。

フランスのシャルボンヌリーも、所期の目的である革命が成功すると急速に解体。この成果に飽き足らず、ルイ・フィリップの王政に不満を持った急進勢力は、他の共和主義団体に籍を移して革命運動を継続した。
影響

カルボナリ(シャルボンヌリー)が起こした一連の革命運動は、唯一にして最大の成功例たる7月革命を除けばいずれも挫折。束の間の政権樹立を現出したナポリ革命やピエモンテ立憲革命においても、鎮圧後に憲法は放棄され、立憲国家の夢は潰えた。しかし7月革命は勿論のこと、イタリアにおける諸々の革命もウィーン体制を揺るがした。フランスにおいては1848年2月革命の素地を醸成。また、イタリアにおいては直接的な果実は皆無に近かったとはいえ、1861年イタリア王国建国へと繋がる成果を挙げたといってよく、初期の統一運動(イタリア統一運動Risorgimento)を代表するものであった。
主な党員

アントニオ・パニッツィ(Antonio Genesio Maria Panizzi:のちの大英博物館第6代館長)

フィリッポ・ミケーレ・ブオナローティ(Filippo-Michele Buonarroti:革命家。バブーフの陰謀など、多くの革命・クーデター計画に加担)

ジュゼッペ・マッツィーニ(Giuseppe Mazzini:革命家。離党後、青年イタリアを組織)

ルイ=ナポレオン・ボナパルト(Louis-Napoleon Bonaparte:ナポレオン・ボナパルトの甥。のちのフランス皇帝ナポレオン3世)

ルイ・フィリップ(Louis Philippe:オルレアン公


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