マイソール王国の将軍であったハイダル・アリーは、君主クリシュナ・ラージャ2世から実権を奪い、王国を支配下に置いた。ハイダル・アリーの死後、マイソール王国は彼の息子ティプー・スルターンに引き継がれた[11]。
ハイダル・アリーとティプー・スルターンは南インドのヨーロッパ勢力拡大を止めるため、またイギリスのインド植民地化政策に反対し、彼ら二人はマイソール戦争として徹底的に戦った。結果としてティプー・スルターンも白兵戦で戦死し敗れ、この地域は1799年にイギリスの植民地と化した[12]。マイソール王国はイギリス領インド帝国のもと、藩王国としてオデヤ朝の管理下に戻され、存続を許された。
その後、当時のインド総督であったダルハウジー伯爵ジェイムズ・ラムゼイによる「失権の原理」がインド国中で藩王国の異議と反抗を呼び、1857年のインド大反乱の約30年前の1830年に、カルナータカでも反旗が上がった。また、スパ、バガルコート、ショーラープル、ナルグンド、ダンデーリなどでも同様の蜂起が起こった。1857年のインド大反乱とあわせて、いくつかの蜂起が起こった。19世紀末までには、インド解放運動には勢いがつき、20世紀に突入していくこととなった[13]。
インド独立後、マイソール藩王家はインドへの編入に同意し、1950年にはマイソール藩王国は同名の州となった。元藩王は1956年までラージ・プラムクの称号で州知事を勤めた。
1956年11月1日に国家再編法によってこの地域の州が統合され、マイソール州が成立し、現在の州域が確定した。
その後、悲願であったカルナータカ再統合運動を受け、1956年の国家再編法により、マドラス、ハイダラーバード、ボンベイのコダグ語、カンナダ語を話す地域をマイソール州に編入し、17年後の1973年に州名をカルナータカ州と改称した[14]。
地方行政区分カルナータカ州の行政区分
カルナータカ州は、30県(ジッラガル ?????????)に分けられている。
ベンガルール地方(英語版)
ベンガルール市街県(英語版) (???????? ??? ???? ; Bangalore Urban)
ベンガルール農村県(英語版) (???????? ??????? ; Bangalore Rural)
チトラドゥルガ県(英語版) (?????????? ; Chitradurga)
ダーヴァナゲレ県(英語版) (???????? ; Davanagere)
コーラーラ県(英語版) (????? ; Kolar)
シヴァモッガ県(英語版) (???????? ; Shimoga)
トゥマクール県(英語版) (??????? ; Tumkur)
ラーマナガラ県(英語版) (?????? ; Ramanagara)
チッカバッラプラ県(英語版) (????????????? ; Chikkaballapur)
ベラガヴィ地方(英語版)
バーガラコーテ県(英語版) (???????? ; Bagalkot)
ベラガヴィ県(英語版) (??????? ; Belgaum)
ヴィジャヤプラ県(英語版) (??????? ; Bijapur)
ダーラヴァーダ県(英語版) (?????? ; Dharwad)
ハーヴェーリ県(英語版) (?????? ; Haveri)
ガダグ県(英語版) (???? ; Gadag)
ウッタラ・カンナダ県(英語版) (????? ????? ; Uttara Kannada)
カラブラギ地方(英語版)
バッラーリ県(英語版) (??????? ; Bellary)
ビーダル県(英語版) (????? ; Bidar)
カラブラギ県(英語版) (???????? ; Gulbarga)
コッパラ県(英語版) (?????? ; Koppal)
ラーヤチュール県(英語版) (??????? ; Raichur)
ヤードギリ県(英語版) (??????? ; Yadgir)
マイスール地方(英語版)
チャーマラージャナガラ県(英語版) (????????? ; Chamrajnagar)
チッカマガルール県(英語版) (??????????? ; Chikmagalur)
ダクシナ・カンナダ県(英語版) (?????? ????? ; Dakshina Kannada)
ハーサナ県(英語版) (???? ; Hassan)
コダグ県(英語版) (????? ; Kodagu)
マンディア県(英語版) (????? ; Mandya)
マイスール県(英語版) (?????? ; Mysore)
ウドゥピ県(英語版) (????? ; Udupi)
経済州都ベンガルール
2019年のカルナータカ州の州内総生産は2000億ドルで、インド内5位である。また、2021年の外資の直接投資額は、インド内1位を記録している[15]。
人口の80%が農業を営む。州の収入の49%が農業収入である。ウッタラ・カンナダ県(英語版)とダクシナ・カンナダ県(英語版)を含む海岸平原地方は、米とサトウキビを栽培する。またコダグ県(英語版)を中心とした西ガーツ山脈の山麓では、珈琲や紅茶が栽培されている。特にカルナータカ州の珈琲の生産量は全インドの生産量の70%を占め、生産されたうちの50%は輸出される。州北西部の黒土地帯は農業に適しており、綿花・玉葱・穀類・向日葵・落花生が栽培されている。
マーレーナードゥ地方(英語版)の森林からは、木材・竹材・白檀が産出される。特に白檀の生産は世界有数であり、インド内ではこの地域のみから輸出され、世界で精製される白檀油の原料のほとんどはカルナータカ州産である。
インドで産出される金は、すべてカルナータカ州のコーラール県(英語版)からのものである。